『詐欺メール』『【重要・緊急】りそな銀行入金制限のお知らせ』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

『りそな銀行』が『ETC利用照会サービス』のドメインを？！

ほんと詐欺メールには底がありませんね、今回はりそな銀行を騙るフィッシング詐欺メールの
ご紹介となります。
そのメールがこちらです。

我慢できずに色々書き込んでしまいましたが、りそな銀行になりすましてはいるもののあちらこちらに
おかしなところがあるようです。

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『[spam] 【重要・緊急】りそな銀行入金制限のお知らせ』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『”りそな銀行” <etc-meisai@www030ju.com>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

『りそな銀行』とは書いてありますが、そのメールアドレスのアカウントは”etc-meisai”
実はこれ『ETC利用照会サービス』さんのドメイン部分と全く同じスペルです。
どうして『りそな銀行』さんが『ETC利用照会サービス』さんのドメインをアカウント名として
使うのでしょうか？
そして更には『りそな銀行』さんの公式ドメインは”resonabank.co.jp”で間違ってもこのような
数字を使ったドメインではありません。

シンガポールのサーバーを中継

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので
すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。

では、メールアドレスにあったドメイン”www030ju.com”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。

これがドメイン”www030ju.com”の登録情報です。
これによると”38.181.95.127”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なのでこのメールアドレスはりそな銀行からのものではないものの
送信者ご本人さんのもので間違いなさそうです。

”Received”に記載されているIPアドレスは、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

地図上に立てられたピンの位置は、シンガポールの山奥。
送信に利用されたのは、『Bignet Limited』と言うプロバイダーです。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

『お名前.com』さんが申請代行しているドメイン

では引き続き本文。

※直リンク防止のためURLの一部の文字を変更しております

まず第一に、私はりそな銀行さんのユーザーではありませんので口座も持っていません。
ですからこのような制限や規制を行われる筋合いもありません！(笑)

このメール、後半の説明書きが何故だか箇条書きにされていますが、これにはどのような意味が
あるのでしょう？
この方が読みやすいとでも思っているのでしょうか？(;^_^A

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは本文内に直書きされて、そのリンク先のURLとトレンドマイクロの
『サイトセーフティーセンター』での危険度評価がこちらです。
そのリンク先はGoogleの『透明性レポート』の
サイトステータスはこのようにレポートされていました。
リンク先の『Nortonセーフウェブレポート』での判定はこのようにレポートされていました。

既にしっかりフィッシングサイトとしてブラックリストに登録済みですね。

このURLで使われているドメインは”sunshineshady.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。

『お名前.com』さんが申請を代行しているこのドメインを割当てているIPアドレスは”45.192.178.158”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

地図上に立てられたピンの位置は、香港の『中西区(Central and Western)』付近。
そして利用されているホスティングサービスは『Shenzhen Panshi Yuntian Network Technology』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。

すると開いたのは中国語の書かれたこんなサイト。

アドレスバーをよく見るとURLが先程のものとは変わってるじゃありませんか。
いつも間にかリダイレクト(自動転送)され知らないうちに別サイトに飛ばされてしまっていたようです！
元々最初からリダイレクトされていたのか、それとも何らかに理由があって最近リダイレクトを施したのかは
今となっては分かるすべもありません。

まとめ

リダイレクトされたこのサイトのURLの安全性も調べてみましたが、このサイトは『安全』と出ましたので
危険は無いようです。

でも、恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;