そのポイントいつ溜まった?
Tポイントから14,829ptものポイントが失効するとのメールが。
そりゃいかん、急いでポイント交換しないと!(;´Д`)
ん?ちょっと待てよ14,829ptって、ほとんど使わないのにいつの間に溜まったんだろう?
と、もう一度メールを見直すと『親愛なるお客様、』って…
こりゃ『あれ』だわ(笑)
更に見ると、本文に不思議な『??? ??』が…(笑)
そう、このメールは、クレジットカード情報を聞き出そうとするフィッシング詐欺メールです。
それにしてもポイント交換を騙りどのような方法でカード情報を聞き出そうとするのでしょうか?
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は『[spam] 【緊急】 Tポイント、14829ptがt-point.co.jpです!』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
『"Tサイト[Tポイント/Tカード" <email@t-point.co.jp>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
このメールアドレスで使われているドメインは”t-point.co.jp”
いかにもTポイントのドメインのようにも思えますが、実はこれ全然違う『轟産業』と言う
工業計測器、電子制御機器などの製造販売を行うメーカーさんのもの。
もちろんこの企業さんが詐欺メールなんて送るはずも無いので、このメールアドレスは偽装の可能性大!
因みにTポイントさんの公式ドメインは”tsite.jp”ですからお間違いの無いように!
またしても『サンクトペテルブルク』発
では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
Received:『from grass-96.vm.sshvps.ru (unknown [45.141.85.209])』 |
ほらほら”t-point.co.jp”とは全く異なる”grass-96.vm.sshvps.ru”なんてロシアの国別ドメインを使った
ドメインが見えてきましたね。
ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので
すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、メールアドレスにあったドメイン”t-point.co.jp”が差出人本人のものなのかどうかを調べてみます。
これがドメイン”t-point.co.jp”を割当てているIPアドレスの情報です。
これによると”133.130.76.226”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIP”45.141.85.209”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
このメールのドメインは”t-point.co.jp”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です!
”Received”に記載されているIPアドレス”45.141.85.209”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。
表示された地図に立てられたピンの位置はロシアの『サンクトペテルブルク』
最近この辺りに設置されたメールサーバーから送信されるフィッシング詐欺メールが大変多くなっています。
そのサーバーを運営するのもロシアの『Media Land LLC』と言うプロバイダーです。
『親愛なるお客様』なんて使う?
では引き続き本文。
親愛なるお客様、
/P>
いつもT-pointプログ
ラムをご利用いただき、誠にありがとうございます。大変重要なお知らせがございます。お客様の貴重なポイントが、残りわずか1週間で期限切れとなります。
この機会に、以下??? ??リンクからポイントをご利用いただき、お気に入りの商品やサービスをお得にお楽しみください。
[ ポイントを使用する]
———————————————————————————————-
また、ご不明点やご質問がございましたら、以下のTサイトのリンクより、よくあるご質問・お問い合わせをご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。
Tサイト[Tポイント/Tカード]
-よくあるご質問・お問い合わせ (tsite.jp)
ポイントの期限が??? ??っておりますので、お早めのご利用をお願い申し上げます。何かご質問やお困りの点がございましたら、お気軽にお知らせください。
心より感謝いたし??? ??す。
敬具 |
『親愛なるお客様』なんて如何にも他の言語から機械的に翻訳されたような言葉使いませんよね?(笑)
それに所々に散見される『??? ??』は文字化けでもしたのでしょうか?それとも意図的??
このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『ポイントを使用する』って書かれたところに付けられていて
リンク先の『Nortonセーフウェブレポート』での判定はこのようにレポートされていました。
ん~、『注意』ですか…
もしかしたらまだ新しい詐欺サイトかもしれないので、評価を変更していただけるように私から申請して
おきます。
このURLで使われているドメインは”tpointworld.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
このドメイン、アイスランドの首都レイキャビクで管理されているようですね。
このドメインを割当てているIPアドレスは”104.21.69.226”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。
今度は、カナダの『トロント市庁舎』付近の地図です。
ここも最近詐欺サイトが多く見られる地域ですね。
利用されているホスティングサービスは『Cloudflare』
この辺りに設置された『Cloudflare』のウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
『Nortonセーフウェブレポート』判定からすると、リンク先の詐欺サイトは、どこからもブロック
されることなく無防備な状態で放置されていると思われます。
そんなサイトに、調査を目的で安全な方法を利用して訪れてみることにします。
やはりあっさり開きました。(^^;)
開いたのはポイント交換ページですが、どれも交換はポイントプラス現金に限定されています。
これがミソなんですね!
ポイントだけじゃカード情報が聞き出せないのでこういう手法を取ったのです。
気になるので、適当にどれか一つを選んでみます。
まずは個人情報の入力を求められました。
適当に埋めて先に進んでみます。
ここでカード情報の入力です…
ポイント消化するはずが、少量の現金を要求されカード情報を盗まれるなんてシャレになりませんよね!
当然これらを入力して登録ボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。
まとめ
ほんと悪知恵使って色々考えますよね!
もっと別のところにその知恵を使えばいいのに…
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |