『詐欺メール』『【最終警告】[楽天e-NAVIの]情報の有効期限が切れ、アカウントの使用が停止されました.』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

宛名が『楽天e-NAVI お客様』

『楽天e-NAVI お客様へ 』から始まる怪しいメールが『楽天カード株式会社』とされるところから
Apple社のメールアドレスで届きました。

なんか詐欺メールで昔からありがちな本文が書かれていますね。
私、楽天カードは持っていますが登録に利用したメールアドレスはこの受信したアドレスではありません。
それに『楽天e-NAVI お客様へ 』なんて抽象的な宛名はどうかと思います。
更に言えば、どうして楽天がApple社のメールアドレスを使っているのか不思議に思います。

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『【最終警告】[楽天e-NAVIの]情報の有効期限が切れ、アカウントの使用が停止されました.』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『楽天カード株式会社 <zvr-4339vlv@id.apple.com>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

楽天がAppleのメールアドレスなんて絶対に使うはずないのでこの差出人は楽天関係者ではありません。
最近Apple社のメールアドレスを記載して送られてくる詐欺メールが急増しています。

差出人の本当のメールアドレスは？

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

ここには新たに”mail0.hif581.com”なんてドメインが記載されていますね。

”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので
すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。

というわけで”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーに割当てられたものなので
このIPアドレスが差出人のメールアドレスにあるドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合は偽装となり特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

もちろんこの差出人は欄店でもなくましてやAppleの人間でもありませんから偽装は確定です。

では”Receivedにあったドメイン”mail0.hif581.com”に付いて調べてみることにします。

これがアメリカアリゾナ州で管理されているこのドメイン”mail0.hif581.com”の登録情報です。
これによると”112.196.222.254”がこのドメインを割当てているIPアドレス。

この差出人は、楽天の関係者ではないものの”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なので
このメールアドレスのドメインは”mail0.hif581.com”で間違いなさそうです。

”Received”に記載されている末尾の”112.196.222.254”は、そのサーバーのIPアドレスになり
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

送信に利用されたのは、『Cloud Information Technology (Intl) Telecom Group LIMITED』と言う
香港のプロバイダーです。

位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、韓国の『水原市』付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

怪しい電話番号

では引き続き本文。

ここに書かれている”(03)-5757-5252”と言う電話番号は、詐欺メールによく使われているもので
『電話帳ナビ』でも『詐欺メール／URLは危険【注意】』と書かれており危険なものと周知されています。
怖くて掛けることなんてできませんが、一説によるとここへ電話を掛けても『現在使われておりません』と
流れるだけだとか。

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『楽天e-NAVI ログイン』って書かれたところに付けられていて、
そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での
危険度評価がこちらです。

カテゴリはフィッシングサイトではなく『不正プログラム配信』とされていますね。
どちらにしても既にしっかりブラックリストに登録済みですからリンクへ移動してもサイトは
ブロックされるでしょう。

このURLで使われているドメインは”em318.com”

このドメインを割当てているIPアドレスの情報を取得してみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”156.251.248.137”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

利用されているホスティングサービスは『Cnservers LLC』

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
今度ピンが立てられたのは『香港』付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

トレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での危険度評価が不正プログラム配信とされているので
今回は詐欺サイトへの訪問は危険が伴うのでやめておきます。

まとめ

今朝の新聞で、銀行やカード会社を騙った詐欺メールによる被害が増えている旨の記載がありましたが
差出人のメールアドレスやリンク先のURLにあるドメインで簡単に判断できるのに残念でなりません…
私個人ではなんとも非力ではありますが、少しでも被害に遭う方が少なくなるよう今後もこう言った発信を
続けなければと心に誓うのでありました。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;