『詐欺メール』『【緊急】ETCアカウント異常のご報告』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

受信箱は『ETC利用照会サービス』ばかりで…

もう朝一の受信箱の中は、ETC利用照会サービスを騙る『【重要なお知らせ】解約予告のお知らせ』って
件名のメールばかりでえらい事になっちゃっています…(-_-;)

そんな中、これとは別にこのようなメールも届いていますので今回はこちらをご紹介していくことにします。

登録したことも無いETC利用照会サービスの私のアカウントに何やら緊急な異常が発生しているとのこと。
その異常を解決するためにリンクでアカウントセキュリティの強化をするよう促しています。
このメール、送信者のメールアドレスにはなぜだかApple社のメールアドレスが記入されています。
確か昨日ご紹介した『マイナポイント第2弾』をネタにした詐欺メールでもApple社のメールアドレスが
使われていましたね。

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『[spam] 【緊急】ETCアカウント異常のご報告』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『”ETC利用照会サービス” <e-Tax@id.apple.com>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

多くを騙るつもりはありませんが、いつからApple社は様々なところのメール代行業務を
担うようになったのでしょうね？(;^_^A

このIPは『サイバーアタックの攻撃元』

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

あらら、今度はまた”fuuxx.cfd”なんて別のドメインが書かれていますね。

”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので
すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に危険性や送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

このIPアドレスを元に割り出した危険度は『脅威レベル：高』
その詳細は『サイバーアタックの攻撃元』表示とされています。

送信に利用されたのは、中国の『Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited』と言う
プロバイダーです。

位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、またしても『杉並区和泉2丁目公園』付近です。
本当にこの地図を見ることが最近急激に増えてきました。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

サポセンの連絡先は？

では引き続き本文。

このメール『ご不明点やお問い合わせがございましたら、サポートセンターまでお気軽にご連絡ください』と
書かれている割には連絡先が書いていないと言うなんとも不親切なメールですね。(^^;)

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『こちらから』って書かれたところに付けられていて、
そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での
危険度評価がこちらです。

既にしっかりブラックリストに登録済みですね。
リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。

このURLで使われているドメインは”5zddyf6x.icu”とこれまたETC利用照会サービスさんに似ても似つかぬ
ドメインが使われていますね。

このドメインにまつわる情報を取得してみます。

佐賀県で管理されているこのドメインを割当てているIPアドレスは”107.172.209.174”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

利用されているホスティングサービスは『ColoCrossing』

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
今度ピンが立てられたのは、アメリカの『ダラス』付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。

開いたのは詐欺サイト調査で見慣れたのETC利用照会サービスさんへのログインページ。
もちろん偽サイトですが、ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと
その情報が詐欺師に流れてしまいます。
そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで
詐取されることでしょう。

まとめ

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;