キャンペーン期限延長?!ほらまた来た! って感じで次々と送られてくる『マイナポイント第2弾』をネタにした詐欺メール。 昨日までは10月末が期限だと書いてありましたが、やっぱり延長されて今回は12月31日に変更されています。  でも書いてあるのは毎回同じような内容で、説明文には意味の分からない『ただし』が入れられているし なんとなく日本語が得意じゃない方が作者のようです。 今回は差出人のメールアドレスにちゃんと総務省のドメインが入れられていますね…(;^_^A では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] マイナポイント20,000円分GETのチャンス!応募方法をまとめました!』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『マイナポイント事務局 <contact-***@mynumbercard.point.soumu.go.jp>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 ”***”には私のメールアドレスのアカウントが記入されていました。 末尾のドメイン”soumu.go.jp”は確かに総務省のドメインですが、当然そんなのは偽装です。 その辺り、次の項で詳しく見ていきます。
差出人は『ColoCrossing』のユーザーか?!では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 Received:『from mail2.ameoemru-jp.com (unknown [104.168.22.182])』 |
おやおや、ここには総務省とは全く異なる”ameoemru-jp.com”なんてドメインが お目見えしちゃいましたね。(笑) ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 というわけで”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーに割当てられたものなので このIPアドレスが差出人のメールアドレスにあるドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合は偽装となり特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”mynumbercard.point.soumu.go.jp”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。  これがドメイン”mynumbercard.point.soumu.go.jp”の登録情報です。 これによると”18.65.207.120”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 先程書いた通り本来このIPは”Received”のIPと同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので このメールのドメインは”mynumbercard.point.soumu.go.jp”ではありません。 これでアドレスの偽装は確定です! ”Received”に記載されている末尾の”104.168.22.182”は、そのサーバーのIPアドレスになり これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。  このIPアドレスには”host.colocrossing.com”と記載がありますが、これはアメリカバッファローにある 『ColoCrossing』というホスティングサービス企業のドメインが割り当てられているもの。 恐らくこの差出人は、このホスティングサービスの利用者ではないでしょうか。 位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを ご承知いただいた上でご覧ください。 代表地点としてピンが立てられたのは、アメリカの『シアトル』付近です。 このメールは、この付近に設置された『ColoCrossing』のメールサーバーを利用して私に届けられたようです。
『ミナポイント』ってなに?では引き続き本文。 【マイナポイント第2弾】20,000円分のポイントプレゼント! マイナポイント事業とは マイナポイント第2弾は、20,000円相当のマイナポイントを提供しています。 これはQRコード決済や電子マネーなどのキャッシュレス決済に利用可能です。 このプログラムは、マイナンバーカードの利用普及と消費促進を目指しています。 ———————————————————————- マイナポイントの申請手続き 以下の手順に従って、約1分で申請を完了させることができます。 ———————————————————————- ★STEP1 専用の申請サイトにアクセスし、必要な情報を入力 ★STEP2 マイナポイントの申請を行う ★STEP3 20,000円分のマイナポイントを取得し、ご活用ください ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 以下のボタンから申請を開始してください! ★申請をはじめる |
このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『★申請をはじめる』って書かれたところに付けられていて、 そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での危険度評価がこちらです。  既にしっかりブラックリストに登録済みですね。 リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。 このURLで使われているドメインは”www.skqtawts.com”と総務省のものとは全く異なるもの。 このドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。  このドメインを割当てているIPアドレスは”43.153.172.242” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。  出ました『杉並区和泉2丁目公園』 ほんと、この付近に設置された詐欺サイトは多く見られます。 利用されているホスティングサービスは、中国の『Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited』 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。  完コピされていますね。 本家総務省のマイナポイントサイトからは既にこのページは消されてみることができなくなっています。 このページ一番下まで見ていくと、マイナポイントがいつの間にか『ミナポイント』に変化しています。  いくら詐欺メールとは言えキャンペーンの名前間違えますかね?(笑) それにここにはなぜか締め切りは10月末と記載されています。 メールには12月末と書かれていませんでしたっけ?(;^_^A
まとめ何度も言いますが、このキャンペーンは既に9月末で終了していますのでお間違いないように! 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |