第2弾かと思えば第3弾って…
先月末の9月30日に締め切られたマイナポイント第2弾の申請から早1週間、例によって相変わらず
便乗詐欺メールが後を絶ちません。
もう期限が過ぎたのにいつまでやってんの?とゴミ箱に捨てようと思ったとき目につきました。
『マイナポイント第3弾』(;゚Д゚)
はぁ?いつの間に??
詐欺メールって自由でいいですね…(;^_^A
送信者は最近急増している輩で、特徴は差出人のメールアドレスが、差出人名とは全然関係のない
アドレスを使い、アドレスのアカウント部分に受信者のメールアドレスのアカウント部分を埋め込んで
いること。
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は『[spam] 【マイナポイント第3弾】20,000円分のポイントプレゼント! 』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
ちなみに『マイナンバーポイントサイト』で確認しても第3弾は今のところ行われておりません。
差出人は
『マイナポイント事務局 <info-****@id.apple.com>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
ね、アドレスのドメイン部分が総務省の”soumu.go.jp”ではなく”apple.com”とApple社の
ドメインが使われております。
けしてAppleが総務省のメール代行を行っているわけではありませんのであしからず…
イスタンブールのメールサーバーより
では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
Received:『from whiskeypromo.com (unknown [194.87.39.99])』 |
この”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーに割当てられたもの。
この”Received”によれば、この差出人のメールアドレスのドメインは”soumu.go.jp”でもなく
”apple.com”でもなく”whiskeypromo.com”のようです。
どちらにしてもこのメールはマイナポイント事務局からのものではないので、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、”Received”にあったドメイン”whiskeypromo.com”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。
中国湖南省で管理されているこのドメイン”whiskeypromo.com”の登録情報です。
これによると”194.87.39.99”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
このメールはマイナポイント事務局からのものではないのものの”Received”のIPアドレスと全く同じ
数字なのでこのメールアドレスは差出人ご本人さんのもので間違いなさそうです。
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。
送信に利用されたのは、アメリカの『Baxet Group Inc.』と言うプロバイダーです。
位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。
代表地点としてピンが立てられたのは、トルコの『イスタンブール』付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
『スーパーウーマンプログラム』って…(;^_^A
では引き続き本文。
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『マイナポイント第3弾で20,000円のマイナポイントを獲得しましたが、
まもなく無効になります。 期限内に請求するように注意してください。』
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マイナポイントとは?マイナポイントは、マイナンバーカードの普及や活用を促進するとともに、消費を活性化させるため、QRコード決済や電子マネーなどのキャッシュレス決済サービスで利用できるマイナポイント(1人2万円分)を付与する事業です。
———————————————————————-ポイントをもらえますか?
はい、1回目のキャンペーンに参加してポイントを受け取っていても、キャンペーンに参加できます。
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マイナポイントの申し込み方法です
下記の手順でお申し込みください,最短3分でお申し込み完了です
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★STEP1
応募専用サイトにアクセスし、応募書類を記入
★STEP2
マイナポイントの申込みをしよう
★STEP3
20,000円分
マイナポイントを取得して使おう!
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★お申込みは下のボタンからどうぞ!
★申込みをはじめる
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よくもまぁありもしない第3弾をぬけぬけと騙れるものですねぇ…
このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『★申込みをはじめる』って書かれたところに付けられていて、
そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での
危険度評価がこちらです。
『不正プログラム配信』とは書かれていますが、既にしっかりブラックリストに登録済みですね。
リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。
このURLで使われているドメインは”superwomanprogram.com”
『スーパーウーマンプログラム』って…『不正プログラム配信』ってのが分かる気がします。(笑)
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
中国で管理されているこのドメインを割当てているIPアドレスは””
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。
利用されているホスティングサービスは、アメリカの『ColoCrossing』
こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
今度ピンが立てられたのもアメリカの『ダラス』付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
なんと締め切り日は2024年2月末と…
危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。
本物そっくりのログインページが開きましたが、堂々と『第2弾』って書いてあり
更には締め切りが来年の2月に変更されています。(;^_^A
こんなことして心は痛まないのでしょうか?
このようなメールを書いている犯人の神経を疑います。
まとめ
今のところ第3弾のアナウンスはありませんのでこのようなメールに踊らされることの無いように
ご注意ください。
もし今後本当に第3弾が開始されたとしても、マイナポイント事業部から個人宛にメールで告知されることは
ありませんから。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |