『詐欺メール』カゴヤジャパンから『KAGOYA MAIL メール送信機能停止のお知らせ』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

全然送信できてますけど

最近、ホスティングサービスの『カゴヤジャパン』さんを騙るこのような迷惑メールが大変増えています。

(メール内にぼかしを掛けている部分には、わが社のドメインが記載されています)

これらカゴヤさんを騙る迷惑メールを題材にしたブログをエントリーしてもそれほどアクセスが無いので
これは、カゴヤジャパンさんでサーバーをレンタルしているユーザーだけに送られてきているのでしょうか？
そのメールは必ずメールサーバーに関する内容で、メール受送信にエラーが発生しているだとか
中には『メールでの支払い失敗しました』なんて意味不明なものもあったりします。

今回は、どうやらメールの送信だけができなくなったとの連絡ですね。
もちろんこんなのは大嘘です！

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『KAGOYA MAIL メール送信機能停止のお知らせ』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
今朝早くからクライアントやスタッフともメールでやり取りしているので、送信機能なんて
全く停止していません。(笑)

差出人は
『”*****.***” <kir014037.mfl-yamaguchi@kagoya.net>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

“kagoya.net“は確かにカゴヤさんが管理するドメインですが、このメールは明らかに迷惑メールなので
偽装されているに決まっています。

利用されたプロバイダーは、カゴヤさんではなく『Microsoft Corporation』

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”kagoya.net”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。

これがドメイン”kagoya.net”の登録情報です。
『Registrar: Kagoya Japan Inc.』とあるので明らかにカゴヤさんの持ち物です。
これによると”203.142.206.12”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIPと同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
このメールのドメインは”kagoya.net”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です！

”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字”4.216.136.37”は、そのサーバーのIPアドレスになります。
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

送信に利用されたプロバイダーは、カゴヤさんではなく『Microsoft Corporation』

位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、『杉並区立和泉二丁目公園』付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

偽サイトはオーストラリアにあるサーバーで運営

では引き続き本文。

(直リンク防止のためURLの一部の文字を変更してあります)

”*****.***”部分にはわが社のドメインが記載されていました。

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは、本文内に直書きれていますが、これは偽装で、クリックすると一瞬で
リダイレクト(自動転送)され別のURLに飛ばされました。

そのリンク先はGoogleの『透明性レポート』の
サイトステータスはこのようにレポートされていました。

既にしっかりブラックリストに登録済みですね。
リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。

このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”stepintothespotlight.com.au”で
末尾の”activemail.kagoya.com”ではありませんのでご注意ください。

この”stepintothespotlight.com.au”と言うドメインにまつわる情報を取得してみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”103.20.202.161”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

利用されているホスティングサービスは、オーストラリアの『Dreamscape Networks PTY LTD』

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
今度ピンが立てられたのもオーストラリアで『Mascot』と言う街付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。

『Welcome to Webmail』と書かれているメールサーバーのコントロールパネルへのログインページが
開きました。
恐らく『ActiveMail』と言うWebメールアプリケーションを模したものです。

Chromeのアドレスバーにはしっかりと『危険』と見出しが付けられていました。

まとめ

このようなメール、皆さんにも届いているのでしょうか？
それともカゴヤユーザーだけに送られてきているのでしょうか？
そう言えば昨日、『さくらインターネット』さんの迷惑メールも来ていました。
サーバー管理者さん、アカウントを盗まれサーバーが乗っ取られないようご注意ください！

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;