『詐欺メール』『セゾンカード【重要:必ずお読みください】』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

1日に一人にこれだけ送られてもね…

昨日1日でセゾンカードを騙った詐欺メールがこのように6通。
同じアドレスにこれだけ送られてもどうしたら良いのでしょうか？(笑)
もしかして『セゾン感謝祭』か何か催しでもあったの？

件名は、上から
『[spam] セゾンカード【重要:必ずお読みください】』
『[spam] 【セゾンカード】重要なお知らせ』
『[spam] ＜緊急!セゾンカード 重要なお知らせ＞ [メールコード CA0625]』
『[spam] 【セゾンカード】事務局からのお知らせ』
『[spam] 【セゾンカード】個人情報確認』
『[spam] セゾンカード　お支払い金額確定のご案内』

今までにもセゾンカードを騙った詐欺メールは何度かご紹介していますが、この6つのうち
『[spam] 【セゾンカード】個人情報確認』以外は初めて見る件名です。
どれも”[spam]”と見出しが付けられているので詐欺メールや迷惑メールの類だと一目でわかりますね。

折角たくさんいただいたので、今回はこの中から一番新鮮で新しいものを取り上げて紹介していきます。(笑)

そのメールがこちらの内容。

なんか小難しいことが書かれていますが、最近よく見かけるテンプレートを使ったものです。

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『[spam] セゾンカード【重要:必ずお読みください】』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『《セゾン》Netアンサー” <info@saisoncard.co.jp>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

セゾンカードの本家サイトをご覧いただければ分かる通り”saisoncard.co.jp”は、セゾンカードさんの
公式な正規ドメインです。
でも件名の見出しを見れば分かる通り、このメールは悪意の有るものなのでこのメールアドレスは
間違いなく偽装されています。

アメリカのケーブルテレビプロバイダーのメールサーバーから

では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

”Received”に記載のIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと
一致すればメールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合は
特定電子メール法違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”saisoncard.co.jp”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。

(IPアドレスが抽出しやすいよう敢えて先頭に”www”を付加して検索しています)

これがドメイン”saisoncard.co.jp”の登録情報です。
これによると”45.60.48.171”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIPと同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
このメールのドメインは”saisoncard.co.jp”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です！

”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになり、これを紐解けば差出人の素性が
見えてきます。
このIPアドレスを元にホスト名や送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

まずホスト名。
”wsip-98-191-102-9.ph.ph.cox.net”と書かれているので”saisoncard.co.jp”ではなく”cox.net”の
サブドメインで利用されているみたいですね。

送信に利用されたのは、『Cox Communications Inc.』と言うアメリカのケーブルテレビプロバイダーです。

位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、アメリカアリゾナ州『メサ』付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

セゾンカードさんが、アメリカのケーブルテレビプロバイダーのメールサーバーから口座を持つ
顧客宛にメールなんて送るはずありません！

ノートンでは既にブラックリスト入り

では引き続き本文。

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは、冒頭の『セゾンカード』と書かれた部分と『お取引確認』って書かれたところに
付けられていて、そのリリンク先のNorton『Safe Web』での危険度評価がこちらです。

既にしっかりブラックリストに登録済みですね。
リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。

このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”saisonsosaceard.co.jp.bjlzj.com.cn”
なんて中国の国別ドメインが使われています。
このドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”204.44.88.49”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

利用されているウェブサーバーは『Public Network』なんて詐欺サイトの調査では頻繁にみられる
ホスティングサービスです。

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
地図上にピンが立てられたのは『ロサンゼルス』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。

あらあら、どんだけせっかちなんでしょうか？
ログイン画面が表示されると思いきや、先にカード情報の入力ですって、貪欲ですね…(^^;)

ここを入力して黄色いボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまい詐欺を
実行されることでしょう。

まとめ

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;