『詐欺メール』「【厚生労働省】重要なお知らせ、必ずお読みください」と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

支払期限は今日の今日？！

先にご紹介した「マイナポイント有効期限」に引き続き今日は国の機関からのメールが多いようで…(;^_^A
今度は、厚生労働省を騙った詐欺メールが届きました。

何故だか送信者のメールアドレスが「ETC利用照会サービス」さんのドメインを使ったものに
なっていますが、「ETC利用照会サービス」さんはETCのサービスに飽き足らずメールの配信サービスにも
触手を伸ばしたのでしょうか？(笑)

本文に書かれているのは、国民健康保険料の督促です。
金額は40,000円で、支払期限はメール受信日の今日…(^^;)
全く猶予がありませんね。
これがもし本当の督促メールならもう間に合いません。

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は「[spam] 【厚生労働省】重要なお知らせ、必ずお読みください」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
「”【厚生労働省】重要なお知らせ、必ずお読みください” <admin@ml.etc-eisai.jp>」
このアドレスのドメインは”etc-eisai.jp”
これは、大量に詐欺メールが出回ってしまった「ETC利用照会サービス」さんのドメイン。
愉快犯がわざとこうしたのか、それとも「ETC利用照会サービス」の詐欺メールを流用し
メールアドレスを書き換えるのを忘れたのかどちらなのでしょうね。

発信元は天安門広場東側

では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。

何やら中国のドメインが見え隠れしていますね。
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”106.12.206.182”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。

IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、北京の天安門広場東側付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

もちろんリンク偽装

では引き続き本文。

(直リンク防止のため直書きURLは一部文字を変更しています)

句読点の全く存在しないこのメールは、詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが
付けられています。
そのリンクは、本文末尾に直書きされていています。
そのドメインは”go.jp”と、国の行政機関のみに与えられるものが使われていますが
これは偽装されたものでウソ。
本当のリンク先のURLとGoogleの「透明性レポート」での危険度評価がこちらです。

ステータスには、危険なコンテンツが含まれていることが記されています。

このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”bjcfhy.com.cn”と中国の国別ドメインのもの。
このドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”155.94.170.112”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
代表地点としてピンが立てられのは、アメリカロサンゼルス付近。
フィッシング詐欺サイトは、この付近に密集しています！
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

厚生労働省が当用漢字にない文字を使う？

危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。

やはり納付期限は今日5月24日とされていますね。
でも良く見ると「納」って漢字おかしくないですか？

どうやらこの文字は中国の漢字のようで当用漢字には無いもの。
国の機関である厚生労働省のウェブページにそのような漢字使うでしょうかね？(笑)

ページを下の方にスクロールしてみると支払方法が書かれていました。

4つの選択肢があるように見せかけて、なぜか選べるのは電子マネーのVプリカのみ。(笑)
足が付きにくい物を選んだんでしょうね。

まとめ

だいたい督促状がメールで来るはずがありません。
だって厚生労働省が私の仕事用のメールアドレスなんて知っているはずがありませんもん！
もし知っているのであれば漏洩したリストを入手したことになるので、それこそ罪になりますよ！！

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;