NTTが何故私のアドレスを知ってるの?
NTTファイナンスを名乗る不審なメールが届きました。
何やらNTTグループカードに関する案内のようです。
NTTグループカードのサービスが今年7月31日をもって終了するようです。
それに際し会員に感謝の意を込めて記念品をするとか。
その前に会員登録情報を確認するように書かれていますね。
このNTTカードサービスが終了するのは、本家サイトでもアナウンスされているので
どうやら本当のようです。
でも、記念品に関しては会員登録情報詐取するための全くの大ウソ!
だいたい私、NTTカードなんて持ってないのでNTTが私のメールアドレスを知っているはずがないのです。
それに、「このメールを受け取ってから24時間以内に両替してください」って
ちょいちょいボケかましてきますが、一体何を両替するのでしょうか?
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 「NTTグループカード」サービス終了のご案内*重要必読*」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"NTTグループカード" <ntt-card-service@michaelkorsoutletest.com>」
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
「NTTグループカード」さんは、”ntt-card.com”って正規ドメインをお持ちです。
正規ドメインが有るのにそれ以外のこのようなでたらめなドメインを使ったメールアドレスで
ユーザーさんにメールを送るなんて信用問題に関わる大きな問題です。
IPアドレスを確認
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「ntt-card-service@michaelkorsoutletest.com」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「A84217744881B6A257FFFD3E1CFD31D6@zkbrelr」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from zkbrelr (unknown [10.7.4.84])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まず差出人が使っているメールアドレスのドメイン”michaelkorsoutletest.com”について
調べてみることにします。
先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、こちらがこのドメインを割り当てているIPアドレスの情報です。
そして”45.249.247.127”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”10.7.4.84”ですから全く異なります。
これでアドレス偽装は確定。
この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね!
簡単には見分けの付かない詐欺サイト
では引き続き本文。
拝啓 皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
平素はNTTグループカードをご愛顧いただき誠にありがとうございます。
NTTグループカードは発行開始して25年となり、多くの会員の皆様にご愛顧いただいておりましたが、
2023年7月31日をもちまして、サービスを終了させていただくこととなりました。
今回のサービスが終わる前に、いつもお世話になったことに感謝するため、素敵な記念品を無料で郵送し、7月31日までのサービス料を減免します。その前に会員登録情報を確認してください。
確認
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このメールを受け取ってから24時間以内に両替してください。期限が切れます。
今回のサービス終了にあたり、会員の皆様へはNTTドコモが提供する「dカード」へのご入会をご案内させていただきます。
NTTグループカード会員様限定の特別入会キャンペーンもご用意しておりますので、
この機会に是非、dカードの新規お申し込みをご検討くださいますようお願いいたします。
会員の皆様には、ご不便ご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げると共に、
長年に亘り、ご厚情いただきましたこと、深くお礼申し上げます。 |
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「確認」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLとトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」での危険度評価がこちらです。
このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。
そのカテゴリは「フィッシング」と書かれています。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”eventsyourwaynh.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
申請登録者は、カリフォルニア州サンマテオにあるド面レジストラのDynadot。
Wikiによると、中国の鄭州と北京、およびカナダのトロントにオフィスがあるようです。
このドメインを割当てているIPアドレスは”162.245.187.157”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
代表地点としてピンが立てられのは、アメリカバージニア州ラウドン郡のアッシュバーン付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
開いたのは「MyLink」と書かれたログインページです。
もちろん偽の詐欺サイトなので絶対にログインしてはいけません!
ちなみにこちらが本物の「MyLink」サイトへのログインページ。
若干異なりますが、精通している人でなければ見分けることは不可能です。
まとめ
しかし詐欺師にとっては良いところに目を付けましたね。(;^_^A
しっかりと見ないと簡単に騙されてしまいそうですね!
NTTグループカードのユーザーさん、十分にご注意ください。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |