『詐欺メール』「注文通知 NO.」と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

あたかも注文したかのような件名

昨日から、立て続けに「注文通知 NO.******」という件名のメールが届いています。

もちろん差し出したのは同じ人物だと思いますが、あたかも何かを注文したかのような件名です。

送信者名とメールアドレスがそれぞれ異なるものの本文の文面はどれも同じでこのように書かれています。

これ、以前にも紹介したことのあるスーパーコピー製品を扱うサイトからのメールと酷似していますから
恐らく同じグループからの物でしょう。

では、この中から一番新しい物を選び解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は
「[spam] 注文通知 NO.405206」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
「”偽物 国内発送” <dtvqpuuy@vkd.cn>」
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

それぞれのメールアドレスがバラバラなので恐らく偽装しているものと思われます。

メアドはやっぱりウソ

では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド」がこちらです。

この差出人は、あくまで自分のドメインは”vkd.cn”と言い張るようですね。
ならばその鼻っ柱をへし折ってやりましょうか！

先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”vkd.cn”について調べてみます。

”121.196.195.221”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”111.170.66.212”ですから全く異なります。
だいたいこのような短くて価値の高いドメインを詐欺や迷惑メールに利用するわけがありません！
これでアドレス偽装は確定。
この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね！

「フィールド」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”111.170.66.212”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。

IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、インターチェンジ付近のようで中国 湖北省 荊門市とされています。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

危険なサイトとして登録済み

では引き続き本文。

様々な偽ブランド商品を扱っているようですね。
注文後本当に届くのかどうか分かったもんじゃありませんね。

このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは、本文に直書きされていて、リンク先のURLとトレンドマイクロの
「サイトセーフティーセンター」での危険度評価がこちらです。

このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。
そのカテゴリは「違法または禁止されたコンテンツ」と書かれています。

このURLで使われているドメインは”www.hohshops.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。

このドメインの所有者は、アメリカのインターネット企業「DomainsByProxy」
サイト運営者はこちらに依頼してこのドメインを取得したようです。

このドメインを割当てているIPアドレスは”104.21.56.69”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
代表地点としてピンが立てられのは、アメリカ西海岸のサンフランシスコ付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。

なんか黒地に赤文字なんて気色の悪い配色のサイトですね…(;^_^A
写真にはシャネルやグッチなどもブランド品が並んでいますが、本当に買えるのでしょうか？
ってか、違法コピー商品なので購入してはいけませんよ！

まとめ

さも注文してしまったかのような件名のメールなので、慌てて開いてしまいますね。
このような詐欺まがいのメールに惑わされないように注意しなければなりませんね！

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;