”!”多すぎ!!!
AEON株式会社からとされていますが、もちろん偽物。
よく見かける第三者不正利用テンプレートを使ったものです。
いつも言うようにだいたい件名に”!”が付いているメールにロクなメールはありません。
それも6連発ってどうよ…(;^_^A
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] イオンカード会員 緊急のご連絡.!!!!!!」
「緊急のご連絡」ってのも詐欺メールらしいですね。
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"AEON株式会社" <elxwzxa@AEON.org>」
正式社名は「AEON株式会社」ではなく「イオン株式会社」です。
このような大切な内容のメールの社名を間違って送るって、企業として死活問題です!
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
あはは、ドメインが大文字ですか(笑)
ドメインは小文字と昔から決まっています!
イオン(株)さんの正式なドメインは”aeon.co.jp”ですからもしこれが小文字だとしても”aeon.org”は
イオン(株)さんのものではありませんのでアドレス詐称です。
「AEON.org」もウソ
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「elxwzxa@AEON.org」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「20230227143923757846@AEON.org」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from AEON.org (unknown [123.188.0.234])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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では、イオンのメールアドレスではないことが明らかなメールアドレスにあった
ドメイン”AEON.org”について調べてみます。
”34.74.8.155”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”123.188.0.234”ですから全く異なります。
と言うことは、"elxwzxa@AEON.org“ってメールアドレスさえもウソだったことになります。
「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”123.188.0.234”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその危険性と割り当て地を確認してみます。
まず危険性から。
脅威レベルは「高」でメールによるサイバーアタックと判断されています。
そして割り当て地。
これはIPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
代表地点としてピンが立てられたのは、中国 遼寧省 瀋陽市付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
「AEON CREDIT 銀行」なんて金融機関あったっけ?
では引き続き本文。
AEON CREDIT 銀行利用いただき、ありがとうございます。
このたび、ご本人様のご利用かどうかを確認させていただきたいお取引がありましたので、誠に勝手ながら、カードのご利用を一部制限させていただき、ご連絡させていただきました。
つきましては、以下へアクセスの上、カードのご利用確認にご協力をお願い致します。
お客様にはご迷惑、ご心配をお掛けし、誠に申し訳ございません。
何卒ご理解いただきたくお願い申しあげます。
ご回答をいただけない場合、カードのご利用制限が継続されることもございますので、予めご了承下さい。
[
■ご利用確認はこちら
ご不便とご心配をおかけしまして誠に申し訳ございませんが、
何とぞご理解賜りたくお願い申しあげます。
──────────────────────────────────
サイトマップ 推奨環境 プライバシー・ステートメント プライバシーポリシー イオンフィナンシャルサービス イオンクレジットサービス(運営会社)
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因みに「イオンクレジットサービス」は存在しますが「AEON CREDIT 銀行」なんて金融機関は
ございませんのであしからず…(;^_^A
そして中段くらいにある” [ ”は何か意味があるのでしょうか?(笑)
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「■ご利用確認はこちら」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLとトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」での危険度評価がこちらです。
このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。
そのカテゴリは「フィッシング」と書かれています。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”www.chibistudiovancouver.com”
もうイオンの影も形もありません….(笑)
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
申請登録は、シンガポールから行われたようですね。
IPアドレス部分に「対応するIPアドレスがありません」と書かれているので既にサイトは閉鎖された
ようですね。
詐欺サイトは、捜査の手が及ぶのを恐れ、えてして時々姿をくらまします。
こうすることで少しでも捜査の手から逃れようとしているのです。
先程ご覧いただいた通り、ドメインは破棄されていないので復活することが可能な状態です。
まとめ
どうやら現在詐欺メールのトレンドは「イオン」のようで、このメールの他にも複数同じような
メールが届いていまてしばらく続くものと思われますのでご用心ください。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |