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『詐欺メール』「ETCのお支払いにご指定いただいたお客様のお支払い方法が承認されないため」と、来た件

相変わらずETC絡みが多くて
※ご注意ください!
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にをもっとうにご紹介しています。

このようなメールを受け取っても絶対に本文中のリンクをクリックしてはいけません!
リンク先は正規サイトを模した偽のコピーサイトで、フォームにアカウント情報や
クレジットカードの入力させそれらの情報を詐取しようとします。
被害に遭わないために絶対にリンクはクリックせず、どうしても気になる場合は
ブックマークしてあるリンクを使うかスマホアプリを
お使いになってログインするよう
心掛けてください!
また、気が付かずにログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。

★フィッシング詐欺解体新書★

宛名が「〇▽□お客様」ってのは皆詐欺メール

「ETC利用のお客様」から始まるメールが「ETC利用照会サービス事務局」から届きました。

Amazonや楽天などを騙る詐欺メールもそうですが、宛名が「〇▽□お客様」ってのは皆詐欺メールです。

それにETCにアカウントなんてあるんでしょうか?
あんなのETCカード入れたら使えるサービスですよね。
「ETC利用照会サービス事務局」へのアカウントなら話は別ですが…(笑)

署名にそれらしく電話番号まで載せてありますが、この「045-477-3793」って電話番号は調べてみると
「ETC利用照会サービス事務局」さんのものではなく別団体の「ETCマイレージサービス」さんのもの。
ちゃんと調べてから書かないとね!

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は
「[spam] ETCのお支払いにご指定いただいたお客様のお支払い方法が承認されないため」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
長ったらしい割に中途半端な件名ですね(笑)
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
「”ETC利用照会” <admin@ml.etc-meisai.jp>」
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
こちらも件名と同じように中途半端な差出人名ですね。
ちゃんと「ETC利用照会サービス事務局」書かないと…

上手く化けたつもりしょうか?…
etc-meisai.jp”は確かに「ETC利用照会サービス事務局」さんのドメインですが
件名に”[spam]”とあるのでこのメールは詐欺メール故に偽装の疑いがあります。
その辺りを含め、次の項で見ていくことにしましょう。


本当のメールアドレスが判明?!

では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。

Return-Path: 「ihc@sfhd.com.cn」

あらあら。。。なぜにここが”.cn”なんて中国の国別ドメインになっちゃったの?
Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
ここの記載が差出人のメールアドレスと異なるとなると偽装の可能性は限りなく
高くなってきましたね。

Message-ID:「202212011906237688714@sfhd.com.cn」

Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここにも”Return-Path”と同じドメインが記載されていますね。

Received:「from sfhd.com.cn (unknown [107.150.122.193])」

Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。

もうこの時点で差出人のメールアドレス”admin@ml.etc-meisai.jp”果てしなく偽装に近づきました。
でも、確信は無いのでもう少し深掘りして偽装を確定に導いてみましょう!

先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”etc-meisai.jp”について調べてみます。

当然ちゃんと「中日本高速道路株式会社」さんの持ち物です。
そして”153.120.80.184”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”107.150.122.193”ですから全く異なります。
これでアドレス偽装は確定。
この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね!

では、「フィールド御三家」に記載のあったドメイン”sfhd.com.cn”についても調べてみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”107.150.122.193”なので”Received”のものと同じ。
と、言うことは、差出人の本当のメールアドレスは”Return-Path”にあった”ihc@sfhd.com.cn
であることが濃厚です。

「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
Received”のIPアドレス”107.150.122.193”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。

IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
ピンが立てられたのは、香港の中心街付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。


よく読むとハチャメチャな本文

では引き続き本文。

ETC利用のお客様

ETCをご利用いただきありがとうございます。

ETCのお支払いにご指定いただいたお客様のお支払い方法が承認されないため、ご請求することができませんでした。

2日以内にお支払方法を更新いただけない場合は、ETCのアカウントが停止されます。

引き続きETCをご利用になる場合、お支払い方法を更新するには、以下のリンクをクリックしてください。

ここをクリックして検証
現在ご指定のお支払い方法が承認されない原因は、提携会社(クレジットカード会社等)の事情により異なるため、大変お手数ですがサービスの提供元会社に直接お問い合わせください。

ETCでは引き続きサービスの改善に努めてまいります。今後ともよろしくお願いいたします。

―――――――――――

配信元:ETC利用照会サービス事務局

携帯電話、PHS、IP電話などでのご利用は
045-477-3793

受付:9:00〜18:00
※おかけ間違えのないようご注意ください。

なんか違和感しかありませんね。
「お客様のお支払い方法が承認されないため、ご請求することができませんでした。」
とあるのですが、何を請求することができなかったのでしょうね?(笑)
それにもう一か所「今後ともよろしくお願いいたします。」
何をよろしくお願いするのでしょうね?(笑)
そして更に「携帯電話、PHS、IP電話などでのご利用は045-477-3793」って、固定電話は
どうすればいいの?(;^_^A

このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「ここをクリックして検証」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLとトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」での検証結果がこちらです。

このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。
そのカテゴリは「フィッシング」と書かれています。

このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”go-etc-jp-unmnd.4795.com.cn
このドメインにまつわる情報を取得してみます。

.com.cn”と言うドメインの申請者情報等はいつも詳しく表示されないようです。

このドメインを割当てているIPアドレスは”47.87.137.39
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
ピンが立てられのは、アメリカロサンゼルスにある「カリフォルニア州交通局」付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。

開いたのはおなじみの「ETC利用照会サービス」と書かれたログインページ。
もちろん偽サイトですから絶対にログインしないでください。


まとめ

相変わらず「ETC利用照会サービス事務局」さんの騙るものはポツポツと見られますね。
ただ、今回のように精度の低いものが多いようですね。

でも恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;


こういった詐欺まがいのブラッキーなメールは、本文中のリンクをクリックしないことが大切!
そしてOS付随のセキュリティーは充てにせず、必ず自身でセキュリティーソフトを導入し
防御することが大切です。
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