何を助ければよいの? 最近こういうの増えてきていますよね。  LINE IDから友達登録を呼びかけるメールです。     先日このようなメールも来ていましたね。  『詐欺メール』「こんにちは、私は相手を探しています35歳です あなたも独身なら、私のプライベートなlineを追加してください」と、来た件     この時も時計店をやっていると書いてありました。  では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!  まずはプロパティーから見ていきましょう。  件名は  「[spam] LINE ID: db970 ナナです。助けてください」  ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。  何を助けるのでしょぅか?  日本人の友達たくさん居るならその方にお願いしたらよいのでは?と思っちゃいます。(笑)  この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。  このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている  ものは全て迷惑メールと判断されたもの。  うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと  否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。  差出人は  「”本での協力書簡” <hu@urotngckp.org>」  皆さんはご存じでしょうか?  この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。  ですから、ここは信用できない部分です。  「本での協力書簡」って何が言いたいのでしょうか?  もしかして助けてほしいのは書簡交換?  なんとなくまともなメールアドレス使っているようですが、このようなメールで  本当のメールアドレスなんて使うはずが無いのできっとでたらめでしょう。  その辺りを含め、次の項で見ていくことにしましょう。    使うことのできないドメインのメールアドレス では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!  まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。  私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。  ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。     | Return-Path: 「hu@urotngckp.org」  ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される  メールアドレスです。  一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に  偽装可能なフィールドなのであてにできません。   |     | Message-ID:「39FD7744F3BF2E9ECADC656CB7DDC9CB@urotngckp.org」  ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。  このIDは世の中に1つしかありません。  ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。  ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。   |     | Received:「from urotngckp.org (unknown [110.187.198.238])」  ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む  自局のホスト情報です。  ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。  すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。  記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。   |       この差出人は、あくまで自分のドメインは”urotngckp.org”と言い張るようですね。  ならばその鼻っ柱をへし折ってやりましょうか!  先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。  このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば  メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法  違反となり処罰の対象とされます。  ※特定電子メール法違反  ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金  ・法人の場合、行為者を罰する  では、メールアドレスにあったドメイン”urotngckp.org”について調べてみます。     やはり…  どうやらこのドメインはどこのIPアドレスも割当てられていないようです。  もしかして使われていないドメインだったりして。。。  ってことで、「お名前.com」さんでこのドメインの空き状況を確認してみると。     「ご希望のドメインが空いています」だって!(笑)  これでアドレス偽装は確定。  この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね!  「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”  これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。  ”Received”のIPアドレス”110.187.198.238”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。  このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。     IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。  ピンが立てられたのは、中国 四川省 雅安市 宝興県付近です。  このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。    まとめ いつものフィッシング詐欺メールのようにリンクがあるわけでもないので調査はこれで終了。  「知り合いになりたい」なんて書いておきながら、メールアドレスを偽装するなんて  怪しすぎますよね?  このようなメールに騙されて友達登録なんて絶対にしないでください。  どのような詐欺が待ち受けているか分かりませんよ!  いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;  |