「au」が中国の国別ドメインでメールを?! 暫く息をひそめていた「auかんたん決済」を称すフィッシング詐欺メールが、また新しい装いとなり 再び勢いを吹き返したようで、以前に書いたこちらのブログエントリーへのアクセスが急増しています。 「『詐欺メール』「【重要】auかんたん決済のご利用確認のお願い。」と、来た件」 そしてご多分に漏れず私の所へもこのように「auかんたん決済」を称する新種のメールが届きました。 心当たりの無い利用を装い利用明細のリンクへ誘い込むのが目的ですが、今回のものは、具体的に 金額を提示しより一層信憑性を持たせていますね。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] 【重要なお知らせ】auかんたん決済ご利用確認のお願い」 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「”auかんたん決済” <ucwuq@unptfpg.cn>」 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 ”.cn”って…(;^_^A まさか「au」さんが中国の国別ドメインでユーザーさんに利用明細のメールを送る?? ちゃんと”au.com”って正規ドメインを持っているのに?? そんなのあり得ませんよね! 発信元サーバーはドイツのフランクフルトにあり! では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 では、メールアドレスにあったドメイン”unptfpg.cn”について調べてみます。 このドメインの持ち主は、私には読めない文字を含む漢字三文字の氏名の方。 そして”91.149.222.208”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 い”Received”のIPアドレスと全く同じですからメールアドレスの偽装はありませんでした。 「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received” これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 ”Received”のIPアドレス”91.149.222.208”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。 ピンが立てられたのは、ドイツのフランクフルト付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 二転三転した上で結局本家サイトに飛ばされた では引き続き本文。 アルファベットが全角で記載されていますよね。 これフィッシング詐欺メールの”あるある”ですので覚えておいてください。 このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは、本文内に直書きされていて、リンク先のURLがこちらです。 このURLのサイトもauの詐欺サイトでしたが、このリンクは偽装されています。 実際のリンク先はこちらです。 ”https://translate.google.com/”はGoogleの翻訳サイトのURLです。 なのでこれも偽装。 どうやらここに接続するとこのURL内にある”h**ps://red-snow-3958.7e4xx00j8561.workers.dev/”に 接続され、更にその後リダイレクト(自動転送)されて本物のauサイトに接続されます。 ではまずは、1つ目のauの詐欺サイトに接続されるサイトの危険性をトレンドマイクロの 「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。 このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。 そのカテゴリは「フィッシング」と書かれています。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”aiuopany.mhhgf.club” このドメインを割り当てているIPアドレスを取得してみます。 このドメインを割当てているIPアドレスは”193.233.252.39” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 ピンが立てられのは、モスクワのゼレノグラード付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 では次に2つ目のURL”h**ps://red-snow-3958.7e4xx00j8561.workers.dev/”にあるドメイン ”red-snow-3958.7e4xx00j8561.workers.dev”について。 今度は”104.21.94.172”と言うIPアドレスに割当てられています。 こちらも割り当て地を確認してみます。 今度はカナダのトロントにある「トロント市庁舎」付近。 どちらも詐欺サイトの調査では時々見かける地域ですね。 もう目的を達成したのか、それとも捜査の手が及ぶのを恐れ、えてして時々姿をくらましたのか 最終的には本家のauサイトに飛ばされる仕組みになっていました。 こうすることで少しでも捜査の手から逃れようとしているのです。 先程ご覧いただいた通り、IPアドレスとドメインは紐づけされたままなのでサイトは簡単に 復活することが可能な状態です。 まとめ auを騙る詐欺メールは、波があるので暫くはたくさん流されることになると思います。 auユーザーじゃない方には全く関係の無い話ですが、auをお使いになっているユーザーさんは 特にご注意ください。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |