怪しさ満点で突っ込みどころ満載 このところ国税庁や税務署を騙る成りすまし詐欺メールが多くみられます。 今日も突っ込みどころ満載のフィッシング詐欺メールが届いていますのでご紹介しようと思います。 あまりにおかしなメールなので色々落書きしちゃいました…(;^_^A 税金の滞納があると書かれたこのメール、受け取ったのが10月16日未明。 ですが、最終納付期限が10月14日ってどうよ?もう過ぎてるじゃん!(;’∀’) 順に行きますと、まず何の意味があるのか ”( ” が2つあるのに閉じられていません。 そして税務署を騙るメールでよくみられる(←文字化けしちゃうので画像を貼りました) これは「額(金額)」を意味するものだそうですが、こんな言葉使いませんよね? この本文内には「税」と言う文字がいくつか出てくるのですが、だったりだったりと 複数のフォントが入り乱れています。 きっとコピペして作ったからこうなったんだと思います。 でもっての文字。 これもあまり見たことが無い漢字ですね、きっと債権と書きたかったんだと思います。 更に「申告?納税」 こっちが「?」ですわ…(^^;) では、このメールも解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] 税務署からの【未払い税金のお知らせ】」 税務署からこんな件名のメールが届いたら驚きますよね! ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 まず、税務署が一般庶民のメールアドレスなんて知っているはずが無い事に気づいてください! この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「”e-Tax” <e-taxhpkanri@nta.go.jp>」 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 上手く化けたつもりしょうか?… ”nta.go.jp”は確かに「国税庁」のドメインですが、件名に”[spam]”とあるので このメールは詐欺メール故に偽装の疑いがあります。 その辺りを含め、次の項で見ていくことにしましょう。 国の行政機関が深夜に中国からメールを送るか?! では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 この差出人は、あくまで自分のドメインは”nta.go.jp”と言い張るようですね。 ならばその鼻っ柱をへし折ってやりましょうか! 先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”nta.go.jp”について調べてみます。 IPアドレスが取得しやすいように頭に”www.”を付加しています。 当然ちゃんと「国税庁」さんの持ち物です。 そして”18.65.216.94”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”123.188.38.182”ですから全く異なります。 これでアドレス偽装は確定。 この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね! 「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received” これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 ”Received”のIPアドレス”123.188.38.182”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。 ピンが立てられたのは、「中国 遼寧省 瀋陽市」付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようですが、国の機関である 国税庁が、深夜に中国からメールを送ると思います??(笑) リンク先は国税庁のかけらもないURL では引き続き本文。 (原文をそのままペーストしたので文字化け等はご容赦ください) このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは「https://www.nta.go.jp」って書かれたところに張られていていますが、 これもメールアドレスと同様に”nta.go.jp”「国税庁」の正規ドメインが使われたURLに なっていますが、そんなのはもちろん偽装で、実際のリンク先のURLがこちらです。 国税庁のかけらもないURLですね。(笑) このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。 おっと、やばいですね… まだ「未評価」のようです。 このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。 評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”gamer2trainer.com” このドメインにまつわる情報を取得してみます。 申請者は、”net-chinese.com.tw”とあるので台湾の「網路中文」と言うレジストラ。 このドメインを割当てているIPアドレスは”155.94.177.63” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 うちのサイトではもう見慣れた地図ですよね。 ピンが立てられのは、詐欺サイトのメッカ、ロサンゼルス近郊のリトルトーキョーに程近い場所。 フィッシング詐欺サイトは、この付近に密集しています! この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 なぜチョイスできる支払いは電子マネーだけなの? トレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」では「未評価」とされていたので、きっと無防備に 放置されているであろう詐欺サイトへ安全な方法で訪れてみました。 やはり、どこからもブロックされることなくあっさり開いたのは「差押最終通知」と書かれた国税庁の サイトを模したページ。 あれれ?いつの間にか納付最終期限が10月14日ではなく10月16日に変わっていますね。(^^;) 「お支払いへ」と書かれたボタンを押してみます。 支払い方法の選択画面が表示されましたが、これまた不思議なことに電子マネーしか選択できません。 適当に入力して次に進んでみると… ご丁寧にネット専用Visaプリペイドカードの「Vプリカ」の利用説明が表示されました。 危険な香りがするので調査はこの辺にしておきます。 まとめ 国の行政機関のひとつである国税庁を騙るなんて不届き物は言語道断! 絶対に許すことはできません!! このエントリーが拡散し、騙される人が一人でも少なくなるよう祈っています。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |