それっぽいメールアドレスだけど…
最近AEONからのメールがやたらと多い。
今日もこんな件名で朝方に4通も…(汗)
その内容が、こちら。
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] クレジットカード等にかかる一部サービス休止のお知らせ」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
1通が「"AEON" <userida@AEON.net>」
1通が「"AEON" <userida@AEON.com>」
他2通が「"AEON" <userida@AEON.org>」
でもAEONカードさんの正規ドメインは”aeon.co.jp”
それっぽいメールアドレスですね。
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
どうせ偽装するなら”aeon.co.jp”にしときゃ良かったのにね!(笑)
一応偽装を証明しておくと
では、この4通の中から一番新鮮なのを選んでこれらのメールがフィッシング詐欺メールであることを
立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「userida@AEON.net」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「20220918055840183308@AEON.net」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from AEON.net (unknown [36.57.65.185])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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この差出人は、あくまで自分のドメインは”AEON.net”と言い張るようですね。
ならばその鼻っ柱をへし折ってやりましょうか!
先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、メールアドレスにあったドメイン”AEON.net”について調べてみます。
実際にこのドメインはオランダで運用されているもののようですね。
そして”86.105.245.69”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”36.57.65.185”ですから全く異なります。
これでアドレス偽装は確定。
この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね!
「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”36.57.65.185”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
ピンが立てられたのは、中国安徽省(あんきしょう)池州市付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
詐欺サイトはAEONに関連性の無いドメイン
では引き続き本文。
このメールはイオンクレジットサービス(株)からのメール です。
引き続き、イオンスクエアメンバーIDのメールアドレス登録または変更のお手続きを進めてください。
このたび、ご本人様のご利用かどうかを確認させていただきたいお取引がありましたので、
誠に勝手ながら、カードのご利用を一部制限させていただき、ご連絡させていただきました。
つきましては、以下へアクセスの上、カードのご利用確認にご協力
————————–
■このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。ご 返信いただいてもご用件は承れません。
■当メールにお心当たりのない方は、大変お手数をお掛けしますが その旨を受信したメールの内容とともに
お書き添えいただき下記宛 先までご連絡ください。
■お問い合わせ先
<イオンクレジットサービス株式会社>
■ご利用確認はこちら
※個人情報に関わるご質問については、お電話でのご回答に限らせていただいておりますので、あらかじめご了承ください。 |
「引き続き」って、なにに引き続くのでしょうか?(笑)
それに「カードのご利用確認にご協力」って、中途半端に切っちゃってますが
「カードのご利用確認にご協力ください。」と書くところですよね?(汗)
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「ご利用確認はこちら」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
おっと、まだ「未評価」のようです。
このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。
評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”www.coppergaslight.com”
全くAEONに関連性の無いドメインであることに注目してください!
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
申請者は、「お名前.com」さん。
おそらく、詐欺サイトの管理者がこちらに申請の代行を依頼した模様です。
このドメインを割当てているIPアドレスは”104.129.5.76”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、詐欺サイトのメッカ、ロサンゼルス近郊のリトルトーキョーに程近い場所。
フィッシング詐欺サイトは、この付近に密集しています!
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
表示されたのは、AEONカードユーザー専用のサイト「暮らしのマネーサイト」
もちろん偽サイトですから絶対にログインしないでください!
まとめ
ここ直近、フィッシング詐欺メール界ではAEONカードがトレンドのようです。
これ以外にも別の件名で送られてくる可能性があるのでご注意ください。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |