三井住友?それともアマゾン?
突っ込みどころ満載のフィッシング詐欺メールが到着。
これ、もしかして笑わせてるの??(笑)
まず、件名には「三井住友カード」と書かれているにも関わらず、本文はAmazon…大丈夫?(笑)
そして黄色いリンクボタンの上に露出してしまったつぶれて何が書かれているか分からないタグ。
でもって箇条書きのリストがなぜだか「?」になってる。
で、とどめにフッター部の「右键点击切换位置」
この中国語を直訳してみると「右キーは切換位置をクリックします」
これってもう詐欺メールじゃなくて笑かしメールでしょ?(笑)
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【重要】三井住友カードサービスの緊急連絡、情報を確認してください。」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"Amazon.co.jp" <cc@service.1631467.cn>」
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
「三井住友カード」さんならドメインは”smbc-card.com”だし、「Amazon」さんなら
ドメインは、”amazon.co.jp”のはずなのに、ここにはどちらでもないこのようなでたらめな
中国ドメインを使ったメールアドレスです。
ま、数字を使ったドメインなんて普通使わないしね!
数字を使ったドメインの運営元は香港
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「cc@service.1631467.cn」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
|
Message-ID:「20220912180327207656@service.1631467.cn」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
|
Received:「from service.1631467.cn (unknown [45.126.127.87])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
|
では、メールアドレスにあったドメイン”service.1631467.cn”について調べてみます。
持ち主は、私には読めない文字を含む漢字三文字の氏名の方。
そして”45.126.127.87”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”のIPアドレスと全く同じですからアドレス偽装はありません。
「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”45.126.127.87”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
ピンが立てられたのは、香港のCentral and Western付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
リンクはリダイレクトされ別サイトへ接続される
では引き続き本文。
Amazon お客様:
【Amazon アカウント】利用いただき、ありがとうございます。
このたび、ご本人様のご利用かどうかを確認させていただきたいお取引がありましたので、
誠に勝手ながら、サービスのご利用を一部制限させていただき、お客様のアカウントのに
登録された電話番号にご連絡いたしましたが、お客様に連絡を取ることができませんでした.
ご連絡させていただきました。
お客様の Amazon アカウント
Amazonアカウントではセキュリティ対策強化の一環として、ログイン時の認証方法が変更となりますので、
下記へアクセスし、ご確認ください。
状態: は確認待ちです
0px?="" padding-right:="" 0px;="" margin:="" padding-left:="" padding-top:="" padding-bottom:="" #3c4043;="" color:="" 400;="" font-weight:="">
所有権の証明 |
まず最初に、Amazonからのメールの宛名は「Amazon お客様:」ではなくて必ず受信者の氏名が
書かれているはずです。
これは、差出人がこちらの氏名を知らない証拠。
それにこの本文は、所々日本語がおかしくなっていますね。
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「所有権の証明」って書かれた黄色いボタンに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
ドメインは”translate.google.com”なんてGoogleのものになっています。
”translate”は、日本語で「翻訳」です。
”https://translate.google.com/”に接続すると「Google 翻訳」に接続されてしまいます。
このリンク、リダイレクト(自動転送)が施されていて、ここに接続すると自動で別のサイトに
転送接続される仕組みになっています。
その転送先のURLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
えっ、まさかの安全宣言?
これは見逃すことは到底できません。
このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。
評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”additiona-adminsxz.wikaba.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
「Registrant Organization: changeip.com」とあるので、このドメインはアメリカの「ChangeIP」さん
から無料でレンタルされたダイナミックDNSですね。
このドメインを割当てているIPアドレスは”34.97.133.13”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのはなんと、大阪市中之島付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
利用しているプロバイダーは「Google LLC」とされていますね。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみると、まずはChromeが接続をブロック
してきました。
構わず先に進んでみます。
すると表示されたのは「Amazon」のログインページ。
もちろん偽サイトですから絶対にログインしないでください!
まとめ
結局は「Amazon」のフィッシング詐欺メールだったんですね。(笑)
こんなメールに騙される人は居ないとは思いましたが、面白そうだったのでエントリー書いてみました。
でも、恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |