またまた「えきねっと」さんを騙ったフィッシング詐欺メールです。 ほんと「えきねっと」さんを騙るものは多いですね…(;^_^A 今度は、メール番号なんてでたらめな数字付けてきちゃっていますよ!(笑) それにサポートセンターと名乗るメールのドメインが”.cn”って、中国じゃん…  では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] 【重要】えきねっとの緊急連絡、情報を更新してください。メール番号:M598」 メール番号とか付けりゃ信憑性が高まるとでも思っているのでしょうかね。 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「”えきねっとサポートセンター” <support@service.vgnk.cn>」 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 いつものことながら「えきねっと」さんには、”eki-net.com”って正規ドメインをお持ちです。 正規ドメインが有るのにそれ以外のこのようなでたらめな中国のドメインを使ったメールアドレスで ユーザーさんにメールを送るなんて信用問題に関わる大きな問題です。 複数ドメインを使い分けてる? では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「support@service.vgnk.cn」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「20220830040245846451@service.vgnk.cn」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from service.vgnk.cn (unknown [23.160.193.87])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 | では、メールアドレスにあったドメイン”service.vgnk.cn”について調べてみます。  ”23.160.193.87”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 ”Received”のIPアドレスと同じですからメールアドレスの偽装はありません。 このIPアドレス、他にも別のドメインを割当てていないかと、逆引きしてみると…  このドメインには、”service.vgnk.cn”とは別に”unknown.ip-xfer.net”なんてドメインも 割当てられていました。 きっと、別の詐欺と使い分けしているのでしょうね。 「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received” これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 ”Received”のIPアドレス”23.160.193.87”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  おっと、脅威のレベルは「高」と書かれているので、このIPアドレスは既にブラックリスト 入りしていました。(-_-;) 詳細は、メールによるサイバーアタックとされています。 ここでも「ホスト名 unknown.ip-xfer.net」と書かれているので、どうやらこちらのドメインが メインの感じですね。 位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた 上でご覧ください。 ピンが立てられたのは、アメリカのシカゴ付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 本文の日本語が滅茶苦茶 では引き続き本文。 お客様のアカウントに異常検出しました。大変お手数ですが、12時間内にアカウントを登録内容を 確認する必要があります。 但しこの時間過ぎても確認取れない場合にはアカウントを一時停止させて頂くことがありますので、 アカウントのご利用更新にご協力をお願い致します。御了承ください。 ⇒ ログインはこちら ※えきねっとトップページ右上のログインボタンよりログインしてください。 お問い合わせ先 えきねっとサポートセンター TEL 050-2016-5000 受付時間 8時00分~22時00分 サイト運営・管理 JR東日本ネットステーション ——————– このメールは「えきねっと」より自動配信されています。 返信いただきましても対応致しかねますので、あらかじめご了承ください。 メール番号:M0960 お心当たりのない方は、誠に恐れ入りますがこのメールの削除をお願いいたします。 ご不明な点のある方は、えきねっとサポートセンターまでご連絡ください。 | おかしなところが散見されますね。 まず、「お客様のアカウントに異常検出しました。」では日本語としておかしいです。 本来なら「お客様のアカウントで異常を検出しました。」と書くべき。 また「12時間内にアカウントを登録内容を確認」も「12時間内にアカウントの登録内容を確認」 とするべきです。 それに「御了承ください。」の位置もおかしいですよね? あれ?件名にあったメール番号って「M598」じゃなかったでしたっけ? いつの間にか「M0960」に変わっちゃっています…(笑) このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは「ログインはこちら」って書かれたところに張られていて、リンク先の URLがこちらです。  このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。  このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。 そのカテゴリは「フィッシング」と書かれています。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”www.eki-net.derr03.com” このドメインにまつわる情報を取得してみます。  申請者は、日本の方のようですよ。 どうやら住所はでたらめですね。 この方は「ネームギア」ってところでドメインを取得しているようです。 このドメインを割当てているIPアドレスは”103.45.69.249” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  ピンが立てられのは、香港の「Kwai Chung:葵涌(きちょう)」付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。 安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。 一度ウイルスバスターにブロックされたものの開いたのは「Forbidden」と書かれたページ。  「Forbidden」HTTPステータスコードの一つで、ページが存在するものの、特定のアクセス者に ページを表示する権限が付与されず、アクセスが拒否されたことを示すものです。 詐欺サイトは、捜査の手が及ぶのを恐れ、えてして時々姿をくらまします。 こうすることで少しでも捜査の手から逃れようとしているのです。 先程ご覧いただいた通り、IPアドレスとドメインは紐づけされたままなのでサイトは簡単に 復活することが可能な状態です。 まとめ 私の所には、「えきねっと」を騙るメールがだいたい1日当たり5通は届きます。 きっと皆さんの所にもたくさん届いていることでしょうね。 もちろんクソの足しにもならないので選別せずそのままゴミ箱行きですが。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |