数字のドメイン 相変わらず週明けのメール処理は大変。(;^_^A 半数以上が迷惑メールだなんて口が裂けても言えません…(笑)  そんな中から今回ご紹介するのはこちらのメール。  「異常なアクティビティ」が検出されたとかで注文とアマゾンアカウントを一時停止したので リンクから情報を確認するように促しています。 では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] あなたのamazon.co.jpオーダーは出荷できません」 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 どことなく違和感のある日本語使いだと思うのは私だけでしょうか? この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「amazon <mail@63281.cn>」 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 なんですかこの数字のドメインは、それに中国だし…(;^_^A 「Amazon」さんには、”amazon.co.jp”って正規ドメインをお持ちです。 正規ドメインが有るのにそれ以外のこのようなでたらめなドメインを使ったメールアドレスで ユーザーさんにメールを送るなんて信用問題に関わる大きな問題です。 メールアドレスは偽装されていた では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「mail@63281.cn」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「20220711033007506687@63281.cn> ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from tIZ.bn (unknown [119.184.92.181])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 | まずは、”63281.cn”について情報を取得してみます。 このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら 差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり 処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金 さて、どう出るのでしょうか?  ”117.78.0.115”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”119.184.92.181”ですから全く異なります。 これでアドレス偽装は確定。 この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね! この中で一番重要なのは”Received” これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 ”Received”のIPアドレス”119.184.92.181”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。 ピンが立てられたのは、やはり中国。 山東省済南市付近で、このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 リンク偽装発覚! では引き続き本文。 こんにちは、 異常なアクティビティが検出されたため、注文とアマゾンアカウントを一時停止しました。 アカウントにログインし、画面の指示に従ってアカウントをロック解除することができます。 情報を確認するまで、アカウントにアクセスしたり、注文したりすることはできません。 このように https://www.amazon.co.jp | シンプルな本文ですね。 「このように」と言うのは、どのようになのでしょうか?(笑) このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは「https://www.amazon.co.jp」って書かれたところに張られていて、リンク先が 本物のAmazonなのかなと思いながらリンクを押してみると、愛用のThunderbirdから このようなメッセージが発せられました。  どうやらリンク偽装が行われているようで、実際に飛ばされるURLがこちらです。  またしても中国のドメイン。 このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。  このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。 そのカテゴリは「フィッシング」と書かれています。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”www.acmnsim.cn” このドメインにまつわる情報を取得してみます。  申請者は、私には読めない文字を含む漢字三文字の氏名の方で、もちろん中国の方でしょう。 このドメインを割当てているIPアドレスは”8.209.231.187” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  ピンが立てられのは、なんと「東京都杉並区和泉」付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。 どんなページが開くか分かっちゃいるけど一応調査なので、安全な方法でリンク先の詐欺サイトに 訪れてみました。  当然開いたのはAmazonのログオン画面。 もちろん偽サイトですから絶対にログインしないでください! まとめ Amazonを騙るフィッシング詐欺メールは非常に多くて日に届く詐欺メールの1/3程をしめます。 それだけユーザーが多くて騙しやすいということなのでしょうね。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |