スペルは違うし、文字も違うし
ここ数日セゾンカードの「Netアンサー」に成りすますフィッシング詐欺メールが急増中。
今朝もこのようなメールが複数届いております。
ちょっとおバカなのは「SAISON(セゾン)」のスペルが「SAISO」になっていること。
なんか文字足らなくない?(笑)
でもって、何の意味が有るのか知りませんが、よく見ると”SA”と”S”が斜体文字で書かれています。
更に”SA”と”S”を再変換させてみると、どうやらこれらの文字は「環境依存文字」で書かれていることも
分かりました。
そして、更に”I”も同じように再変換させてみると”アイ”では無く”エル”であることも分かりました。
おまけにフッターの著作権表示までもが…
「Copyright © CEDIT 𝘚𝘈l𝘚𝘖 CO., LTD. All Rights Reserved」
こんなことして何の意味が有るのか私にはさっぱり分かりません…(;^_^A
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【SAlSO】から重要なお知らせ」
件名からして”N”が足らないでしょ?
それに件名も”アイ”では無く”エル”…
何か試しているのでしょうか?(笑)
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「SAlSO顧客サービス <SAlSO-customer9@3745346.cn>」
「セゾン」さんには、れっきとした”saisoncard.co.jp”ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような”3745346.cn”なんて中国のトップレベルドメインを使った
メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて絶対にあり得ません!
発信サーバーはプノンペンにあり!
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「SAlSO-customer9@3745346.cn」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「202206012306495751362@3745346.cn」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from 3745346.cn (unknown [202.36.57.170])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まずは、”3745346.cn”について情報を取得してみます。
申請者の氏名は、私には読めない文字を含む漢字3文字の氏名の方で、申請は中国のIT企業アリババを
通じて行われていますのでどこの国の方かは大方想像つきますよね?(;^_^A
このドメインを割当てているIPアドレスは”202.36.57.170”です。
”Received”のIPアドレスも”202.36.57.170”ですから、差出人のメールアドレスは偽装されていません。
この中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレスは、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
ピンが立てられたのは、カンボジアの首都「プノンペン」付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
文章が中途半端に終わってるし
では引き続き本文。
𝘚𝘈l𝘚Oカードからのお知らせ
𝘚𝘈l𝘚Oカードをご利用のお客さま
利用いただき、ありがとうございます。
このたび、ご本人様のご利用かどうかを確認させていただきたいお取引がありましたので、
誠に勝手ながら、カードのご利用を一部制限させていただき、ご連絡させていただきました。
つきましては、以下ヘアクセスの上、カードのご利用確認にご協力をお願い致します。
お客様にはご迷惑、ご心配をお掛けし、誠に申し訳ございません。
何卒ご理解いただきたくお願い申しあげます。
ご回答をいただけない場合、カードのご利用制限が継続されることもございますので、
予めご了承下さい。
ご利用確認はこちら
弊社は、インターネット上の不正行為の防止·抑制の観点からサイトとしての信頼性·正当性を高めるため |
も~本当に見飽きたくだり…
なんで最後の行が「高めるため」で終わってんの?
中途半端で気持ち悪い…ちゃんと最後まで書いてほしいよ。
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「ご利用確認はこちら」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
しかしこれ、偽装されていて、実際に接続してみるとリダイレクトされてこちらのURLに
飛ばされます。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
おっと、まだ「未評価」のようです。
このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。
評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”cxzsfv.awr9y2.cn”
もうここまでくると「SAISON」の欠片アも無いドメインです…(笑)
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
申請者は、メールアドレスのドメインと同じ方。
このドメインを割当てているIPアドレスは”198.55.103.27”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、詐欺サイトのメッカ、ロサンゼルス近郊のリトルトーキョーに程近い場所。
フィッシング詐欺サイトは、この付近に密集しています!
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
開いたのは「Netアンサー」のログインページ。
Netアンサーとはセゾンカード会員をサポートするインターネットサービスの事。
もちろん偽サイトですから絶対にログインしないでください!
まとめ
分かりましたか?フィッシング詐欺メールの見分け方。
面倒でもしっかり見極めて被害防止に役立ててください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |