「三井住友カード」さんのなりすまし
昨日は、少し遠出して片道2時間ほどの山奥にある茶臼山高原までドライブデート。
山頂付近では、芝桜祭りが開催されており、渋滞に遭いながら久しぶりに心地よい景色を
堪能してまいりました。
さて、今週2つ目のフィッシング詐欺メールは、こちらの「三井住友カード」さんに成りすましたもの。
ん? 次回のお支払い日についてご案内?
なんで支払い日なんか教えてくれなくても毎月同じだろ?
支払い金額じゃないの?(笑)
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【三井住友カード】ご請求金額確定のご案内 (2022/05/16 8:14:22)」
末尾のタイムスタンプは、このメールに信憑性を持たせるためのものですから騙されてはいけません。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"三井住友カード" <tr@shipbrokers.jp>」
「三井住友カード」さんには、れっきとした”smbc-card.com”ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような”shipbrokers.jp”なんておかしなドメインを使った
メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて絶対にあり得ません!
それに、このメールアドレスだって眉唾ですよ!
その辺りを次の項でじっくり観察していきましょう!
「日本シップブローカーズ協会」の名を借りて
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「tr@shipbrokers.jp」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「4B0F71F47E37C23DF7A9E147221F7A4D@shipbrokers.jp」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from shipbrokers.jp (unknown [153.120.20.89])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まずは、”shipbrokers.jp”について情報を取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら
差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり
処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
さて、どう出るのでしょうか?
このドメインは、国土交通省の認知を得たの団体「日本シップブローカーズ協会」さんの持ち物のようです。
”13.230.238.206”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”に書かれているのが”153.120.20.89”ですから全く異なるので、やはりアドレス偽装。
しっかり罪を償っていただきましょう!
”Received”のIPアドレス”153.120.20.89”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
かなりアバウトな位置であることをご承知の上ご覧いただくとして
ピンが立てられたのは、長野県上田市付近です。
それに、差出人は「さくらインターネット」のユーザーです。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
支払い日じゃなくて支払金額でしょ?
では引き続き本文。
※本メールは次回お支払いがあるお客さまに配信しています。
平素は三井住友カードをご利用いただき、誠にありがとうございます。
次回のお支払い日についてご案内いたします
「お支払いについてのご案内」
お支払い日 5月18日(月) |
どうしても「次回のお支払い日についてご案内いたします」ってところが気になりますね(笑)
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「ご利用明細のご確認はこちら」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
おっと、まだ「未評価」のようです。
このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。
一刻も早く評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”sm.maostyle.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
しっかり情報が出ています。
持ち主は、福岡市にある企業のようです。
このドメインを割当てているIPアドレスは”115.144.69.120”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
そう、さくらインターネットユーザーの時は、サイトはソウルでしたね。
ピンが立てられのは、ソウルにある「ヨンサンドン」付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
気になるので、安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
開いたのは、Vpassへのログイン画面。
まるまるダウンロードして複製されているので不審なメールやSMSへの注意喚起も
そのまま表示されていますよね。(笑)
もちろん詐欺サイトですから絶対にログインしないでください
まとめ
私が最も気になったのは、このメールの署名部分。
普通、半角しか使えないメールアドレスを全角文字で書きます?
どうもフィッシング詐欺メールは全般的に見てアルファベットの全角文字がお好きなようです。
逆に言えば、全角アルファベットが使われているメールは要注意って事にもなります。
こういった危険なメールが多いのでお気を付けください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |