「こんにちは」って誰かと思った… このエントリーをもってフィッシング詐欺関係の1000回目のエントリーとなりました。 最近は、数字も安定しており毎日たくさんの方にご興味を持っていただき大変感謝しております。 これからも、私の体とィッシング詐欺メールが続く限り頑張って発信してまいりますので よろしくお願いいたします。 さて、そんなメモリアルエントリーにスポットをあてるのはこのメールです。 そう、私が「アダルトハッキングメール」呼ぶ身代金要求型の詐欺メール。  同じ内容のメールを今までにもご紹介しておりますが、忘れかけている方もいらっしゃると思うの 戒めも意味も込めて。 では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] こんにちは!」 馴れ馴れしくてとても怪しい件名ですね。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「こんにちは <yyaahs.6@hotmail.com>」 使われているメールアドレスのドメインは”hotmail.com”ですから、Microsoftが提供する 無料メールアドレスから。 本当か偽装か分かりませんが… その辺りを含め、次の項で見ていくことにしましょう。 偽装に偽装を重ねる では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「ijkzsjwk@yzjsb.org」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、差出人に書かれていた ”hotmail.com”のアドレスとは全然違うのでどちらかを偽装していますね。 | Message-ID:「Message-ID: <B8B263A8F9442F32B2158C6AA3FB8858@yzjsb.org>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここにも”yzjsb.org”ってドメインが使われているのでどうやら”hotmail.com”が 偽装っぽいですが、まだ分かりません。 | Received:「from yzjsb.org (unknown [118.120.250.134])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 | まずは、”yzjsb.org”について情報を取得してみます。 このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら 差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり 処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金 さて、どう出るのでしょうか?  ありゃりゃ… 「対応するIPアドレスがありません」と書かれていますね。 もしかして単にIPアドレスが割当てられていないだけかも知れないので、「お名前ドットコム」さんで このドメインが取得可能かどうか確認してみます。  やっぱにらんだ通り! IPアドレス割当て以前の問題。 このドメインは空きなので、使えるはずがありません! いったいどれだけ偽装を重ねるのでしょうか。 今度は”hotmail.com”のIPアドレスを確認し、”Received”のIPアドレス”118.120.250.134”と 合致するかどうか確認してみようと思います。  表示された数字は”204.79.197.212”で全く異なるもの。 これでアドレス偽装確定です。 ”Received”のIPアドレスは、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  かなりアバウトな位置であることをご承知の上でご覧ください。 ピンが立てられたのは、「中国四川省雅安市」付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 では引き続き本文。 全文を貼り付けようと思ったのですが、かなりの文字数なのでご覧になりたい方は 冒頭の図をご覧ください。 「アダルトハッキング」なので書いてある内容は、ハッキングによりアダルトサイト閲覧中の 動画を撮影したから拡散されたくなければ身代金を暗号通貨で支払えと言うもの。 どこかにリンクが書かれているわけでもないし、私にはこれ以上の追跡はできません。 まとめ 「アダルトハッキングメール」と言えば「ワードサラダ」でしたが、今回のメールには ありませんでした。 こんなメール受け取っちゃうと何か被害を受けないか? とご心配の方も多くいらっしゃると思いますが、このメール、受け取っただけでは 被害に遭うことはありませんのでご安心ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |