「ニンテンドーアカウント:自動継続購入の停止とお手続き方法のご案内」は詐欺!Nintendo Switch Onlineの偽「決済エラー」メールが再来、今回は偽ログイン画面が出現

HL-META: date=2026年10月21日 | brand=任天堂 | sender_geo=unknown | site_geo=unknown | spf=unknown | dkim=none | cloaking=no

このメール、どこかで見たことがある。そんな既視感のあるメールが、また届きました。

Nintendo Switch Onlineの「決済エラー」を知らせる、任天堂を名乗るメールです。実は、同じ件名のメールを、2月にも取り上げました。ただし、今回は、リンクの先に、本物そっくりの「ニンテンドーアカウント」のログイン画面が表示されました。しかも、確認した時点では、セキュリティソフトの警告も出ませんでした。一緒に確認していきましょう。

HEARTLAND-LAB SECURITY REPORT
「ニンテンドーアカウント:自動継続購入の停止とお手続き方法のご案内」
任天堂の詐欺メール。「決済エラー」と「利用券の再購入」で、偽のニンテンドーアカウント画面へ誘導します

結論:これは詐欺メールです。「利用券を再度購入する」のボタンは押さないでください。下の問い合わせ先のリンクも、すべて同じ偽サイトです。入力したログイン情報や、支払いの情報を盗まれるおそれがあります。

危険度 ★★★★★(非常に高い)
偽のログイン画面が実際に表示され、確認時点ではセキュリティソフトの警告もなかったため
受信日 2026年10月21日(水)午前11時52分ごろ
件名 ニンテンドーアカウント:自動継続購入の停止とお手続き方法のご案内
差出人 表示名は「Nintendo」。実際のアドレスは Nintendo-xfwK@propertyagent[.]co[.]jp(任天堂とは無関係のドメイン)
送信元IP 45.142.154.154(所在は未確認)
SPF / DKIM SPFは判定エラー(設定が壊れていて判定できない) / DKIMの署名はなし
誘導先 hxxps://nintendo.wt88hc1[.]cn/RfTAjdvd/(偽のニンテンドーアカウント ログイン画面)

⚠ これは任天堂からのメールではありません。偽物(詐欺メール)です。

届いたメールの本文(再現)

実際に届いた本文を書き起こしました。詐欺サイトのURLはクリックできない形にし、受信者の情報は省いています。

差出人:Nintendo <Nintendo-xfwK@propertyagent[.]co[.]jp>
件名 :(先頭に空白)ニンテンドーアカウント:自動継続購入の停止とお手続き方法のご案内

-->
NINTENDO SWITCH ONLINE

【重要】決済エラーに関するご案内

平素よりNintendo Switch Onlineをご利用いただき、誠にありがとうございます。

以下の理由により、2026年10月19日(JST)の決済が完了できませんでした。

・クレジットカードの有効期限切れ
・PayPalの利用制限
・ニンテンドーeショップ残高の不足

引き続きサービスをご利用いただくには、下記より利用券(12ヶ月)の再購入をお願いいたします。

[▼ 利用券を再度購入する]
(※ボタンの実際のリンク先:hxxps://nintendo.wt88hc1[.]cn/RfTAjdvd)
本手続きは数分で完了し、安全に処理されます。

このメールは送信専用です。返信には対応しておりません。
お問い合わせは以下をご利用ください:
Nintendo Switch Online サポート(※実際のリンク先は上と同じ)
任天堂カスタマーセンター(※実際のリンク先は上と同じ)

任天堂株式会社
〒606-8501 京都府京都市上京区馬喰町1

▲ 実際に届いたメールの画面。「Nintendo Switch Online」のロゴまで再現されています。左上に、作りかけの記号「–>」が残っています。

このメール、どこがおかしい?

  • 決済が失敗した理由として、3つの理由を並べているだけで、どれなのかは書かれていません。本当に決済に失敗したなら、理由は分かるはずです。
  • 宛名がなく、「平素より…をご利用いただき」で始まります。
  • フッターの住所が違います。メールの住所は「〒606-8501 京都府京都市上京区馬喰町1」ですが、任天堂の公式サイトの本社は「〒601-8501 京都市南区上鳥羽鉾立町11番地1」です。
  • 下の「Nintendo Switch Online サポート」「任天堂カスタマーセンター」の問い合わせ先のリンクまで、すべて同じ偽サイトにつながっています。
  • メールの先頭に、作りかけの記号「–>」が残っています。
  • 件名の先頭に、余分な空白が1つ入っています。

任天堂は、公式の任天堂サポートのXで、「Nintendo Switch Online」の自動継続購入に関する案内を装った詐欺メールについて、注意を呼びかけています(2025年10月)。報道によると、メール内のリンクは開かず、メールを削除するよう案内しています。加入状況は、Nintendo SwitchのHOMEメニューにある「Nintendo Switch Online」から確認できるとのことです。

送信ルートと偽装の判定

※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。分かった範囲を、読み取り方と一緒にご紹介します。

実際の送信元:受信記録から、メールは 45.142.154.154 から送られたと分かりました。このIPの所在や持ち主は、今回は確認できていません。接続のときに名乗った名前は、数字を並べただけの内部用の名前で、公式のメールサーバーの名前ではありません。

差出人のドメイン:差出人のアドレスは、日本の「.co.jp」のドメインです。名前からは、不動産関係の会社を思わせます。実在の会社のメールの環境が、乗っ取られて使われた可能性もありますが、確認はできていません。この会社は、被害に遭っている側かもしれないので、ここでは特定しません。

SPFは判定エラー、DKIMはなし:SPFは、「このサーバーから送ってよい」という届け出と、実際の送信元が合っているかを確認する仕組みです。今回は、届け出の設定が壊れていて(確認の回数が多すぎるというエラー)、合格とも不合格とも判定できませんでした。DKIM(改ざん防止の署名)は、付いていませんでした。

総合判定:任天堂になりすました偽メールです。

💡ここで!セキュリティソフトが「警告しない」のはなぜ?

ウイルス対策ソフトやブラウザの警告は、すでに知られている危険なサイトの一覧をもとに出ることが多いと言われます。

ところが、できたばかりの詐欺サイトは、まだ一覧に載っておらず、警告が出ないことがあります。つまり、「警告が出ない」ことは、「安全」という意味ではありません。サイトの住所(URL)が、公式のものかどうかを、ご自分の目で確かめることが大切です。

分かったこと①:2月と同じ件名の手口が、約8か月ぶりに再来した

この件名の詐欺メールは、2026年2月にも届いていて、当ブログで【解析】任天堂アカウント詐欺『自動継続購入の停止とお手続き方法』メールの危険性を暴くとして取り上げました。そのときは、リンク先が別のドメイン(wanguie[.]com)で、画面には、ログイン画面ではなく、タイムアウトのエラーが表示されていました。

今回は、ドメインが wt88hc1[.]cn に変わり、リンク先に、偽のログイン画面が実際に表示されました。同じ文面を使い回しながら、行き先を入れ替えて、使っているとみられます(推測です)。

分かったこと②:問い合わせ先のリンクまで、すべて同じ偽サイト

メールの元データ(HTMLソース)を見ると、「▼ 利用券を再度購入する」のボタンだけでなく、下の「Nintendo Switch Online サポート」「任天堂カスタマーセンター」の2つのリンクも、どれも hxxps://nintendo.wt88hc1[.]cn/RfTAjdvd でした。「ボタンは怪しいけれど、サポートで確かめよう」と思って、問い合わせ先を押しても、同じ偽サイトにたどり着きます。

なお、ドメインの先頭に「nintendo.」と付いていますが、本当の任天堂のドメインとは別物です。ドメインの見分けでは、「.」の直前の名前(ここでは wt88hc1[.]cn)が、そのサイトの持ち主を表します。

分かったこと③:本物そっくりの偽ログイン画面。どこからも警告は出なかった

リンク先に接続すると、「ニンテンドーアカウント」のログイン画面が表示されました。左上の「Nintendo」のロゴ、「パスワードでログイン」、「メールアドレス/ログインID」と「パスワード」の入力欄、「新規作成」まで、そろっています。(調査のため、危険を承知のうえで画面を確認しました。みなさんは、絶対にまねしないでください。)

▲ 実際に表示された偽のログイン画面。本物とそっくりです。

さらに気がかりなのは、確認した時点で、ウイルスバスターも、Chromeも、警告やブロックを出さなかったことです。警告が出ないと、つい「大丈夫かな」と思ってしまいますが、そうとは限りません。警告が出なくても、メールのリンクから開いたログイン画面には入力しないことが、いちばん大事です。

フィッシングサイト詳細解析

偽ログイン画面:hxxps://nintendo.wt88hc1[.]cn/RfTAjdvd/。ログイン画面を表示します。ドメインは中国のトップレベルドメイン「.cn」です。このサイトの登録情報と、接続先のIPは、今回は確認できていません。

差出人のドメイン:propertyagent[.]co[.]jp は、登録情報を確認できていません。SPFの設定が壊れていて、DKIMもないことから、正規の運用がされている環境とは言いにくい状態です(推測です)。

読み解き:2月は wanguie[.]com、今回は wt88hc1[.]cn と、同じ文面でも、リンク先のドメインは別でした。なお、端末や地域で表示を変える仕組み(クローキング)は、確認されませんでした。

過去の記事との関連

同じ件名の過去の記事と、「決済・請求」「本人確認」をかたる最近の記事です。

注意点と対処法

  • 加入状況は、本体のメニューから確認:決済や利用券が気になったら、メールのリンクではなく、Nintendo SwitchのHOMEメニューの「Nintendo Switch Online」や、ご自身で登録した公式サイトから、確かめましょう。
  • メールは、開かずに削除して大丈夫です。問い合わせ先のリンクも、同じ偽サイトなので、押さないでください。
  • もしログイン情報を入力してしまっても、ご自分を責めないでください。落ち着いて、公式の画面から、パスワードを変更しましょう。同じパスワードを他のサービスでも使っている場合は、そちらも変更してください。
  • クレジットカードの情報まで入力してしまった場合は、カード会社に連絡し、身に覚えのない利用がないか、明細を確認してください。
  • 困ったときは、全国共通の消費者ホットライン「188」が、お住まいの地域の消費生活センターや市区町村の相談窓口につないでくれます。詳しくは消費者庁の案内資料をご覧ください。

任天堂を名乗る「決済エラー」メールは、偽物です。

警告が出なくても、メールのリンクは押さないこと。確認は、本体のメニューや、公式の窓口から行いましょう。

ご家族やお友だち、お子さまにも、ぜひ教えてあげてください。

Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit

IPアドレスの位置情報はip-sc.net(IP調査兵団)の調査結果を参照しています。

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