「次回のお買い物への特別な感謝の贈り物」はAmazonを装うメール!「活性化」ボタンの先は本物のAmazon内の紹介ページ

「お買い物ありがとうございます」と言われると、ちょっとうれしくなりませんか?
ふだんAmazonを使っている方ほど、「最近何か買ったかな?」と思い出しながら開いてしまいそうなメールが届きました。
HEARTLAND-LAB SECURITY REPORT
「次回のお買い物への特別な感謝の贈り物」はAmazonを装うメール!
「活性化」ボタンの先は、本物のAmazon内の紹介ページでした。それでも、Amazonからのメールではありません。
結論:Amazonからのメールではありません。「活性化」ボタンは押さず、メールは削除して大丈夫です。今回の確認では、パスワードなどを盗む画面は見つかりませんでしたが、安全とは言い切れません。
| 危険度 | ★★☆☆☆(やや低い) 現時点では本物のAmazonに転送されますが、転送先は送信した側が後から変えられるため |
| 受信日 | 2026年10月23日(金)午前3時3分ごろ |
| 件名 | 次回のお買い物への特別な感謝の贈り物 |
| 差出人の表示 | 「Prime Store」 実際のドメインは montescollective[.]com で、Amazonとは無関係 |
| 送信元 | 147.135.40.34(アメリカ・オレゴン州/OVHのホスティング)SPFは合格(ただし安全の証明ではありません) |
| ボタンの行き先 | hxxps://linkcoll[.]net/…(以下省略)転送されて、本物のAmazon内の紹介ページへ |
| 添付ファイル | なし |
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
【偽物】これはAmazonからのメールではありません
Amazonの画像を使い、Amazonの名前を書いていても、差出人は別の誰かです。「活性化」ボタンを押す必要はありません。
実際に届いたメールの内容
届いた本文を、そのまま書き起こしました。
件名:次回のお買い物への特別な感謝の贈り物 差出人:Prime Store 家 お得な情報 ありがとう! この度はAmazonにて商品をご購入いただき、誠にありがとうございます。感謝の印として、以下のリンクより、次回以降のAmazonでのご購入時にご利用いただける割引をご利用いただけます. ただし、お早めにお申し込みください。このオファーは2026年11月15日に終了します。 [活性化] お一人様1点限り。制限事項が適用されます。詳細は……をご覧ください 利用規約 . (商品バナーの画像) さらにお得に利用する方法 すべて見る テクノロジー ファッション 設定を更新する ©2026 Amazon.co.jp, Inc. またはその関連会社。Amazon および関連するすべてのマークは、Amazon.co.jp, Inc. またはその関連会社の商標です。商品価格および在庫状況は変更される場合があります。参照番号: 1398255820. プライバシーに関する通知

▲ 実際に届いたメールの画面(※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載)
このメールがおかしい5つのポイント
- 日本語が直訳調:メニューの「家」は、おそらく英語の「Home」の直訳です。「お得な情報」は「Deals」、ボタンの「活性化」は「Activate」でしょう。「ホーム」を「家」と訳してしまう雑さは、ご愛嬌です。
- 12か所すべてが同じ行き先:ロゴ、商品の画像、「活性化」ボタンはもちろん、「利用規約」と「プライバシーに関する通知」まで、全部が同じ1つのURLでした。本物なら、行き先はバラバラのはずです。
- 文章が欠けている:「詳細は……をご覧ください」と、肝心の部分が省略記号のままです。
- 画像は本物を借りている:画像はAmazon本物のサーバーから読み込まれています。見た目だけ本物に寄せているので、画像が本物らしいことは、本物のメールの証拠になりません。
- 何を買ったのか書いていない:「ご購入いただき」と言いながら、商品名も注文番号もありません。「11月15日に終了」と日付で急がせているのも、よくある手口です。
送信ルートを調べてみると
メールには、どこから送られてきたかの記録(送信ルート)が残ります。今回は、外部から最初に届いた先は次の1か所だけでした。
| IPアドレス | 場所と種類 | 名乗っていた名前 |
147.135.40.34 | アメリカ・オレゴン州ワシントン郡(ヒルズボロ)/OVHのホスティング | smtp3.montescollective[.]com |
※場所はIPアドレスから推定した目安です。※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
「ホスティング」とは、サーバーを貸し出すサービスのことです。個人の自宅ではなく、データセンターから送られていました。Amazonの発信元ではありません。
SPF(送信元の確認)は合格していますが、これは montescollective[.]com という、Amazonとは無関係のドメインについての合格です。DKIM(改ざん防止の署名)も同じドメインで付いていました。ただし、検証結果はヘッダーから確認できませんでした。
もう1つ気になったのが、メールの配信停止用のアドレスです。送信元とは別のドメイン(tendacanfly[.]com)が使われ、そこにあなたのメールアドレスが含まれるURLがあり、転送先は同じ中継URLでした。配信停止に見せて、アドレスが使われているかを確かめられる仕組みになっている可能性があります。
💡ここで!用語をやさしく解説
中継URL(リダイレクト):リンクを押すと、いったん別のサーバーを経由してから本来のページへ転送する仕組みです。誰が、いつ押したかを記録するために使われます。便利な反面、転送先は設定した側があとから自由に変えられます。
紹介ページ(アフィリエイト):個人が商品を紹介して、その紹介を経由して買い物があると、紹介料を受け取れる仕組みです。Amazonにも、個人が「おすすめ商品リスト」を公開できるページがあります。
SPF:「この送信元から送ってよいか」を、ドメインの持ち主があらかじめ宣言しておく仕組みです。迷惑メールでも、送る側が用意したドメインで宣言していれば合格します。「合格=安全」ではありません。
ボタンの先を調べると
ボタンのリンク先:hxxps://linkcoll[.]net/…(以下省略)
転送だけを担う中継用のドメインに見えます。Amazonとは無関係です。
転送先:2026年10月23日の朝にリンクを開くと、パソコンでもスマホでも、本物のAmazon(amazon.co.jp)の中のページに転送されました。URLの形から、個人が公開している「おすすめ商品リスト」の紹介ページと見られます。ページの持ち主につながる文字列は、個人の特定になりかねないため、掲載しません。
考えられる狙い:メール経由で買い物をしてもらうと紹介料が入る、紹介料目的の誘導とみられます。ただし、メールを送ったのがそのページの持ち主本人なのか、第三者が使っているだけなのかは、判断できません。
いまは本物のAmazonでも、安全とは限りません。中継URLの転送先は、送った側があとから別のサイトに変えられます。配信直後は無害に見せておき、あとで入れ替えるという手口も、一般には考えられます。
分かっていないこと:パソコンとスマホでは、同じ挙動でした。ただし、地域やブラウザの違いまでは確かめられていません。偽のログイン画面や不審なアプリへの誘導は、今回の確認では見つかっていません。
ちなみに、メールの文字だけで表示する「テキスト版」には、HTMLのソースコードがそのまま入っていました。メールソフトの設定によっては、記号だらけの画面が出てしまいます。ここまで丁寧にAmazonに似せておきながら、ここは直し忘れたようです。
注意点と対処法
- メールの中のボタンやリンクは押さないのが基本です。割引やお知らせが気になったら、Amazonのアプリや、ブックマークから公式サイトを開いて確認しましょう。
- Amazonは、Amazonからのメールかどうかを見分ける方法を案内しています。Amazonからのメールかどうかの見分け方(Amazonカスタマーサービス)
- 迷惑メールにある「配信停止」のリンクも、押さないでください。アドレスが使われていると相手に知らせてしまうおそれがあります。メールソフトの迷惑メール報告機能で報告して、削除しましょう。
- もし「活性化」ボタンを押してしまっても、今回の確認では、本物のAmazonのページが開きました。何も入力せず、何も買っていなければ、慌てなくて大丈夫です。開いた先でログインを求められても、そこでは入力せず、閉じて公式のアプリやサイトから開き直してください。
- 困ったときの相談先は、消費者ホットラインの「188」です。
「ありがとう」と言われて開いてしまうのは、ごく自然なことです。気づけたことが、いちばん大切です。
まとめ
「次回のお買い物への特別な感謝の贈り物」メールは、Amazonからではなく、Amazonの名前と画像を借りたメールでした。ボタンの先は、本物のAmazon内の個人の紹介ページでしたが、転送先は後から変えられます。
メールのボタンは押さず、公式のアプリやサイトから確認してください。ご家族や身近な方にも、ぜひ教えてあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
IPアドレスの調査には IP調査兵団(ip-sc.net) を参照しています。






