今回は珍しく仕事の話で恐縮です。 多分この分野の方でない方には何の事やらだと思います。 ご存知の方は少しだけお付き合いください。何を隠そう私、日々建築関係の空調衛生図面を描いております。 どんな仕事でもそうだと思いますが、様々な業務をこなすうちに色々な問題に直面し解決しながら進めていく訳です。 私のグループでは何故か給食センターなど大規模厨房を手掛けることも多く現在もとある大手電機メーカーの工場内にある食堂の図面を手掛けています。 で、厨房内は多湿であるがために空調で使われる機器類に特殊なものがあります。 そのうちの一つに天井吊型で厨房専用の空調機ってのがあるのです。 夏場空調機では除湿された水分が発生しその水分をドレンと言います。 ドレンは天井内の勾配を付けられたドレン配管を使って1本の立管に集められ最終的に下水へ放流される仕組みです。 勾配が付けられるため立管から遠ければ遠いほ高くなります。 空調機本体からは内蔵されたり別置きされたをポンプで個々にドレン配管に導きますが、当然ポンプにもドレンを持ち上げられる高さに制限がありそれ以上高い配管には接続できないことになっています。 前置きが長くなりました。 昨日、その厨房で某メーカーの厨房専用で天井露出型空調機を取付けようと作図中にふと、この空調機ってドレンポンプはどれくらいドレンを持ち上げられるんだろうと資料を調べると、空調機の下端から500mmとあり空調機の厚み(高さ)自身が280mmなので天井内へ持ち上げられる高さは220mmです。 一般的な空調機のドレンアップ高さは天井面から500~850mmなのでこの数字はかなり少ないことが分かりますよね。 先に書いたように配管には自然にドレンが排出されるよう1/100~1/50の比率で勾配が設けられています。 例えば1/100も勾配だと1m当り10mm高低差があり、1/50だとその倍で1m当り20mmとなり、立管から離れれば離れる程高低差は大きくなります。 昨日描いていた現場の場合、勾配は1/50。 立管から空調機までの距離は最遠で約12m。 12m × 20mm = 240mm 立管から配管は天井面から150mm上げた位置からスタートするのでこれに240mm足されるので合計天井面から390mmとなり完全にアウトとなるわけです。 だいたいドレンアップが天井面より220mmっては立管のスタートから最大70mmの落差しか取れないなので逆算すると空調機は立管より3.5m以内に取り付けないといけないことになります。(勾配を1/50とした場合) 街の食堂程度の厨房ならまだしもこれはナンセンスで汎用性が無いと思うのは私だけでしょうか。 結局別置きのドレンアップ高さが5.0mの物を使うことで決着しそうですがこの記事は私の備忘録としても保存しておきたいと思います。 |