セゾンカード「永久不滅ポイント お支払いキャンペーン」は詐欺!乗っ取られた実在.co.jpドメインとTencent Cloud着地の手口を解析

今回はセゾンカードを騙る詐欺メールをご紹介します。「永久不滅ポイントでお支払いに充当」という、実際にセゾンカードが提供しているサービスを巧みに模した内容でした。
ご覧の通り、このメールはセゾンカード公式を装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この解析結果を家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。
■ メール本文の再現
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
セゾンカード会員様 いつもご利用いただきありがとうございます。 ✨ ポイントでお支払い ✨ 【永久不滅ポイント】お支払金額をポイントで充当 キャンペーン期間 2026年8月20日(木)~2026年8月31日(月) お支払日 2026年9月4日(金) 口座へのご準備期日 2026年9月3日(木) ポイント交換レート 1ポイント = 5円~10円 還元率アップ 最大10倍 [ポイントでお支払いする] ※交換レートはポイント充当時にランダムで決定 ポイントの有効期限・交換条件はセゾンPortalアプリまたはNetアンサーでご確認ください。

実際に届いたメールの画面。公式メールの体裁を精巧に再現している
セゾンカードの永久不滅ポイントは、実際には通常1ポイント=1円相当で交換できるサービスです。今回のメールが提示する「1ポイント=5円~10円(最大10倍)」という交換レートは、公式の実際のサービス内容とは全くかけ離れた、非現実的な好条件です。「お得すぎる話」は、それだけで疑ってかかる十分な理由になります。
■ 送信ルート及び偽装判定:乗っ取り疑いの実在ドメイン
■ メールヘッダー解析(送信者情報)
Received-SPF解析:
Received-SPF: Permerror (SPF Permanent Error: Two or more type TXT spf records found.); client-ip=102.141.50.203; helo=robakashitsukasa.co.jp
今回、SPF認証結果は「Pass」ですらなく「Permerror」という、SPFレコードの設定自体に重大な不備がある状態でした。正規に運用されているドメインでは通常起こらないエラーです。
さらに興味深いのは、差出人ドメイン「robakashitsukasa.co.jp」が、意味の読み取れないランダムな文字列ではなく、実在の日本企業が使っていそうな体裁の.co.jpドメインだった点です。ヘッダーに記録された送信元IPアドレスはコンゴ共和国と判定される一方、このドメイン自体の現在のDNS登録情報を調べると日本国内のサーバーを指しており、両者に食い違いが見られました。これは、長期間使われていなかった実在ドメインが乗っ取られたか、あるいは何らかの形で不正に利用されている可能性を示唆しています。
■ 用語解説:ドメイン乗っ取りとは?
実在する企業や個人が過去に取得したものの、更新を忘れて失効させてしまったドメイン、あるいは管理が甘くなったドメインは、第三者に取得・悪用されることがあります。特に「.co.jp」のような日本企業向けドメインは、それだけで一定の信頼感を与えるため、詐欺グループにとって魅力的な標的です。今回のように、送信元インフラとドメインの登録情報に矛盾が見られる場合は、こうした乗っ取りや不正利用を疑う手がかりになります。
■ フィッシングサイト詳細解析
■ 誘導リンクの解析
誘導先URL(伏せ字):hxxps://partable.phshvq.cn/eD9490/index
着地先IPアドレス:43.160.253.172(Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited、AS132203、シンガポール表示)
リンクをクリックすると、ウイルスバスタークラウドが即座に「安全ではない可能性があります」という警告を表示しました。

ウイルスバスタークラウドによる警告画面。この時点でアクセスを中止するのが正解
警告を越えて先へ進むと、「読み込み中です」という表示を経て、本物のNetアンサーサイトに酷似したログイン画面が表示されます。

遷移の間に表示される「読み込み中です」の画面

最終着地点の偽ログイン画面。デザインは本物に酷似しているが、URLはセゾンカードと無関係
■ 注意点と対処法
■ こんなメールに要注意
- 公式の還元率と大きく異なる好条件は疑う:「1ポイント=5円〜10円」のような非現実的な条件は詐欺の典型的なサインです。
- メール内のリンクは絶対にクリックしない:ポイント関連の確認は、必ずご自身でセゾンPortalアプリやNetアンサー公式サイトから行ってください。
- セキュリティソフトの警告は絶対に無視しない:「安全ではない可能性があります」の警告が出た時点でアクセスを中止してください。
- 差出人アドレスのドメインが提供元と無関係でないか確認する:正規のセゾンカードからのメールは必ず公式ドメインから届きます。
セゾンカード公式でも「特別ポイント進呈」「ポイントの有効期限のお知らせ」といった偽メールへの注意喚起を出しています。あわせてご確認ください。
本レポートの結論
実在のサービス名を模倣しつつ、非現実的な好条件で期待感を煽り、乗っ取り疑いのある実在ドメインを踏み台に使う——巧妙さと粗さが同居した一件でした。身近な人が「お得な話」に飛びついてしまう前に、この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
使用配色テーマ:Forest














