【詐欺メール】「Amazonアカウントの全面機能停止」は偽物!ゼロ幅文字で解析を妨害する最新フィッシング

HEARTLAND-LAB SECURITY REPORT
「Amazonアカウントの全面機能停止」は偽物!ゼロ幅文字で解析を妨害するフィッシング
「24時間以内に本人確認を行わなければ永久凍結」と脅し、不審なリンクへ誘導するAmazon偽装メールを確認しました。メール内のボタンは押さず、Amazon公式アプリまたはブックマークから直接確認してください。
こんにちは、Heartland-Lab(ハートランド・ラボ)です。今回は「アカウント停止予告:24時間以内の本人確認が必要です」という件名で届いた、Amazonを装うフィッシングメールを解析します。
このメールは、差出人表示をAmazon.co.jp風に偽装するだけでなく、本文へゼロ幅文字やHTML文字参照を大量に混入させ、テキスト解析を妨害しています。リンク先では複数の不審ドメインが確認され、Chromeとウイルスバスターの双方が危険なサイトとして警告しました。
調査結果の概要
| 判定 | Amazonを装うアカウント停止型フィッシング |
| 危険度 | ★★★★★ |
| 件名 | アカウント停止予告:24時間以内の本人確認が必要です |
| 本文リンク | jxmaly[.]com |
| 警告画面で確認 | uiifd.sswybook[.]com |
| 最終確認URL | www.aznn.eu[.]cc |
| 最終表示 | Forbidden |
| 送信元IP | 20.222.102.6 |
| SPF / DKIM | Pass。ただしAmazonではなく不審な送信ドメインとしての認証 |
| 特徴 | ゼロ幅文字・HTML文字参照・複数ドメイン誘導 |
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
届いたAmazon偽装メール
本文では「不正アクセスの形跡を検知」「今日中に対応しなければ永久凍結」「残高・ポイントもすべて失効」といった強い表現を使い、冷静に確認する時間を与えないようにしています。

24時間以内の本人確認を迫るAmazon偽装メール
テキスト表示ではゼロ幅文字が大量に混入
テキスト表示に切り替えると、「」「」「」「」などの文字参照が単語の間へ大量に挿入されています。これらは画面上では見えない、または極めて見えにくい文字です。
人間には「Amazon」「アカウント」「本人確認」と読める一方、単純な文字列照合では語句が分断されます。迷惑メールフィルターや自動解析をすり抜ける目的で施された難読化と考えられます。

単語の間へ不可視文字の文字参照を大量挿入
重要:文字化けのように見えますが、偶然ではありません。HTML版とテキスト版の両方に同種の文字が組み込まれており、意図的な難読化の可能性が高い構造です。
表示名がAmazonでも送信経路はAmazonではない
差出人欄にはAmazon.co.jp風の表示がありますが、Return-PathとDKIM署名で使われているのは mdxzi.chinashengjiangji[.]com です。Amazonの正規ドメインとして認証されたメールではありません。
SPFとDKIMがPassでも、それは「表示された企業が正規送信した」という意味ではなく、攻撃者側が用意したドメインとサーバーの組み合わせが整合しているだけの場合があります。
送信元IPアドレスの解析
| 外部送信サーバー | 20.222.102.6 |
| ネットワーク | Microsoft Corporation / AS8075 |
| 性質 | Microsoft Azureを含む大規模クラウドネットワーク |
| 認証接続元 | 223.158.79.186 |
送信にMicrosoft系のクラウドIPが使われていても、MicrosoftやAmazonがメールを送信したことを意味しません。クラウド上に第三者が構築したメールサーバーが悪用された、または攻撃用に用意された可能性があります。
また、ヘッダーには認証済み接続元として223.158.79.186が記録されています。ただし、IP位置情報はデータベースごとに差があるため、記事では都市単位まで断定せず、送信経路の一部として扱います。

20.222.102.6がMicrosoft AS8075の範囲にあることを確認
リンク先ドメインの解析
| jxmaly[.]com | メール本文の「今すぐ本人確認を行う」に設定された最初のリンク |
| uiifd.sswybook[.]com | ウイルスバスターの警告画面で検出されたURL |
| www.aznn.eu[.]cc | 調査時に最終到達先として確認。表示はForbidden |
ひとつのドメインで完結せず、役割の異なる複数ドメインへ遷移しています。最初の入口を停止されても別のドメインへ切り替えやすく、解析や遮断を難しくする構成です。
最終ページがForbiddenだったことだけでサイトが消滅したとは判断できません。アクセス元、端末、ブラウザ、時刻、参照元などの条件によって表示を切り替えるクローキング、または調査時点で配信を停止していた可能性があります。
セキュリティソフトとChromeが危険判定
ウイルスバスターは接続先をフィッシングとして遮断し、Chromeも「危険なサイト」と警告しました。このような警告が出た場合は、詳細表示や例外登録をせず、そのままページを閉じてください。

uiifd.sswybook.comをフィッシングとして検出

PC版Chromeのセーフブラウジング警告
中間画面とForbidden表示
途中では「接続環境を確認しております」「画面をタップまたはクリックしてください」という中間画面も確認されました。利用者の操作を要求し、次段階へ進ませるためのゲート画面と考えられます。

クリックやタップを要求する中間ページ

調査時の最終到達先はアクセス拒否表示
このメールを受け取ったときの対処
- メール内の「本人確認」リンクを押さない
- Amazon公式アプリまたは自分のブックマークからアカウント状況を確認する
- ブラウザやセキュリティソフトの警告を無視しない
- メールへ返信せず、迷惑メールとして削除する
- 社内端末の場合は管理者へ報告する
情報を入力してしまった場合
- Amazon公式サイトからパスワードを直ちに変更する
- 同じパスワードを使用している他サービスも変更する
- 注文履歴、支払い方法、配送先、ギフトカード残高を確認する
- カード情報を入力した場合はカード会社へ連絡する
- 不審なアプリを入れた場合は端末をネットワークから切り離して検査する
まとめ
今回のメールは、Amazonアカウントの全面停止を装って24時間以内の操作を迫り、ゼロ幅文字で本文を難読化したフィッシングです。SPFやDKIMがPassでもAmazonの正規メールとは限らず、表示名ではなく認証ドメインと実際のリンク先を確認する必要があります。
この記事は、2026年7月31日に確認したメール、メールヘッダー、PC・スマートフォンでの接続結果をもとに作成しています。詐欺サイトは短期間でURL、IPアドレス、表示内容を変更することがあります。IP位置情報は概算であり、送信者本人の所在地を示すものではありません。
















