【注意】eLTAXを騙る「住民税未納」督促メールに注意!深夜に連投されるスパムの正体

【調査報告】最新の詐欺メール解析レポート

解析対象:eLTAX(地方税共同機構)を騙る住民税督促フィッシング

最近のスパム動向

今回ご紹介するのは「eLTAX」を騙るメールですが、その前に最近のスパムの動向を解説します。2026年3月現在、確定申告の修正申告期間や新年度の住民税決定時期を前に、**「未納」「差し押さえ」「最終催告」**といった言葉で心理的負荷をかける攻撃が急増しています。特に本事例のように、短期間に件名を変えて連投する手法は、受信者の「どれか一つは本物かもしれない」という迷いを突く悪質なものです。

受信メール一覧(検知ログ)

ステータス 件名 送信者 受信日時
[spam] 住民税の納付に関するご連絡【早期納付のお願い】 eLTAX 01:11:06
[spam] 地方税(住民税)納付のご案内【お支払い期限にご注意ください】 eLTAX 00:00:02
[spam] 地方税(住民税)納付のご案内【至急のお手続きが必要です】 eLTAX 26/03/16
[spam] 住民税納付のお願い【本メール到着後お早めに】 eLTAX 26/03/16

メールヘッダー及び送信者解析

送信者表記 “eLTAX” <nagayamasaga@whale.izafxaq.cn>
送信者の正体 送信元アドレスに注目してください。`nagayamasaga`という個人名のような文字列と、中国ドメインである`.cn`が使用されています。eLTAXの正規ドメイン(lta.go.jp)とは一切関係がありません。

メール本文の再現(解析注釈付)

※できる限り忠実に再現していますが、本物の詐欺メールとデザインが異なる場合もあります。

@ ●●● 様

いつもお世話になっております。

2025年分の地方税(住民税)につきましても、
納付期限を過ぎてもなお、未納の状態となっております。


【対象税目】 地方税(住民税)
【対象年度】 令和7年度
【未納税額】 1980円
【納付方法】 納付書または ELTax による電子納付

──────このまま未納の状態が続きますと、
延滞金の発生や、今後の督促手続きの対象となる場合がございます。

地方税(住民税)で今すぐ納付する

すでに納付手続き中の場合や、ご入金の行き違いの際は、
本メールは破棄いただければ幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

メールの目的及び専門的考察

犯人の目的: 受信者を偽の決済サイトへ誘導し、クレジットカード情報(番号、有効期限、セキュリティコード)を盗み取ることです。金額が「1,980円」と非常に具体的な少額に設定されているのは、被害者に「これくらいならすぐ払って解決しよう」という心理的ハードルを下げる意図があります。

異常な点への言及: 本メールには公式な署名、問い合わせ先の住所、電話番号が一切記載されていません。署名も無く文字ばかりで、公的機関の通知としては極めて不自然です。また、特定の個人名を伏せている一方で「@ ●●● 様」という機械的な差し込みを行っている点も、名簿データを流用した典型的なスパムの手口です。

メール送信元(Received)の回線解析

解析データ from whale.izafxaq.cn (unknown [65.183.6.218])
送信IPアドレス 65.183.6.218 (※信頼できる送信者情報です)
ホスティング bc.googleusercontent.com (Google Cloud 経由)
国名 United States (米国)
ドメイン情報 whale.izafxaq.cn (中国ドメインを隠れ蓑にした米国サーバーからの発信)

≫ 送信元の回線関連情報を ip-sc.net で確認

リンク先サイトの挙動と危険性

誘導URL https://jpmqsk.●●●/hds3.●●● (伏字を含むため安全です)
セキュリティ判定 ウイルスバスター等のセキュリティソフトにて「危険」としてブロック済み。
現状のステータス 稼働中(リダイレクト状態)
アクセスするとYahoo! JAPANの公式サイト(yahoo.co.jp)に強制転送されます。これは、分析ツールや通報からの回避を目的とした「クローキング」と呼ばれる手法、あるいは攻撃の第一段階(メールアドレスの生存確認)を終えた後の撤収作業である可能性が高いです。

リンク先ドメイン(jpmqsk.cn)の技術情報

IPアドレス 156.236.78.243 (調査時点)
ホスティング Hong Kong Bridge Info Tech (香港のプロバイダー)
国名 Hong Kong (香港)
ドメイン登録日 2026-03-15 (攻撃開始のわずか2日前。詐欺専用に取得された極めて新鮮なドメインです)

≫ サイト回線関連情報を ip-sc.net で確認

詐欺サイトの現在の様子(偽装画面)

リンクをクリックした際、現在は以下のYahoo! JAPANの画面が表示されます。本物のサイトに見えますが、入口は詐欺メールであることを忘れないでください。

まとめ・推奨される対応

過去事例との比較: 以前のeLTAX詐欺では直接フィッシングページ(カード入力画面)を表示していましたが、今回の事例では**「Yahoo!への転送」**を挟むことで、ユーザーに「あ、間違いだったのかな?」と思わせつつ、裏で何らかのトラッキングを行っている可能性があります。非常に巧妙です。

対処法:

  • このメールは即刻削除してください。
  • 公的機関が`.cn`ドメインやフリーメールで連絡してくることはありません。
  • 督促状は必ず「郵便」で届きます。メールで支払いを急かすことはありません。

eLTAXの公式サイトでも、不審なメールに対する注意喚起が重ねて行われています。

≫ 地方税共同機構:eLTAXを装った不審なメールにご注意ください


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