『詐欺メール』『ドコモの利用料金のお支払い方法』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


本日のトレンド

昨夜一晩で一番多く届けられた怪しいメールをピックアップする『本日のトレンド』
今日はこのメールが選ばれました!

件名は『税務署からのお知らせ【還付金の処理状況に関するお知らせ】』
送信者は『"e-Tax(国税電子申告.納税システム)" <information-nat-net@lexmy.cn>』
全く同じ件名と送信者で一晩に合計35通届いていました。

これは税務署を騙る悪質な詐欺メールで、e-Tax(電子納税システム)の個人アカウント所持が全員に義務付られているとしてリンクに誘い込み、アカウント登録を偽って個人情報とクレジットカードの情報を盗み出そうとしてきます。
これらのメールは以前からと口説き送られてきていて、うちのサイトでも2023年11月から同様のメールを何度かご紹介していますので詳しくはそちらをご覧ください。


前書き

さて、話は変わって今回は、『NTTドコモ』に成り済ます怪しいメールのご紹介となります。
『NTT Docomo お支払いリマインダー』と大きく書かれたこのメールですが、今回ご紹介する件名とは別に『ドコモの利用料金のお支払い方法』という件名でも全く同じ内容の物が確認されていますので併せてご注意ください。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] ドコモの利用料金のお支払い方法
送信者: “NTT Docomo" <no-reply-ZMGH@ar.em-net.ne.jp>


配信停止 | 配信先の変更

NTT Docomo お支払いリマインダー

ご利用料金のお支払い確認のお願い

平素よりNTT Docomoをご利用いただき、深く感謝申し上げます。

お客様の2025年5月料金が未納です。早急にお手続きをご確認のうえ対応ください。

お支払い期限はご請求書に記載の期日までです。

ご請求内容を確認する

本件につきましてご対応が遅れますと、サービス停止や遅延損害金の発生などの可能性がございますので、
誠に恐れ入りますが、何卒お早めにご確認いただきますようお願い申し上げます。

お問い合わせ先

カスタマーサポート:0120-123-456、対応時間:8:00~21:00(年中無休)

本メールへの返信は受け付けておりません。、ご返信いただいても対応いたしかねます。

NTT Docomo Inc. © 2025. All rights reserved.

ホームページ | お問い合わせ | 個人情報保護方針


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



これは、NTTドコモに未払いの利用料金があるという通知メールです。

はい、もう一目でわかりますね。
そう、冒頭から『配信停止 | 配信先の変更』が書かれているメールにロクなものはありません。
よく考えてみてください。
このような未納料金の督促のようなメールに冒頭から『配信停止 | 配信先の変更』と書かれていたらおかしすぎますもんね!

リンクから利用料金を払わせるふりをしてクレジットカード情報を盗み出す。
そんな子供でも分かりそうな手口を使って詐欺を行おうとしていますね。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『ar.em-net.ne.jp』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。

もうお分かりですよね?
そうです、NTTドコモが利用するメールアドレスのドメインは『docomo.ne.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from bb.uu (unknown [45.13.214.227])


ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません

では、試しにドメイン『ar.em-net.ne.jp』に関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

このドメインは、マンション専門のインターネット接続サービス『つなぐネットコミュニケーションズ』さんの持ち物のようです。
もちろんこれは偽装に使われただけで『つなぐネットコミュニケーションズ』さんがこのメールを送っているわけじゃありませんよ!
それに『対応するIPアドレスがありません』とありIPアドレスに割り当てられていない現在は使うことができないものです。
確認のために『aWebAnalysis』さんででも確認してみましたが同様の結果でした。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレス『45.13.214.227』からメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、米国のダラス付近です。


宛名を確認

このような大切な料金督促メールの冒頭には通常『◎◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にNTTドコモからだとすれば、ユーザーの氏名や企業名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『ご請求内容を確認する』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://servies.domoko-c.cfd/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

これまたNTTドコモのドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

個人情報筒抜けかと思いきや、郵便番号も住所もメチャメチャなので信用できません。

割当てているIPアドレスは『104.21.96.1』
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。

リンクを辿ってみると、一旦は GoogleChrome とウイルスバスターにダブルブロックされましたので相当危険なようです。
解除して進むとこのようなページが開きました。

先へ進むには認証が必要なようです。
でも、直接認証ページを出せばいいのになぜ一旦このようなページを表示させているのか、、、よくわかりませんね。

そう思いながらボタンを押してみるとこのようなページが開きました。

訳すと『申し訳ございませんが、リクエストがタイムアウトしました。もう一度お試しいただくか、インターネット接続をご確認ください。ご不明な点がございましたら、サポートまでお問い合わせください。』と書かれているようです。
一瞬で開くのでタイムアウトしているとは考えられません。
恐らくこの表示は、サイト運営者ではなくサーバー管理者側のレンタルサーバーが出していて、危険を察知して接続を遮断したものではないかと考えられます。
これでこのURLから被害に逢うことはなさそうですが、奴らも詐欺師、URLを変えてまた別のサイトに接続するメールを作成するに違いありません。


まとめ

NTTドコモが、自社のものではない『つなぐネットコミュニケーションズ』のドメインを使ったメールアドレスで、米国のダラス付近からユーザーにメールを送り、カナダのトロント市庁舎付近に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;