『詐欺メール』野村證券から『【制度処理通知】本人情報の確認未実施に伴う、機能剥奪・資産凍結のお知らせ』と、来た件

★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、証券会社に成り済ます悪質なメールが大量発生中、資産運用されている方はご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
本日のトレンドも昨日に引き続きこの『【重要】ご本人確認未完了による口座制限のお知らせ(対応期限:5月10日)』と言う件名のメールで、一晩に26通。
最初に受信した4月29日からの合計でちょうど80通、全く投資に興味がない私宛に全く同じ件名で全く同じ本文内容のものが送られ続けています。
まあそのうち終息して他のメールに入れ替わると思うのでそれまでの辛抱ですね。
さて今回は、同様に『野村證券』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 【制度処理通知】本人情報の確認未実施に伴う、機能剥奪・資産凍結のお知らせ
送信者: “野村證券 管理強化通知" <alert@system-nomura.co.jp>
NOMURA
WEALTH MANAGEMENT
現在、弊社の監視システムにおいて、お客様の口座に対する異常な接続試行および第三者アクセスの疑いが複数検出されています。
このため、リスク対象アカウントとして内部処理フラグが付与されております。
2025年5月1日(木)時点で、以下の状況が確認されています:
- 通常と異なる地域・端末からの複数ログイン試行
- 登録メールアドレスと異なる通知先の指定
- 取引履歴に不審な高頻度アクセス
上記の状況を放置した場合、弊社は当該アカウントを「ハイリスク管理対象」とし、
関連ログを証券取引監視機関(日本証券業協会等)に提出する可能性があります。
現時点では、限定的な機能制限措置のみに留めておりますが、
2025年5月8日(木)23:59 までにご本人による認証確認が得られない場合、以下の対応が即時実行されます。
・アカウントに対する全機能の即時剥奪(復旧不可)
・資産の利用制限および出金凍結(法的確認完了まで)
・本人出頭および文書確認完了まで全アクセスを遮断
下記の公式確認ページより、早急に本人確認を完了してください。
本人確認を今すぐ行う →
※ 本通知は「セキュリティ監視対象フラグ」が付与された顧客アカウントに対して、自動的に発行されています。
※ 期日までに認証が確認できない場合、復旧・異議申請・救済措置は一切行われません。
野村證券株式会社 セキュリティ統制部門
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
なんでも私の口座に対する異常な接続試行および第三者アクセスの疑いが複数検出されたとの事で、リスク対象アカウントとしてフラグが立てられているそうで、更に関連ログを証券取引監視機関(日本証券業協会等)に提出する可能性があるとも書かれていてかなりヤバそうな事態であるようです。
でも、投資関係に全く興味の無い私は、どの証券会社にも口座なんて開設していませんから、このようなメールを何通送られてこようが痛くも痒くもありません。😊
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『system-nomura.co.jp』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
残念ですね、野村證券が利用するメールアドレスのドメインは『nomura.co.jp』で『system-』は付いていません。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from service1275.com (mail.fuipyzy.com [180.178.37.26])
本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なる『』なんてドメインが記載されていますね。
これはどのような意味があるのでしょうか?
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
では、試しにドメイン『system-nomura.co.jp』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『Grupo』さんで取得したこのドメインに関する情報です。
『No match!!』と書かれているので、このドメインはデーターベース内に存在しないことを示しています。
ということは、このドメインはまだ誰にも取得されていない空きドメインです。
空きドメインんでメールの受送信は不可能ですから、送信者のメールアドレスは偽装で確定です。
では次にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
このドメインは存在するもののReceivedフィールドのIPとは異なるので、これも偽装です。
更に『mail.fuipyzy.com』についても同様に『Grupo』さんで情報を取得してみます。
今度は割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、このドメインが送信者本当のメールアドレスのドメインです。
そしてこの情報が正しければ、このドメインの取得者は、中国の方です。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近です。
最近この香港辺りは、怪しいメール発信地のトレンドです。
宛名を確認
このような口座の不正アクセスに関わる大切なメールの冒頭には、通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に野村證券からだとすれば、ユーザーの氏名やハンドル名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の『本人確認を今すぐ行う →』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://nomura-support.vip65114.com/page/?ref=no&ts=17460631…..】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた野村證券のドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は国内のようです。
割当てているIPアドレスは『104.21.64.1』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。
リンクを辿ってみると、一旦はGoogle Chromeにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。
『続ける』と書かれたボタンを押してみると更に『Cloudflare』からもブロックされてしまいました。
危険を承知でブロックを解除して進んでみると開いたのは『404 Error: Page not found』とだけ書かれた真っ白なページ。
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思いますが、セキュリティブロックされたことが、ここには以前危険なサイトが存在していたことを物語っていますね。
まとめ
野村證券が、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで香港からユーザーにメールを送り、カナダのトロント市庁舎付近に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;