来月はどうなるのでしょうね(笑) 相変わらずまだまだ送られてくるマイナンバーカード第2弾をネタにした詐欺メール。 今日も件名を変えながら届き続けています。  実際には先月末で終了したこのキャンペーン。 今回のメールでは締め切りが10月末と書いてあります。 先日は10月20日と書いてありましたね。 さて、来月になったらどうなるのでしょうね?(笑) では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] マイナポイント第2弾 – 申請手続きのご案内』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”マイナポイント事務局” <amz@jiyangshequ.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 『マイナポイント事務局』は総務省が行っているキャンペーンなのでメールが送られてくるとすれば 総務省からになります。 総務省は国の行政機関なので使うことのできるドメインは”go.jp”で間違っても”.com“ドメインで 送られてくることなんて絶対にありません! アメリカワシントンに設置のサーバーより では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 Received:『from mail2.jiyangshequ.com (unknown [68.170.2.115])』 | ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 では、”Received”にあったドメイン”mail2.jiyangshequ.com”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。  これがドメイン”mail2.jiyangshequ.com”の登録情報です。 これによると”68.170.2.115”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 もちろん総務省からのメールではありませんが”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なのでこの メールアドレスは差出人ご本人さんのもので間違いなさそうです。 ”Received”に記載されている末尾の”68.170.2.115”は、そのサーバーのIPアドレスになり これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。  送信に利用されたのは、『Baxet Group Inc』と言うプロバイダーです。 位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを ご承知いただいた上でご覧ください。 代表地点としてピンが立てられたのは、アメリカワシントンの『ウッドベリー(Woodbury)』付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 国民に対して『お客様へ、いつものご支援に感謝申し上げます!』って では引き続き本文。 お客様へ、いつものご支援に感謝申し上げます! さて、「マイナポイント事業」について詳しくご説明いたしましょう。 「マイナポイント第2弾」は、20,000円相当のマイナポイントを提供しています。 QRコード決済や電子マネーなどのキャッシュレス決済サービスで利用できるマイナポイント このプログラムは、マイナンバーカードの利用普及と消費促進を目指しています。 (1人2万円分)を付与する事業です。 ★ポイントをもらえますか? はい、初回イベントに参加してポイントを獲得しても、 ただし、今回もイベントにご参加いただけます。 この活動は2023年10月末まで続きます。お早めのお手続きをお願いします。 ———————————————————————- マイナポイントの申請手続き 以下の手順に従って、約1分で申請を完了させることができます。 ———————————————————————- ★STEP1 専用の申請サイトにアクセスし、必要な情報を入力 ★STEP2 マイナポイントの申込みをしよう ★STEP3 20,000円分 マイナポイントを取得して使おう! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 以下のボタンから申請を開始してください! 申請をはじめる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ なお、本メールの送信アドレスは「送信専用」ですので、 返信してお問い合わせいただくことはできません。 © マイナポイント第2弾 | 国民に対して『お客様へ、いつものご支援に感謝申し上げます!』ってのもおかしなものですね。(笑) このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『申請をはじめる』って書かれたところに付けられていて、 そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での 危険度評価がこちらです。  既にしっかりブラックリストに登録済みですね。 リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。 このURLで使われているドメインは”scgyjowlbe.com” このドメインにまつわる情報を取得してみます。  群馬県で管理されているこのドメインを割当てているIPアドレスは”121.127.241.116” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。  利用されているホスティングサービスは、シンガポールの『BGP Consultancy Pte Ltd』 こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で ご覧ください。 今度ピンが立てられたのは、香港の『九龍城区』付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 リンク先へ行ってみましたが『Forbidden』と書かれたエラーページが表示されました。  これは閲覧する権利が無い時に表示されるエラーで、恐らくプロバイダーなどのサーバー管理者が 危険を察知して接続できないように遮断したのでしょう。 おまけ ここでおまけです。 これは先ほどのメールの表示をHTMLからテキスト表示に切り替えた際に表示された意味不明な文字。  HTML表示ではメールは『© マイナポイント第2弾』で終わっていましたが、テキスト表示に切り替えると 『“oaicite:{“number”:2,”invalid_reason”:”Malformed citation 【Vプリカ】”}“セブン‐イレブン・ローソン限定キャンペーン!』 なんて文字が表示されました。 これは何を意味するのか私にはわかりませんが、ワードサラダ等の意味があって書いてあるものではないかと 思います。 まとめ 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |