クネクネフォントのメール このところ本当にauを騙るものが急増していますね。 またまた、auかんたん決済を騙るフィッシング詐欺メールです。  なんだか、気色の悪いクネクネしたフォントで書かれていいますね。 背筋がゾクゾクしてきます…(;^_^A では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] 【au ID】auかんたん決済のお知らせ、情報を更新してください。メール番号:M16239」 メール番号は、このメールに信憑性を持たせるため付けられた適当な連番。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「”auto” <gcq@service.nf4ph.cn>」 「au」さんには、れっきとした”au.com”ってドメインをお持ちです。 それなのにこのような”nf4ph.cn”なんて中国のトップレベルドメインを使った メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて言語道断です! 皆さんは、ここに気づいてください! カナダのハミルトンから発信 では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<gcq@service.nf4ph.cn>」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<20220411162956170425@service.nf4ph.cn>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from service.nf4ph.cn (service.nf4ph.cn [192.210.226.203])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 | まずは、”service.nf4ph.cn”について情報を取得してみます。 このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら 差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり 処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金 さて、どう出るのでしょうか?  ”192.210.226.203”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 ”Received”に書かれているのも”192.210.226.203”ですから全く同じ。 この結果から、差出人は自身のメールアドレスを偽装することなく送ってきたことになります。 ”Received”のIPアドレス”192.210.226.203”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  ピンが立てられたのは、カナダのハミルトン付近。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーから送られてきたようです。 リダイレクトされ別サイトに誘導される では引き続き本文。 auのお客様: お客様のアカウントに異常検出しました。 大変お手数ですが、24時間内にアカウントを登録内容を確認する必要があります。 但しこの時間過ぎても確認取れない場合にはアカウントを一時停止させて頂くことが ありますので、アカウントのご利用更新にご協力をお願い致します。御了承ください。 | 宛名が「auのお客様」って、あり得ませんよね。 それに文末に「御了承ください」ってのも変な感じです。 このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは「アカウントのご利用確認のお知らせについてはこちら」って書かれたところに 張られていて、リンク先のURLがこちらです。  auの偽サイトのドメインは、”.dav”が多い気がしますが勘違いでしょうか。 でもこのアドレスは偽装。 詐欺サイトによくある手口のリダイレクトが使われてて、実際に接続されるURLがこちら。  このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。  ああ、安全? そんなはずありません。 このサイトは間違いなく詐欺サイト、急いで評価内容変更のリクエストを送信しておきました。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”auto-tname.ddns.net” ”ddns.net”ってアメリカの無料で使えるドメインを貸し出しているNo-IPさんのドメイン。 この詐欺し、無料ドメインでフィッシング詐欺サイト開いていますね! 持ち主を調べてもNo-IPと出るだけだから調べても仕方ありません。 このドメインを割当てているIPアドレスを確認してみます。  割り出されたのは”34.146.212.186” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  ピンが立てられのは、なんと国内。 その場所は「東京都杉並区和泉」付近。 安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。 無料で利用できるドメインで運営されていた詐欺サイトは、もちろんauの偽サイト。  絶対にログインしたりしないでください。 まとめ 中国のドメインを利用したメールはカナダのハミルトンから送られ、リンク先の詐欺サイトは、 無料のドメインを利用した国内設置のウェブサーバーで運用されていました。 沢山のフィッシング詐欺メールを見てくるといろいろな組み合わせが有るものです。 とにかく、auの詐欺メールが大量に流れているようなので、皆さんも十分にお気を付けください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |