モバイルsuicaって利用を中止してたの?
相変わらず、えきねっと、au、amazonの詐欺メールで埋め尽くされている受信箱。
今朝もわんさかと届いています。(;^_^A
その中から今回はこちらのメール。
「モバイルsuica」に成りすましたフィッシング詐欺メールです。
書かれているのは、6か月以上利用確認ができないアカウントは自動解約になると、えきねっと
を騙ったフィッシング詐欺メールと同じような内容です。
「自動的になります。」
「登録済み。」
「メンバーシップを解約することにしました。」
えっ???
「2022年3月16日にサービスを再開」と書いてありますが、モバイルsuicaって利用を中止して
いたのでしょうか?
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【重要】 Suicaアカウントの自動引き出し処理について」
少し本文とニュアンスが違い、件名では「自動引き出し」についての言及ですね。
件名と本文の乖離は、詐欺メールではよくあること。
ご覧の通り、この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"モバイルsuica" <noreply@mobilesuica.com>」
”mobilesuica.com”は確かに「モバイルsuica」のドメインですが、件名の”[spam]”を
見せられた後では全く信じられませんね。
その辺りを含め、次の項で見ていくことにしましょう。
今を時めく”モスクワ”からのメール
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<noreply@mobilesuica.com>」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「<20220408163926444556@mobilesuica.com>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from noreply0.mobilesuica.com (unknown [45.130.145.70])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まずは、”mobilesuica.com”について情報を取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら
差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり
処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
さて、どう出るのでしょうか?
”157.72.65.130”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”に書かれているのが”45.130.145.70”ですから全く異なるので、この方はやはり
アドレス偽装。
しっかり罪を償っていただきましょう!
”Received”のIPアドレス”45.130.145.70”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
おっと! なんとピンが立てられたのは、何かと現在のトレンドワードである「ロシア」の
モスクワ辺り。
この「モバイルsuica」を騙るメールは、モスクワにあるメールサーバーが発信元だったん
ですね。
読んでみたらちゃらんぽらんだった
では引き続き本文。
「Suica」は2022年3月16日にサービスを再開しました。
同時に、「Suica」の利用規約・会員資格が変更になり、前回のログイン日から
6ヶ月以上「Suica」の利用(ログイン)が確認できない「Suica」アカウントは
自動的になります。
登録済み。
メンバーシップを解約することにしました。
また、本契約に基づき、2022年4月10日より対象口座の自動引き出し手続きを
順次実施します。
6ヶ月以上ログインしておらず、「Suica」を使い続けたい場合は、
2022年4月10日までに一度ログインしてください |
なになに?「「Suica」アカウントは自動的になります。」
自動的に何になるの?
で、そのあと立て続けに
「自動的になります。」
「登録済み。」
「メンバーシップを解約することにしました。」
もうさっぱり何の事か分かりませんよ。(;’∀’)モスコシニホンゴベンキョウシテ
滅茶苦茶な日本語でもこのメールはフィッシング詐欺メールなので、詐欺サイトへの
リンクがしっかりと付けられています。
そのリンクは「⇒ログインはこちら」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
このように既に危険サイトと認識されており、カテゴリは「フィッシング」と書かれています。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”www2.mobilesuica.com.i0tq7t10.cn”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
持ち主は、私には読めない文字を含む漢字3文字の氏名の方。
ドメインの管理は、中国IT企業のアリババに委託されていますから、この方はどこの方かは
おおよそ想像つきますよね。
このドメインを割当てているIPアドレスは”107.175.95.165”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、ニューヨーク州バッファロー付近。
ということは、リンク先の詐欺サイトはこの付近に設置されたウェブサーバー内で
構築されていると言うこと。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
開いたのは当然「モバイルsuica」のコピーサイト。
絶対にログインしたりしないでくださいよ!
まとめ
メールサーバーの位置がモスクワってのには少々驚きました。
大半は中国なんですけどね、こちらの世界でも両国は手を組んでいるのでしょうか?(汗)
それにしてもメチャメチャな本文でしたね。
もしかしてまさか本気でこれで騙すつもりでいるのでしょうか?(笑)
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |