どっちが正解?
さあ、901本目の詐欺メール紹介。
気を引き染めてまいりましょう!(笑)
トンチンカンなフィッシング詐欺メールが届きました。
これは、DCカードが差出したのか、それとも三菱UFJ銀行が差し出したのか
果たしてどちらなのでしょうか?(笑)
では、このメールもプロパティーから見ていきます。
件名は
「[spam] 「三菱UFJニコス」のセキュリティアップデートに関するお願い」
ここには「三菱UFJニコス」とはっきり書いてありますね。
どっちにしても、この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「DCカード <info@cr.mufg.jp>」
で、こっちには「DCカード」と書いてあるにもかかわらず使われているドメインは
”mufg.jp”と三菱UFJ銀行の物。
もうこの時点で不信感しかありません…(^^;
さくらインターネットユーザーの仕業
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<info@cr.mufg.jp>」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
|
Message-ID:「<20220402214221545813@cr.mufg.jp>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
|
Received:「from contact0.eki-net.com (tk2-216-17741.vs.sakura.ne.jp [160.16.80.245])」
はい、出ました「さくらインターネット」(^^;
この差出人は、よく見かけるさくらインターネットユーザーです。
懲りずにまだフィッシング詐欺メールやっているんですね。
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
|
まずは、”cr.mufg.jp”について情報を取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら
差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり
処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
さて、どう出るのでしょうか? って結果は見えていますけどね…(笑)
”13.224.141.117”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”に書かれているのが”160.16.80.245”ですから全く異なるので、この方はやはり
アドレス偽装。
しっかり罪を償っていただきましょう!
”Received”のIPアドレス”13.224.141.117”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられたのは、千代田区九段付近。
それにこの差出院が利用したサーバーは「Amazon Technologies」の物のようです。
リンクはしれっと偽装
では引き続き本文。
日頃よりDCカードのクレジットカードをご愛顧賜り誠にありがとうございます。
DCカードでは、会員皆さまのカードご利用内容について
当社の最近のシステムアップグレードにより、
当社で予約した情報が間違っています(住所または電話番号が間違っています)。
最寄りのカウンターまたは当社のネットワークカード会員サービスを通じて
確認および変更してください。
▼ DCカード WEBサービスログイン ▼
ttps://www.cr.mufg.jp/dc/index.html
なお、ご契約のカードは、第三者による不正使用の可能性が高いため、
既にカードのご利用を一旦停止する対応をとらせていただいております。
ご不便とご心配をお掛けしますが、何とぞご理解をいただきますよう
お願い申し上げます。 |
(直リンク防止のためURLの”h"はあえて削除してあります)
最初の方には、予約した情報が間違っているから変更しろと書いてあるのに、リンク記載の
後ろでは第三者不正利用の疑いと書かれています。
差出人の件といい、もう滅茶苦茶なメールですね。(^^;
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは、本文の中ほどに直書きされていますが、これは真っ赤なウソで、偽装工作が
施されています。
本当のリンク先URLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
このように既に危険サイトと認識されており、カテゴリは「フィッシング」と書かれています。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”cr.mufg.dc.mezcs.icu”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
いつものところではエラーになって情報が取得できなかったので、今回は別サイトで。
でも、ここでも大した情報を得ることができませんでした。
分かったのは、取得したてのドメインだってことと、持ち主は、北カリフォルニアの方
ってことくらい。
このドメインを割当てているIPアドレスは”23.94.159.201”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、カナダのハミルトン付近。
そして、ここでもこのIPアドレスの脅威レベルは「高」とされており、その種類はWebによる
サイバーアタックの攻撃元と書かれています。
良くないことに使われていることが分かりますね。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
何とも驚くことに、ログインさせることもなく初っ端からカード情報の入力を求められて
しまいました。(;’∀’)
さすがフィッシング詐欺サイト、順番のあったものじゃありませんね。(笑)
こんなバカげたサイト絶対に行かないでくださいね!
まとめ
最初から最後までお粗末なフィッシング詐欺犯でしたね。
こんなメールに誰一人騙されないとは思いますが、一応…(^^ゞ
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |