またしても中国ドメイン
今朝、第一発目はこちらの「ライフカード」に成りすましたフィッシング詐欺メール。
ポイントは、「第三者不正利用」と「不正利用監視システム」の2つ。
これが書かれているとフィッシング詐欺メールです。
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【ライフカード】ご利用確認」
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「info@lrn7ufsh5j.cn」
「ライフカード」さんには、れっきとした”lifecard.co.jp”ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような”lrn7ufsh5j.cn”なんて中国のトップレベルドメインを使った
メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて言語道断です!
皆さんは、まずここに気づいてください!
使われてないドメインのメールアドレスから?
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<info@lrn7ufsh5j.cn>」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「<202204020529082724560@lrn7ufsh5j.cn>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from sfwcj (unknown [113.110.153.67])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まずは、”lrn7ufsh5j.cn”について情報を取得してみます。
あらら、このドメインは現在使われていないかも知れませんね。
使われていないドメインでメールを送ることはできないので、このメールアドレスは偽装の
可能性が高いことになります。
そうするとこのメールの差出人は、特定電子メール法違反となり
処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
”Received”のIPアドレス”113.110.153.67”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられたのは、中国広東省広州市付近の山の奥地。
この辺りにあるメールサーバーを介してこのメールが送られてきたようです。
「mosthacker.com」って訳すと…
では引き続き本文。
いつもライフカードをご利用いただきありがとうございます。
昨今の第三者不正利用の急増に伴い、弊社では「不正利用監視システム」を導入し、
24時間365日体制でカードのご利用に対するモニタリングを行っております。
あなたのIDとパスワードで第三者がログインした形跡が見つかったため
ログイン一時停止を行いました。ログインするにはパスワードの再設定を行って下さい
つきましては、以下へアクセスの上、カードのご利用確認にご協力をお願い致します。
ご回答をいただけない場合、カードのご利用制限が継続されることもございますので、
予めご了承下さい。 |
「第三者不正利用の急増に伴い、弊社では「不正利用監視システム」を導入ってのは
フィッシング詐欺メールを見破るキーワード! 覚えておいてくださいね!!
これを理由にログインが一時停止されていると記載され、それを解除するためには、
リンクからパスワードの再設定をしろと。
でもログインが停止されているのにどうやってパスワードの再設定を行うのでしょう?
ま、そんな理不尽なところがフィッシング詐欺メールです。(笑)
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクはメールに直書きされていて、リンク先のURLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「セーフウェブレポート」で確認してみます。
「注意」と書かれていてあまり危険なサイトとしての認識は無いようです。
あまりにも危険なので早速異議を書いて送っておきました。
このURLで使われているドメインは”mosthacker.com”
モストハッカー?? 訳すと「たくさんのハッカー」って意味じゃない?!…ヤバッ(汗)
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
殆どがプライバシー保護でマスクされて、取得できたのは持ち主が中国広東省の方って
ことくらいです。
このドメインを割当てているIPアドレスは”173.82.130.199”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、ロサンゼルス近郊のサンタクラリタ付近。
この地で運営されているサーバー内にあるフィッシング詐欺サイトへ、安全な方法を使い
接続してみました。
ウイルスバスターに遮断されることなくすんなりと開いたのは、会員専用Webサービス
「LIFE-Web Desk」の偽サイト。
絶対にログインしたりしないでください。
まとめ
現在のフィッシング詐欺メールのトレンドは「第三者不正利用」と「不正利用監視システム」
忘れないように覚えておいてください!
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |