もちろん、アドレスは偽装今度は「アメリカン・エキスプレス」さんに成りすました新種のフィッシング詐欺メールが 届きましたので早速ご紹介を。 では、メールのプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] カードの不正使用防止ご協力のお願い」 一目で不正使用防止を呼び掛ける内容であることが分かりますね。 でも、このメールには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「アメリカン・エキスプレス <mbv@campaign-vps.com>」 残念ながらアメリカンエキスプレスさんの正規ドメインは”americanexpress.com”で ”campaign-vps.com”なんてものではありません。 それにこのメールアドレスだって本当かどうか… それが証拠に、ほらね。 IPに割当てられていないので、現在このドメインを使ったメールドレスでメールを送ることは できません。
差出人は「さくらインターネット」ユーザーでは、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<mbv@campaign-vps.com>」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<9C27C6D032C4ECF58A47104900AFE6E3@campaign-vps.com>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from campaign-vps.com (unknown [153.120.18.33])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
では、この”Received”にあったIPアドレス”153.120.18.33”を使ってそのサーバーの情報を 拾ってみます。 この結果から、この差出人はどうやら「さくらインターネット」さんのユーザーです。 IPアドレスの所在地は、当然さくらインターネットのある大阪市北区。 「さくらインターネット」さんのユーザーは、詐欺メールのご常連ですから驚きはしません。
業界では既に周知済みのサイト続いて本文。 特に引っかかる部分はありません。 このメールの目的は、本文のリンクを押させて詐欺サイトへ誘導すること。 その詐欺サイトへのリンクは、本文に直書きされたように以下のURLです。 ひとまずこのサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認。 既に業界では周知されているようで、フィッシング詐欺サイトとして認識されていました。 使われているドメインは、サブドメインを含め”americanexpress.account-loging.com” 早速ドメイン情報を拾ってみます。 このドメインの申請者は「中国遼寧省瀋陽市」に在住で個人名で登録されています。 ドメイン管理は”MAFF”という企業に委託されています。 そしてこのドメインを割当てているIPアドレスは”115.144.69.110”に割当てられている ようなので、このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 そうです、さくらインターネットユーザーは隣国の首都とセットでしたね。(笑) そしてこの地で営まれている詐欺サイトは、もちろん本家サイトのパクリページ。 こんなサイトへ絶対にログインしてはいけませんよ!
まとめ手を変え、品を変えて襲ってくるフィッシング詐欺メール。 知ってるからまだしも、知らなかったらどうでしょうか? それ以前に、私、ここのクレジットカード持っていませんがね…(笑) お気を付けて~ いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |