『詐欺メール』iCloudから『ストレージ更新手続きのお願い』と、来た件


★詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

2025年も仕事納めしたのでせっせとブログを書いております。
今回は、「iCloud」に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
またリンクのURLは直リンク防止のため文字を一部変更してあります。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] ストレージ更新手続きのお願い
送信者:iCloud <reportshcnioxit@dfusemij.cn>


iCloudチームよりお知らせ
iCloudストレージの使用容量が上限を超過しました。現在、3.66MBを超過しています(合計容量:50GB)。
また、安全上の理由により自動更新によるサブスクリプション更新が失敗しました。
サービスを継続するため、2025年12月31日までに お支払い情報を更新 いただくか、 iCloud+にアップグレード してください。期限までに完了しない場合、同期やバックアップの停止が継続します。
月額¥450で200GBのiCloud+にアップグレードする
iCloudストレージは、iCloud写真およびiPhone、iPad、iPod touch上の重要なデータを安全かついつでも利用可能な方法で保存するために使用されており、たとえデバイスを紛失してもデータは失われません。iCloud DriveやKeynote、Pages、NumbersなどのアプリもiCloudストレージを使用しており、ファイルをどこからでも最新の状態で利用することができます。
iCloudの利用、および、写真、書類、連絡先などのバックアップを続けるには、iCloud+にアップグレードするまたは、ストレージの使用容量を減らす必要があります。
今後ともよろしくお願いいたします。
iCloudチーム
重要: 現在、使用容量がストレージプランの上限を超えているため、 新しい写真とビデオはiCloud写真にアップロードされず、デバイスのバックアップも停止しています。 また、iCloud DriveおよびiCloud対応アプリのデータ更新は、すべてのデバイス間で行えません。

iCloudはAppleの提供するサービスです。
Apple ID | サポート | 利用規約 | プライバシーポリシー
Copyright © 2025 iTunes K.K. Roppongi Hills 6-10-1, Roppongi, Minato-ku, Tokyo, Japan. All rights reserved.


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



これは iCloudを装ったフィッシング詐欺メールの可能性が非常に高いです。
その理由についていくつか説明しておきます。

  1. 送信元メールアドレスが不正
    「reportshcnioxit@dfusemij.cn
    Apple / iCloud が 「.cn 」なんてドメインや意味不明な文字列のアドレスから送ることはありません。
    正規のドメインは「@apple.com」「@icloud.com」などです。
    この時点でほぼ詐欺確定です!
  2. 容量超過の数値が不自然
    Appleの通知で「3.66MBを超過」などとMB単位の超過を理由に支払い更新を迫ることはありません。
    本物なら「数GB超過」や具体的な内訳が表示されるはず。
  3. 強い期限・不安を煽る表現
    「2025年12月31日までに更新しない場合、同期やバックアップの停止が継続します」と言うのはフィッシングの典型的な手口。
    Appleはメールで支払い情報の更新を直接要求しませんのでお間違いないよう。
  4. 日本語の違和感
    「安全上の理由により自動更新によるサブスクリプション更新が失敗しました」といった、もっともらしいが少し不自然な言い回しが含まれています。
    これは機械翻訳を利用したテンプレ詐欺の特徴です。

件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールのヘッダー情報を確認

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from unknown (HELO dfusemij.cn) (101.47.67.136)


Received のカッコ内は、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
このドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。

メールの Received のIPアドレスと、調査されたIPが完全に一致しています。
この結果からこのメールアドレスに偽装はありません。。

・Registrant: 陈〇吉
・Registrant Contact Email: blumhardtlizaoo1817@gmail.com
中国人っぽい個人名+Gmail(フリー)アドレス。
Appleは 企業名義「apple.com」ドメインのメールアドレスを連絡先として使用します。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、香港付近です。
それにこのIPアドレスは既にブラックリストに登録されて、そのカテゴリは「サイバーアタックの攻撃元」とされています。

最近この辺りは、怪しいメール発信地のトレンドの1つです。


リンク先のドメインを確認

さて、本文のあちらこちらにちりばめられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://millaneous.hhnid.cn/gvIY2S/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

ご覧の通りやっぱり Apple のドメインとは異なる中国のものが利用されていますから、このサイトは公式サイトではありません!
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。

IPが「Cloudflare」なのは隠れ蓑
Cloudflare(クラウドフレア)*とは、世界中で使われている CDN(コンテンツ配信ネットワーク)兼 セキュリティサービス を提供するアメリカの企業です。
Cloudflare自体は安全で正規の会社ですが、詐欺サイトにも普通に使われ、詐欺サイトは Cloudflare を使って本当のサーバー所在地を隠すのが定番です。

・Registrant: 刘〇
・Registrant Contact Email: blumhardtlizaoo1817@gmail.com
先ほどの「dfusemij.cn」と今回の「hhnid.cn」は、連絡先メールが完全一致していますよね!
これは同一犯が複数ドメインを使い分けている証拠です!

・Registration Time: 2025-06-20
・Expiration Time: 2026-06-20
登録期間1年で最近登録されたもの。
これもフィッシング用ドメインの王道で、Appleがこんな短期・個人登録は絶対にしません。

割当てているIPアドレスは「172.67.209.230」
IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むと開いたのは英語でタイムアウトしたことが書かれた真っ白なエラーページ。
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思いますが、ウイルスバスターにブロックされたことが、ここには以前危険なサイトが存在していたことを物語っていますね。


まとめ

メールの文面や送信者のメールアドレスとリンク先のドメインが「Apple」のものと異なるのでこのメールを詐欺メールと判定いたしました。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;