『詐欺メール』『【要対応】株式会社XYZより電子サインのご依頼』と、来た件


★詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

時々こういった訳の分からないメールが届くことがあります。
まあこういう時代なので電子サインが必要なこともあるでしょうが、私の業務では要求されることはありません。
今回は、そんな「CloudSign」に成り済ます不審なメールのご紹介となります。

では、詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
またリンクのURLは直リンク防止のため文字を一部変更してあります。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 【要対応】株式会社XYZより電子サインのご依頼(文書ID: CS-12/18/2025-6ac7c9ac8ff86da4acd9c7b4a774b008634366d0
送信者:【CloudSign】 <ueno-regist@ultimate-spa.com>


◎◇▽ 様

CloudSignにて電子サインのご依頼があります。

文書名:業務委託契約書(第4790847878回更新)

文書ID: CS-12/18/2025-d48f00db852852250cff50ca959d4b16

依頼元:株式会社XYZ 法務部 佐藤

有効期限:12/18/2025 23:59

▶ サイン画面へ進む※本リンクはあなた専用です。SMS認証が必要です。
※ご不明点は依頼者(sato@*****.***)までご連絡ください。


CloudSign サポート
support@cloudsign.jp | 0120-XXX-XXX
このメールは送信専用です


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



この「CloudSign」とは、契約書をオンラインで作成・送付・署名・締結・保管までできる日本の電子契約サービス。
でもこのメールは限りなく詐欺メールの類です。

まず冒頭の「◎◇▽ 様」という宛名が私の氏名ではなくメールアドレスのアカウント部分になっています。
これはこのメールの送信者が私の氏名を知らない証拠です。
そして「※ご不明点は依頼者(sato@*****.***)までご連絡ください。」にある”*****.***”は、私のメールアドレスのドメイン部分になっています。
また、「文書名:業務委託契約書(第4790847878回更新)」という更新回数が異常です。
それに件名にある文書IDと本文内にある文章IDがなぜだか異なっています。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「ultimate-spa.com」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。

このドメインは CloudSign のものではなく東京にある某メンズエステのものです。

因みにCloudSignが利用するメールアドレスのドメインは「@cloudsign.jp」です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from 18.178.153.160.host.secureserver.net (18.178.153.160.host.secureserver.net [160.153.178.18])


本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なる「host.secureserver.net」なんてドメインが記載されていますね。
もうこの時点でこのメールは偽メール確定です!

Received のカッコ内は、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、米国のテンピ付近です。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の「▶ サイン画面へ進む 」と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://standardprimebank.com/app/?eWFtYUBzYW5zZXR1YmkuanA=】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

ご覧の通り CloudSign のドメインとは異なるものが利用されていますから、このサイトは公式サイトではありません!
このドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。

「Registrant Organization」には「PrivacyGuardian.org llc」と記載されています。
これは、米国のドメインレジストラ PrivacyGuardian.org llc が提供するドメインプライバシー保護サービスで、このサービスを利用すると、ドメインの登録者の各種情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)が公開されるのを防ぐため、その代わりにこのように、PrivacyGuardian.org llc の情報が表示され、スパムや不正アクセスからの保護が強化することができます。
半面最近は、このサービスが藪蛇(やぶへび)になりこういったサイバー犯罪の温床とされることが多く見られます。

割当てているIPアドレスは「162.215.15.12」
IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、今度は米国のプロボ付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。

ちょっと待って。
これ「CONTROL PANEL(コントロールパネル)」と書いてあるじゃないですか?
これは CloudSign を騙ったサイトじゃありませんよ。
それに最下段の著作権表示をよく見ると、「Copyright 2025 KDDI Web Communications Inc. All Rights Reserved.」とKDDIなんて書いてあります。
これは、 CloudSign ではなくKDDIウェブコミュニケーションズのサーバーコントロールパネルのログイン画面を模した詐欺サイトのようです。
なんか適当な詐欺師ですね。


まとめ

メールの文面や送信者のメールアドレスとリンク先のドメインが「CloudSign」のものと異なるのでこのメールを詐欺メールと判定いたしました。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;