『詐欺メール』『【労働金庫】2025年10月のポイント加算が完了しました』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
「生成AI」が普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
詐欺師もこれを逃すはずが無く、怪しいメールにも生成AIが浸透しつつあり
最近では片言の日本語ではなく、違和感のない流暢な言葉を使うメールが多くなりました。
このブログは、悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にご紹介し
一人でも被害者が少なくすることを願い、怪しく危険なメールを見破る方法の拡散や
送信者に関する情報を深堀し注意喚起を促すことが最大の目的です。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文を画像でお見せする方が分かりやすいかも知れませんが、全てを画像化してしまうとGoolgeなどのキーワード検索に反映されず、不審なメールを受取って不安で検索される方に繋がらない可能性が高くなります。
できる限り沢山の方に見ていただき情報が拡散できるようにあえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現にした上で記載しています。
では、進めてまいります。
前書き
全国の労働金庫(ろうきん)の中央機関である「労働金庫協会」からとても怪しく危険な香りがするメールが届きました。
メールには「ポイント加算のお知らせ」と書かれていますが、私は「ろうきん」ユーザーではないのでこのようなメールが届くはずがありません。
いったい何が目的なのか…
では、お話を進めてまいります。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 【労働金庫】2025年10月のポイント加算が完了しました
送信者: “労働金庫" <tkpayapr@mail02.joyfulstone.com>
いつも労働金庫協会をご利用いただき、ありがとうございます。
ポイント加算のお知らせ
2025年10月分のポイントが無事に加算されました。下記の内容をご確認いただき、必要に応じてお手続きいただけますようお願い申し上げます。
■ 加算内容
・対象期間:2025年10月1日〜2025年10月31日
・加算ポイント数:8900ポイント(8900円相当)
・加算日:2025年11月13日
・加算対象取引:
・給与の受け取り
・公共料金の自動引落し
・キャッシュレス決済の利用
■ 受取期限について
加算されたポイントの受取期限は、**2025年11月13日** です。期限が過ぎる前に、早めにご確認のうえ手続きをお済ませいただければと思います。
▼ ログインページはこちら
h**ps://huairuien.com/Rokin-point
■ ポイントの利用方法
・ポイントは、1ポイント=1円相当として、以下のポイントに交換可能です:
・PayPayポイント、dポイント、楽天ポイントなど。
・ポイントの有効期限は、加算月を含む**24か月**です。
・ポイント交換手続きは、「ポイントモール」から簡単に行えます。
————————————————–
お問い合わせは下記まで
労働金庫 ろうきんダイレクトヘルプデスク
フリーダイヤル:012‐0189‐609
————————————————–
差出人:ろうきん全国労働金庫協会
このメールアドレスは送信専用です
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
これらの不審なメールは、皆さんが様々な登録の際に利用したメールアドレスが漏洩し、専門の業者がその漏洩したアドレスを収集たものを入手した詐欺グループが、こういったメールを送っているので、このメールを受取ったのは、「ろうきん」ユーザーばかりではありません。
大量のメールを送った中で、一部の対象者を狙った数打てば当たる方式の詐欺メールです。
不審な点がいくつかあるので確認していきましょう。
まず「2025年10月分のポイントが無事に加算されました」とあるにも関わらず、ポイントは受け取り手続きが必要だと書かれていること。
無事に加算されたのにどうして手続きが必要なのでしょうか?
そして「加算されたポイントの受取期限は、**2025年11月13日** です」と言う部分。
今日は11月12日ですから期限がその翌日で、あまりにも期間が短すぎます。
更には「8900ポイント(8900円相当)」いう金額。
実際の「ろうきんポイントサービス」では、給与受取や引き落としなどで加算されるポイントは数十〜数百ポイントが一般的なので8,900円はあまりにも不自然に高額です。
そして決定的なのは「フリーダイヤル:012‐0189‐609」という電話番号。
これは「ろうきん」には全く関係のない番号で、「ろうきん」を装った詐欺メールで頻繁に使われている番号です。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「mail02.joyfulstone.com」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みに「ろうきん」が利用するメールアドレスのドメインは「rokinbank.or.jp」です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from mail02.joyfulstone.com (232.160.194.35.bc.googleusercontent.com [35.194.160.232])
本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なる「」なんてドメインが記載されていますね。
これでアドレス偽装はほぼ確定!
Receivedのカッコ内は、送信者が利用したサーバーが自身で刻む唯一信頼できる部分で偽装はできません。
ここには『googleusercontent.com』と書かれています。
これはGoogleが提供する各種サービスがコンテンツを配信・ホスティングするために使用されるドメインです。
故にこのメールの送信者は、このサービスを利用してこのメールを送信しているようです。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、台湾の桃園国際空港付近です。
このメールの送信者は、Googleのホスティングサービスの利用者で、この辺りがからメールを送信できる人物であると言えますね。
リンク先のドメインを確認
さて、本文に直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://huairuien.com/Rokin-point/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
当然ですが「ろうきん」のドメインとは異なるものが利用されていますね。
このドメインを割当てているIPアドレスを「aWebAnalysis」さんで取得してみます。
割当てているIPアドレスは「34.97.214.41」
「IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、大阪市庁舎付近であることが分かりました。
そして「プロバイダー名」にも「Google LLC」と書かれていますね。
リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。
詐欺サイトでよく見かけるデザインの「CAPTURE」ページです。
このデザインは詐欺サイトでしか見かけません。
チェックを入れてみるとこのように必ず携帯電話の番号を求めてくるのもその特徴です。
まとめ
送信者のメールアドレスのドメインも、リンク先のURLで使われているドメインもどちらも「ろうきん」のものではないのでこのメールは偽物であると判断しました!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;