『詐欺メール』『【ヤマト運輸】お荷物お届け時ご不在のお知らせ』と、来た件
「生成AI」が普及し増々便利になる世の中。
詐欺師もこれを逃すはずが無く、怪しいメールにも生成AIが浸透しつつあり
最近では違和感のない流暢な日本語を使うメールが多くなりました。
このブログは、悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にご紹介し
一人でも被害者が少なくすることを願い、怪しく危険なメールを見破る方法の拡散や
送信者に関する情報を深堀し注意喚起を促すことが最大の目的です。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
☆当サイトでは、これらの観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- リンク先のドメインを確認
最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文を画像でお見せする方が分かりやすいかも知れませんが、全てを画像化してしまうとGoolgeなどのキーワード検索に反映されず、不審なメールを受取って不安で検索される方に繋がらない可能性が高くなります。
できる限り沢山の方に見ていただき情報が拡散できるようにあえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現にした上で記載しています。
では、進めてまいります。
前書き
久しぶりに今朝「SBI証券」を騙るメールを紹介しましたが、やっぱり予想通り最近ありふれすぎている証券会社を騙るメールは反響が薄くアクセス数が少ないですね。
やめとけばよかったです。(笑)
今回も割とありふれた詐欺メールのご紹介となりますが、まあ今更取り上げるまでもなく、これは「ヤマト運輸」に成りすます不審なメールです。
ではざっくりですが、お話を先に進めてまいります。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 【ヤマト運輸】お荷物お届け時ご不在のお知らせ
送信者:"ヤマト運輸" <no-reply529@tanbaobao.net>
拝啓 *****@*****.***様
本日、お客様宛にお荷物のお届けにお伺いいたしましたが、
ご不在のため配達を完了することができませんでした。
誠に申し訳ございません。
【お荷物情報】
•サービス名:宅急便
•保管営業所:ヤマト運輸センター
【ご対応のお願い】
以下の方法で再配達のご依頼をお願いいたします。
オンラインで再配達を依頼する
h**ps://maraherron.com/kuronekoyamato
また、玄関先などでの「置き配」も承っております。
再配達のご依頼時にお申し付けください。
お客様のご都合の良い時間帯に、確実にお届けできるよう
努めてまいります。
何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
ヤマト運輸株式会社
TEL: 03-6562-1656
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
Amazonや楽天などのオンラインショッピングサイトの利用が当たり前になった昨今、一般家庭や個人でも宅配業者を利用することが非常に多くなりましたね。
これに比例してこれら物流企業を騙る詐欺メールも必然的に多くなっています。
このメール、冒頭に宛名が書かれているのですが、なぜかメールアドレスに「様」が付けられています。
皆さんは、これら宅配サービスの送り状や伝票を当然ご覧になったことはありますよね。
これには郵便番号や住所、電話番号など個人情報が記載されているのですが、ここにメールアドレスなんて書かれていませんよね?
それなのにどうしてこのメールは私に届いたのでしょう?
このメールの送信者は、どこで私のメールアドレスを入手されたのでしょう?
もし連絡が必要なら伝票に記載されている電話番号に連絡を入れるはずですよね。
それに末尾に連絡先として記載されている「ヤマト運輸」への電話番号は、調べてみると詐欺メールで使われているもののようです。
これはもう紛れもない詐欺メールです。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「tanbaobao.net」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
もうお分かりですよね?
そうです、ヤマト運輸が利用するメールアドレスのドメインは「kuronekoyamato.co.jp」です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from mail-pf1-f196.google.com (mail-pf1-f196.google.com [209.85.210.196])
本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なる「mail-pf1-f196.google.com」なんてGoogleのドメインが記載されていますね。
これでアドレス偽装はほぼ確定!
ちなみにこれは、Gmail や Google Workspace(旧 G Suite)からメールが送信される際に使われるサーバー群のホスト名の一部なのでこのメールの送信者はそれらのユーザーであることも分かります。
Receivedのカッコ内は、送信者が利用したサーバーが自身で刻む唯一信頼できる部分で偽装はできません。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、カリフォルニア州にあるマウンテンビュー付近です。
ヤマト運輸が、不在通知をこのような場所から送るでしょうか?
絶対にあり得ませんよね!
この結果から、この辺りに拠点を置くGmail や Google Workspaceを介して送ることのできる人物が、詐欺師であると言えます。
リンク先のドメインを確認
さて、本文に直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://maraherron.com/kuronekoyamato/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
当然ヤマト運輸のドメインとは異なるものが利用されていますね。
このドメインを割当てているIPアドレスを「aWebAnalysis」さんで取得してみます。
割当てているIPアドレスは「8.210.66.25」
「IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、香港付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。
リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むと開いたのはリクエストがタイムアウトしたと英語で書かれた真っ白なエラーページ。
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思いますが、ウイルスバスターにブロックされたことが、ここには以前危険なサイトが存在していたことを物語っていますね。
まとめ
送信者のメールアドレス、リンク先のURLにあるドメインのどちらもヤマト運輸のものではありませんのでこのメールは詐欺メールと判断しました!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;