『詐欺メール』『Apple ID おい情報の確認#35507345』と、来た件

★フィッシング詐欺メール解体新書★
「生成AI」が普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
詐欺師もこれを逃すはずが無く、怪しいメールにも生成AIが浸透しつつあり
最近では片言の日本語ではなく、違和感のない流暢な言葉を使うメールが多くなりました。
このブログは、悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にご紹介し
一人でも被害者が少なくすることを願い、怪しく危険なメールを見破る方法の拡散や
送信者に関する情報を深堀し注意喚起を促すことが最大の目的です。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文を画像でお見せする方が分かりやすいかも知れませんが、全てを画像化してしまうとGoolgeなどのキーワード検索に反映されず、不審なメールを受取って不安で検索される方に繋がらない可能性が高くなります。
できる限り沢山の方に見ていただき情報が拡散できるようにあえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現にした上で記載しています。
では、進めてまいります。
前書き
イオンカードだのAmazonだのETCだの、今日もたくさんの怪しく危険なメールがたくさん届いています。
そのどれもが、様々な理由を付けて本人確認のためにリンク先に誘い込もうとするものばかりです。
皆さんもどのような理由にしろ「本人確認」を要求するようなメールは詐欺メールですから絶対にリンクに行かないようにしてください。
さて今回は、自身を Apple と称す者から送られてきた不審なメールのご紹介です。
では、詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] Apple ID おい情報の確認#35507345
送信者: “アカウントサービス" <hueid@mail20.crossservicessa.com>
Apple ID セキュリティ更新のご案内
平素より Apple 製品およびサービスをご利用いただき誠にありがとうございます。
現在、セキュリティシステムのアップデートに伴い、お客様の Apple ID に関する確認が必要となっております。
以下のリンクからサインインし、アカウント情報をご確認・更新いただきますようお願いいたします。
App ID を更新する
この手続きは数分で完了し、すべての Apple サービスを引き続き安全にご利用いただけます。
なお、一定期間内に更新が行われない場合、セキュリティ保護のために一部サービス へのアクセスが制限される可能性があります。
お客様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
© 2025 App Inc. All rights reserved.
Apple Japan合同会社
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ
本メールは送信専用です。ご返信いただいても対応できません。
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
これらの不審なメールは、皆さんが様々な登録の際に利用したメールアドレスが漏洩し、専門の業者がその漏洩したアドレスを収集たものを入手した詐欺グループが、こういったメールを送っているので、このメールを受取ったのは、「Apple」ユーザーばかりではありません。
大量のメールを送った中で、ほんの一部の対象者を狙った数打てば当たる方式の詐欺メールです。
この後、最終的にこのメールにつけられたリンクまで調査しますが、このところこれら詐欺サイトへの規制が厳しくなっており、詐欺サイトが設置されるホスティングサービスはセキュリティの強化が図られ、こういったサイトの多くは設置されるとすぐに閉鎖に追いやられています。
そのためこのメールに付けられたリンクももしかしたらすでに機能を停止している可能もあります。
このメールは、本文の背景が白で末尾数行の背景が水色と詐欺メールの典型的なデザインが採用されていますね。
それにしても「Apple ID おい情報の確認」って、「おい」はおかしいでしょ!(笑)
本文に誤字があるならともかく、件名が間違ってるって…
セキュリティシステムのアップデートに伴い、Apple ID に関する確認が必要だと書かれていますが、一般的に考えてセキュリティシステムのアップデートだろが何だろうがユーザー側で情報を更新させるなんてありません。
ユーザーの情報なんてApple側のデーターベースに残っているはずです。
このメールは、難癖付けて詐欺サイトであるリンクに誘い込んでAppleアカウントを盗み取ろうとするものです。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「mail20.crossservicessa.com」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
もうお分かりですよね?
そうです、Appleが利用するメールアドレスのドメインは「apple.com」です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from mail20.crossservicessa.com (246.69.146.34.bc.googleusercontent.com [34.146.69.246])
Receivedのカッコ内は、送信者が利用したサーバーが自身で刻む唯一信頼できる部分で偽装はできません。
ここには『googleusercontent.com』と書かれています。
これはGoogleが提供する各種サービスがコンテンツを配信・ホスティングするために使用されるドメインです。
故にこのメールの送信者は、このサービスを利用してこのメールを送信しているようです。
では、試しにドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者は、香港の方のです。
最近には珍しく、細かい住所まで記載されていますね。
どこまで本当かわかりませんが…
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、東京都杉並区付近です。
最近この辺りは、これら怪しいメール発信地のトレンドです。
宛名を確認
このような大切なメールの冒頭には通常「◎◇△ 様」と言ったように「宛名」が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に Apple からだとすれば、ユーザーの氏名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の「App ID を更新する」と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://sarahvancleve.com/likk2asd1/#/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた Apple のドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者は先ほどと同じ香港の方ですが、今度は先ほどとは異なりそれ以上の情報は詳しく書かれていませんね。
割当てているIPアドレスは「sarahvancleve.com」
「IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。
リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。
まだまだ稼働中ですね!
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
当然、ここにアカウント情報を入力してログインしてしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となりますから注意が必要です!
まとめ
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;