『詐欺メール』ヤマト運輸から『配送情報』と、来た件

★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
本日のトレンド
昨夜一晩で一番多く届けられた怪しいメールをピックアップする『本日のトレンド』
今日はこのメールが選ばれました!
ってか、またこれ…
『Apple 支払い方法の更新が必要です』
今回は今朝までに58通全く同じ件名と差出人で、例によって冒頭右隅に『配信停止・配信先の変更』と怪しいメールではありがちなパターン。
内容に関しては以前に以下のブログエントリーでご紹介しているので敢えて取上げは致しません。
『詐欺メール』『Apple 支払い方法の更新が必要です』と、来た件
前書き
時々送られてくる宅配業者を騙った怪しいメール、時には不在通知であったり、時には宛先不明の連絡であったり、また時には再配達の日時指定の依頼だったりと、色々な手口を使って私たちを罠にはめようと虎視眈々と狙ってきます。
でも往々にしてこれらのメールは簡単に見破れるものが多く、詐欺目的ではなくお遊びで送られてきた迷惑メールっぽいものも多くあります。
今回は、そんなあからさまにそれと分かるようなヤマト運輸に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 配送情報
送信者: “Thuan" <info@12378zp.com>
いつもヤマト運輸をご利用いただきありがとうございます。
以下のお荷物につきまして、お届け先の確認ができず保留となっております。
お手数ですが、下記リンクよりお届け先情報のご確認をお願いいたします。
📦【荷物情報】
伝票番号:JPXXX-XXXX-XXXX
配達予定日:2025年7月2日
状況:配達保留(住所不備)
📍 配送先の再確認はこちら
※24時間以内にご確認いただけない場合、荷物は一時的に保管となります。
※本メールはシステムより自動送信されています。返信はご遠慮ください。
ヤマト運輸株式会社
カスタマーサービスセンター
〒104-8125 東京都中央区銀座2-16-10
© Yamato Transport Co., Ltd. All rights reserved.
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
まず真っ先に気になるのは送信者に記載されている『Thuan』と言う送信者名。
本当にヤマト運輸からなら絶対このようなおかしな名前書きませんよ!
それ以前によく考えてみてください。
ヤマト運輸のクロネコメンバーズに登録しているのならともかく、私のように登録していない荷受人の私のメールアドレスはどこで仕入れたのでしょうか?
知っているはずの無いメールアドレス宛にどうしてメールを送ることができるのでしょうね。
そしてこのメールには伝票番号が記載されているのですが、なぜか『JPXXX-XXXX-XXXX』と番号がマスクされています。
唯一荷物の情報である伝票番号を何故隠す必要があるのでしょう?
私、こういったメールをご紹介している作業の流れでメールの表示方法を通常のHTML形式からTEXT形式に切り替え、何か隠されていないかを確認するようにしています。
このメールもいつものようにTEXT形式に表示を切替えてみたところ、面白い事に気付きました。
末尾の著作権表示に、中国語らしきものとタイ文字らしき怪しい文字が浮かび上がってきました。
これらは何を意味するのでしょうね?
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『12378zp.com』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
もうお分かりですよね?
そうです、ヤマト運輸が利用するメールアドレスのドメインは『kuronekoyamato.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from 12378zp.com (v163-44-125-74.bdpc.static.cnode.jp [163.44.125.74])
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
では、試しにドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者は、これらの調査では頻繁に見掛ける中国の方です。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、JR神田駅付近です。
最近この辺りは、怪しいメール発信地のトレンドです。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の『配送先の再確認はこちら』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://12396zv.com/#/】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
どうやらこの詐欺師は数字のドメインがお好きのようですね。
ヤマト運輸がこのような数字のドメインなんて使うはずがありませんよ!
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
持ち主の住所にはマレーシアのクアラルンプールと書かれていて、『Registrant Organization』には『Whoisprotection.cc』と記載されています。
これは、ドメインプライバシー保護サービスで、このサービスを利用すると、ドメインの登録者の各種情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)が公開されるのを防ぐため、その代わりにこのように、Whoisprotection.ccの情報が表示され、スパムや不正アクセスからの保護が強化することができます。
半面最近は、このサービスが藪蛇(やぶへび)になりこういったサイバー犯罪の温床とされることが多く見られます。
割当てているIPアドレスは『45.146.235.43』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、ロサンゼルス付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、一旦はGoogleChromeとウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
『配送状況』に『状態異常』と書かれています(笑)
ページをスクロールして下の方へスクロールしてみると『宛先情報確認』と書かれた個人情報入力フォームが現れました。
何も書かずに『個人情報の確認』ボタンを押してみると、中国語のボタンが表示されました(笑)
こういうところに手抜きがあるのも詐欺サイトの特徴ですね。
当然、ここに情報を入力して個人情報の確認ボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握されてしまいます。
この先のページでクレジットカードの情報を盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。
それにしても無理やり的にクレジットカードの情報を聞き出そうとしていますね。
『再発送はあなたの箇人の身分を検証する必要があって、あなたの常用のカード番号を入力してください、100円控除を身元確認にして、ご本人であることを確認する、認証完了から1営業日以内にクレジットカードに返金されます。』
この『箇人』って『個人』の事でしょうか?
それにどことなく片言ですね。
まとめ
ヤマト運輸が、自社のものではない数字のドメインを使ったメールアドレスでユーザーにメールを送り、ロサンゼルス付近に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;