『詐欺メール』『【重要】ETCサービス本人確認手続』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
詐欺メールの歴史を紐解くと、インターネットが普及し始めた1990年前半の電子メール黎明期から登場し、2000年代前半にはフィッシングメールと呼ばれるような、銀行やeBay、PayPalなどの公式を装い、パスワードやクレジットカード番号を盗むメールが増加しました。
その殆どが海外から若しくは海外の人間から発せられるもので、当初は片言の日本語のメールが多くあり、一目でそれと分かるものばかりでしたが、近年になりAIが普及したことで翻訳技術も向上し日本語に違和感のないものが多くなり見分けるのが日に日に難しくなってきています。
それでもまだアレ?と思うもの少なくありません。
今回は、そんなちょっと違和感のある不審なメールのご紹介となります。
では、詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 【重要】ETCサービス本人確認手続
送信者:ETC-MEISAI <no-reply.jxmbasdkmfbp@service.hvahknagf.top>
※ETCサービスをご利用いただきありがとうございます。
本人確認手続専用のURLをご連絡いたします。
引き続き下記URLより必要事項の入力をお願いいたします。
h**ps://www2.etc-meisai.jp/etc /R?k=r6uowqt935tpovnbsuk7 ae4e239
なお、ご不明な点につきましては、お手数ですが、
ETC利用照会サービス事務局にお問い合わせください。
■ETC利用照会サービス事務局
年中無休 9:00~18:00
ナビダイヤル 0570-001069
(ナビダイヤルがご利用いただけないお客さま 045-477-1262)
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
本文のアルファベットが全角文字ですよね。
経験上これは詐欺メールの一つの特徴で、 全角文字は2バイト文字とも呼ばれデーター量が半角の倍になります。
その昔インターネットが普及し始めた頃は、データー容量を極力少なくするため全角をできるだけ使わず、アルファベットや記号などは半角が当たり前の世界でした。
そんな昔人間の私は、メールの本文でやたら全角文字が使われているとピンと来てしまうのです。
全角アルファベットを使う主な国は非常に限られていて、日本の他に、中国、香港、台湾、韓国で使われていますが、日本以外では半角英数字が主流となっています。
話がそれてしまいましたのでこのメールの話に戻します。
このメールは、何の理由も無く唐突に『本人確認手続専用のURLをご連絡いたします』と…
普通はその前に、どうして本人確認手続が必要かを説明するはずですよね。
もうその時点で違和感しかありません。
それにETC利用照会サービス事務局は、登録したユーザーが、利用ETCの利用履歴や料金明細などをオンラインで確認できる公式サービスです。
故にETC利用照会サービス事務局が知り得るメールアドレスは、ここにユーザー登録した方のみのはず。
高速道路を頻繁に利用する方や企業なら分かりますが、私たちのようにユーザー登録をしたことが無い一般の人間のメールアドレスを知っているのでしょうね。
本人確認手続専用のURLを送信する前に、どこで私たちのメールアドレスを入手したのか、先にそれが知りたいです。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『service.hvahknagf.top』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
最近サブドメインに”service”が使われている詐欺メールが目立ちます。
逆に言えば、サブドメインに”service”があるメールアドレスは危険ということができますね。
因みにETC利用照会サービス事務局さんが利用するメールアドレスのドメインは『etc-meisai.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from service.hvahknagf.top (unknown [107.173.86.25])
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
では、試しにドメイン『service.hvahknagf.top』を割当てているIPアドレスを『aWebAnalysis』さんで取得してみます。
あれ?
このドメインは現在IPアドレスに割当てられていないもののようです。
IPアドレスに割当てられていないドメインは当然使えません。
この結果からこの送信者が使ったとされる『service.hvahknagf.top』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者は、これらの調査では頻繁に見掛ける中国の方です。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、米国のサンタクララ付近です。
宛名を確認
このよメールの冒頭には通常『◎◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
仮にもしこれが本当にETC利用照会サービス事務局からだとすれば、登録ユーザーの氏名や企業名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文に直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、クリックしてみるとメールソフトからこのようなメッセージが発せられました。
どうやらこのURLは偽装されているようですね。
実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://etc-clamade.hpwqdw.cn/Rfuncc1013000extfunc/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまたETC利用照会サービス事務局のドメインとは異なるものが利用されていますね。
このドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は中国で、よく見掛ける方のお名前が書かれています。
割当てているIPアドレスは『104.21.86.110』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。
リンクを辿ってみると、このようなページが開きました。
危険なサイトなのでブロックされて私の環境下では開くことができません。
別のブラウザなら開くのかも知れませんが、危険を冒してまで行うのもなと思うので、今回はここまでにしておきます。
まとめ
ETC利用照会サービス事務局が、メールアドレスを偽装して米国のサンタクララ付近からユーザーにメールを送り、カナダのトロント市庁舎付近に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;