『詐欺メール』『【JAバンク】ご本人確認が必要です【最終案内】』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


本日のトレンド

昨夜一晩で一番多く届けられた怪しいメールをピックアップする『本日のトレンド』
今日はこのメールが選ばれました!

数は少ないもののJAバンクを騙るものが16通で、いつものように件名と送信者は異なるものの中身は全部同じ。
このJAバンクとは、農業協同組合、信用農業協同組合連合会、農林中央金庫によって構成される金融グループの総称で、その組織は全国に広がり、キャッシュカード発行枚数は約1,770万枚に上る巨大金融グループです。
このメールは、そのようなJAバンクのユーザーを狙った悪質な詐欺メールです。


前書き

折角なのでこの中から、時系列が一番新しい新鮮なものをチョイスして詳しく解体してみようと思いますが、少しでも検索ヒットしやすいように、件名と送信者の一覧を書いておくことにします。

  • 【JAバンク】セキュリティ確認が完了していません:"JAバンク本人認証事務局" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】お客様の口座が確認されていません:"JAバンクお客様確認室" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】ご本人様確認未完了のため至急対応をお願いします:"JAバンクお客様確認室" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】ご本人確認が必要です【最終案内】:"JAバンク登録情報課" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】ご登録内容確認のお願い(重要): “JAバンク本人確認センター" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】不正利用防止のための本人確認について: “JAバンクお客様確認室" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】取引制限回避のために本人確認をお願いします: “JAバンク登録情報課" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】安全対策強化のための対応依頼:"JAバンク本人認証事務局" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】本人未確認のままの口座についての警告: “JAバンク口座保護センター" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】本人確認手続きのご案内(未完了):"JAバンク口座保護センター" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】重要:口座利用確認のお願い:"JAバンク本人認証事務局" <ja-support-id@repica.jp>
  • 【JAバンク】金融犯罪対策に伴う口座確認のお願い:"JAバンク本人確認センター" <ja-support-id@repica.jp>

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam]【JAバンク】ご本人確認が必要です【最終案内】
送信者:"JAバンク登録情報課" <ja-support-id@repica.jp>


【重要】ご本人様による口座利用の確認について
平素よりJAバンクをご利用いただき、誠にありがとうございます。
近年、全国的に口座の不正開設や売買、譲渡などを利用した金融犯罪が急増しており、巧妙化・組織化が進んでおります。特に、SNSや不正サイトを通じて口座情報が悪用されるケースが増えており、金融機関としても対策の強化が急務となっております。
こうした状況を受け、JAバンクではすべてのお客様に対し、ご本人様による口座利用の継続意思確認をお願いしております。これは万が一、第三者によって口座が不正に使用されている場合でも、被害拡大を未然に防ぐための重要な対応です。
また、ご確認をいただけない場合、法令上のリスク判断に基づき、一時的な口座のご利用制限や永久的な停止措置が実施される可能性がございます。誤認による制限や被害防止のためにも、以下より速やかにご確認手続きをお願いいたします。

ご本人確認はこちらから

お客様の大切な資産と信用を守るため、JAバンクでは引き続き消費者庁および関係機関と連携し、最新のセキュリティ対策を講じてまいります。皆様のご理解とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
本メールはシステムより自動配信されています。
ご不明な点がある場合は、JAバンク公式サイトよりご確認ください。
© JAバンク All rights reserved.


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで


同じ本文で色々件名を考えるものですね。
私には到底できません。(笑)
本文の内容はかなり詳しく書かれているので、どこからかのメールの本文を引用したのではないでしょうか。
まあ、なんだかんだ書いてありますが、結局はリンクに誘い込んで受信者を騙し詐欺を行うのが目的です。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『repica.jp』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
このドメインって昨日ご紹介したSBI証券を騙るこちらのメールの送信者でも使われていましたね。
その際にも説明していますが、このドメインは、東京都港区南青山に本社を置く日本のSaaS企業『アララ株式会社』さんの物でJAバンクのものではありません。
これは偽装に使われたもので、JAバンク
が利用するメールアドレスのドメインは『jabank.org』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from vmta2.56557zjxr.cc (unknown [52.128.228.115])


本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なるvmta2.56557zjxr.ccなんてドメインが記載されていますね。
これでメールアドレスの偽装は確定ですね!

ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません

では、試しにドメイン『vmta2.56557zjxr.cc』に関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者は、『Registrant Country: JP』とあるので国内の方です。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者のメールアドレスのドメインは『repica.jp』ではなくvmta2.56557zjxr.cc』です

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近です。

最近この香港辺りは、怪しいメール発信地のトレンドです。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『ご本人確認はこちらから』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://jaiwqeuan1.duckdns.org/select】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

これまたJAバンクのドメインとは異なるものが利用されていますね。

このドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。

このドメインは、イギリスのDuckDNS(ダック・ディーエヌエス) が無料で貸し出しているだれでも利用できるダイナミックDNS(DDNS)です。
このリンク先のサイト運営者は、姑息にも無料のドメインを利用して詐欺サイトを開いているようです。

次にこのドメインを割当てているIPアドレスを『aWebAnalysis』さんで取得してみます。

割当てているIPアドレスは93.185.165.188
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、ウクライナの西に位置するモルドバのキシナウ付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。

これは、JAバンクが提供するインターネットバンキングサービス『JAネットバンク』のページに似てますが、公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
ここから地域を選択してみると、このようなページが表示されました。

完全にブロックされて先に進むことができなくなっていますね。
これでは騙されたくても騙されることはできませんね!一安心です。

 


まとめ

JAバンクが、自社のものではない『アララ株式会社』さんのドメインを使ったメールアドレスで、香港からユーザーにメールを送り、モルドバのキシナウ付近に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;