『詐欺メール』Amazonから『プライムの支払い方法を更新する』と、来た件

★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
本日のトレンド
昨夜一晩で一番多く届けられた怪しいメールをピックアップする『本日のトレンド』
今日はこのメールが選ばれました!
Amazonになりますメールで、その件名は『プライムの支払い方法を更新する』
なんともありがちな件名ですが、その数はなんと今朝までの一晩で117通。
この時系列を見ると、規則性は無いものの同じような時刻に一気に複数届いていることが分かりますね。
このようなメールを一晩に100通以上も送って何がしたいんでしょうね?
前書き
このありがちな件名のAmazonを騙るメールは、もう既に紹介済みかと思っていたのですが、意外や意外未紹介のようなので今回はこちらのメールでやっていこうと思います。
この117通の中で一番新鮮ものをチョイスして、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam]プライムの支払い方法を更新する
送信者:"Amazon" <account-update@amazon.co.jp>
Amazon
支払い方法を更新してプライムを継続する
Amazonプライムをご利用いただきありがとうございます。
お客様のプライム会員資格は2025年6月16日に更新されますが、デフォルトのお支払い方法が無効になっているようです。
引き続き特典をご利用いただけるように、お客様のAmazonアカウントに関連付けられている他の有効な支払い方法へ請求させていただきます。会費の請求を処理できない場合、プライム特典は一時停止されます。
今後ともAmazonをよろしくお願いいたします。
Amazonカスタマーサービス
お支払い方法を更新する
以下の特典がご利用いただけなくなります。
- 迅速な無料配達
- 会員限定セール
- Prime Videoの特典対象作品
すべての特典を確認する
お問い合わせ
ご不明な点がございましたら、カスタマーサービスにご連絡ください。
©2025 Amazon.com. All rights reserved.
Amazonのロゴ、Amazon.co.jpおよび、Amazon.co.jpのロゴは、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
送信者:アマゾンジャパン合同会社
詳細は こちら をご覧ください。
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
このメールは、Amazonプライム会員を対象にしたもので、それ以外の方には全く関係がありません。
でも奴らは、どこかで入手した漏洩メールアドレス宛に無差別送信しているのでそんなのはお構いなしです。
これによると、私のAmazonプライムのサブスクが2025年6月16日に更新されるのですが、その支払い方法が無効になっているとのこと。
以降も引続き特典を利用するには、リンクへ行き支払い方法を更新する必要があると書かれています。
もちろんリンク先は偽サイトで、ログインさせた上で支払い方法を更新するとしてクレジットカードの情報を盗み取るのが目的です。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『amazon.co.jp』
このドメインはご存じの通りAmazonの公式ドメインですが、ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from mail5.lksighegh.top (unknown [209.54.104.176])
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なる『mail5.lksighegh.top』なんてドメインが記載されていますね。
もうこれで偽装は確定です!
このドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者は、日本の方で、香港のドメイン名登録サービス『Dominet (HK) Limited』でこのドメインを取得しているようです。
因みにこのドメインレジストラについてChatGPTで調べると、このように回答されました。
2024年6月から8月の期間における調査によれば、Dominet (HK) Limitedは約66万件のドメインを管理しており、そのうち約3.9万件がスパムドメインとして報告されています。
この期間のスパムドメインスコアは589.7で、他の主要なレジストラと比較しても高い数値となっており、スパム活動に関する懸念が指摘されています。
ということでこのDominet (HK) Limitedは、スパムの温床と化していることが分かりますね。
そしてこちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、間違いなく送信者が利用しているドメインです。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、ロサンゼルス付近です。
最近この辺りは、怪しいメール発信地のトレンドです。
宛名を確認
このような大切なメールの冒頭には通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にAmazonからだとすれば、ユーザーの氏名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の『お支払い方法を更新する』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://3d8tf5v6gk-sicjig0–grw-workers-dev.translate.goog/?_x_tr_sch=&_x_tr_sl=jp&_x_tr_tl=ja】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
今度はAmazonのドメインとは全く異なるものが利用されていますね。
実はこの『translate.goog』と言うドメインはGoogle翻訳のドメインです。
Google Translate を使って Webサイトを多言語化する場合、翻訳後のコンテンツは translate.goog サブドメイン経由で提供されます。
最近怪しいメールで良く使われる手で、Google翻訳を経由させることによってセキュリティによるブロックを回避させることが目的で、逆に言えばGoogle翻訳を経由しているリンクは危険なサイトが多いと言い換えることが言えます。
リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むと開いたのはこちらのページ。
これは『Cloudflare』セキュリティ機能での警告ページ。
もう完全にブロックされてしまいました。
これで普通に接続するだけなら被害に遭うことはありませんね!
まとめ
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;