『詐欺メール』『【確認期限:本日23:00】ご利用環境に関する確認のお願い』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


本日のトレンド

昨夜一晩で一番多く届けられた怪しいメールをピックアップする『本日のトレンド』
今日はこのメールが選ばれました!
件名は『!-あなたのメールは今日非アクティブとしてマークされました』で、これで3回目で本日の着数は一晩に50通。

このメールは、サーバーの管理者を装い受信者のメールパスワードの有効期限が本日で切れるのでリンクからパスワードの更新を促すもの。
以前2025年5月9日と5月13日でも『本日のトレンド』でしたが、こちらのエントリーで詳しくご紹介しているのでご興味がありましたらご参照ください。

『詐欺メール』『!-あなたのメールは今日非アクティブとしてマークされました』と、来た件


前書き

今回ご紹介するのは、SBI証券の名を騙るもの。
一時終息したかに思われた証券会社を騙る怪しいメールが、再び急上昇!
本日のトレンドには漏れたもののSBI証券を騙るものだけでもこのように一晩に23通届いていました。

これ件名は異なるもののどれも書いてある内容は全く同じです。
この中から今回は、現時点で一番新鮮で新しいものをチョイスして詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 【確認期限:本日23:00】ご利用環境に関する確認のお願い
送信者: “SBI証券 セーフティ対応課" <alert_important@sbi.co.jp>


【SBI証券】アカウント一時利用制限のお知らせ

平素よりSBI証券をご利用いただき、誠にありがとうございます。

お客様の口座において、通常と異なる環境(地域・端末)からのログインが確認されたため、
セキュリティ保護措置として、現在お取引に一部制限をかけております。

【確認されたアクセス情報】

  • 接続元:神奈川県 横浜市
  • 日時:2025年5月13日(木)11:45
  • 端末環境:Windows / Chrome 118

お客様によるアクセスでない場合、不正利用の恐れがございます。
このまま確認が行われない場合、以下の重大な影響が発生する可能性があります。

  • 全サービスのログイン停止(最大72時間)
  • 出金および振替操作の無効化
  • 監視対象アカウントへの移行
  • 本人確認書類の再提出が必要になる場合があります
  • 継続的に確認がない場合、利用停止処分の対象となります

対象となったアクセスについて、お客様ご本人による操作であるかをご確認ください。
所要時間は2分程度で、アカウント設定の変更は必要ありません。

■ 確認期限:本日 23:00 まで

※期限を過ぎた場合、当社基準に基づき制限が強化され、一定期間ご利用いただけなくなる場合がございます。

ご確認はこちら:
アクセス環境の確認ページへ進む

本通知はお客様のアクセス状況に応じて自動配信されています。
ご不明点がある場合は、SBI証券カスタマーセンターまでお問い合わせください。

発行元:SBI証券株式会社
〒106-6019 東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー
Copyright © SBI SECURITIES Co., Ltd. All Rights Reserved.


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



全く同じ内容でこれ以外にも以下の7つの件名のメールを確認していますので併せてご注意ください。

『【確認のお願い】ご利用状況に関するご連絡(期限あり)』
『【SBI証券】セキュリティ対応のため一部機能が制限されています』
『【SBI証券】通常と異なるご利用が確認されました(ご確認ください)』
『【システム通知】アクセス挙動に関するご案内(自動送信)』
『【重要なお知らせ】お客様口座のご利用環境についての確認事項があります』
『【SBI証券】一部サービスのご利用についてご案内があります』
『【環境一致確認】最近の接続に関する確認事項のご連絡』

今回ご紹介するメールの送信者は『SBI証券 セーフティ対応課』
そんな課どうせ嘘でしょうと思って調べてみたら、存在しました(笑)

書かれているのは、証券会社だけではなくその他クレジットカード会社などでの良く使われている手口で、通常と異なる環境からのログインがあったという不正ログインを騙ったもの。
具体的に接続場所と接続環境を掲載して信憑性を高めていて、更には確認期限を本日23:00までとして受信者の不安を煽ってリンクに誘い込もうとしています。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『sbi.co.jp』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。

実にSBI証券っぽいドメインですよね。
でもこのドメインは全く別の『ソフトブレーン・インテグレーション株式会社』と言う企業のもの。
もちろんそのような企業がSBI証券の不正アクセスメールを送信するはずもないので、当然偽装に使われた被害者です。

因みにSBI証券が利用するメールアドレスのドメインは『sbisec.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received:  from vmta3.rophgxbsaok.cn (unknown [180.178.37.27])


ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません

本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なるvmta3.rophgxbsaok.cnなんて中国のドメインが記載されていますね。
このドメインもきな臭いですよね~
では、試しにドメイン『vmta3.rophgxbsaok.cn』を割当てているIPアドレスを抽出してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

あらら、どうやらこのドメインは現在IPアドレスに割当てられていないようですね。
IPアドレスの割当が無いドメインは利用なんてできませんから、これも偽装されているようです。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近です。

最近この香港辺りは、怪しいメール発信地のトレンドです。


宛名を確認

このような不正アクセスに関する重要なメールの冒頭には通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にSBI証券からだとすれば、ユーザーの氏名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『アクセス環境の確認ページへ進む』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://sb-supver.z549u.com/page/?ref=newsb&ts=1747…..】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

これまたSBI証券のドメインとは異なるものが利用されていますね。
このドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は国内ですが、それ以外の情報はプロテクトされていて見ることはできません。

割当てているIPアドレスは『104.21.80.1』
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。

公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
当然、ここにユーザーネームとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。
この先のページでこのように、登録情報の確認と称し更に取引パスワードの情報を盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。


 

まとめ

香港からメールを送り、カナダのトロント市庁舎付近に設置されているであろうウェブサーバーにあるサイトに誘導するって、全く詐欺メールの定石通りでしたね。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;