『詐欺メール』Appleから『【重要】保存データの一部が削除される可能性があります』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、証券会社に成り済ます悪質なメールが大量発生中、資産運用されている方はご注意ください★

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

皆さんは、iCloudの有料プランをご利用されていますでしょうか?
私の場合は、結構動画や写真も撮影するので、200GBのストレージ付きiCloud+に契約しています。
このiCloudをネタにした怪しいメールも多く存在し、データーが溢れそうだとか、クレジットカードからの引落しができなかったなどを騙って送られてきます。
今回は、そんな Apple に成り済ます不審なメールのご紹介となります。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 【重要】保存データの一部が削除される可能性があります
送信者: “Apple" <info@uaoywt.com>


==================================================
◆ ストレージプランの有効期限切れに関するご案内 ◆
==================================================

平素よりAppleサービスをご利用いただきありがとうございます。

お客様のストレージプランは現在有効期限が切れており、無料プランに自動移行されました。
この状態が続くと、保存されているデータが順次削除対象になる可能性があります。

▼ データの保持にはお

です
h**ps://translate.google.com/translate?https://www.apple.com/lgrae=auto&tl=ja-JP&hl=ja-JP&u=apple.xatdw.%F0%9F%84%B2%F0%9F%84%BE%F0%9F%84%BC&client=vwtcrjlht?h**ps://www.apple.co.jp/ap/signin/bkwhbkd

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■ このまま未更新の場合に発生する可能性のある影響:

– 写真、書類、ビデオなどのバックアップが停止
– メール、メモ、カレンダーの同期が制限される
– デバイス間のデータ共有が無効になる
– 保存容量超過により古いデータの削除が開始される

大切な思い出や情報を保護するため、できるだけ早くご対応ください。

————————————————–
■ 更新手順:

1. 上記リンクをクリックし、Apple IDにサインイン
2. 「アカウント設定」>「お支払い情報」へ移動
3. 有効な情報に更新し、保存を押して完了

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■ サポートが必要な場合:

以下よりカスタマーサポートへご連絡いただけます:
h**ps://translate.google.com/translate?h**ps://www.apple.com/lgrae=auto&tl=ja-JP&hl=ja-JP&u=apple.xatdw.%F0%9F%84%B2%F0%9F%84%BE%F0%9F%84%BC&client=vwtcrjlht?h**ps://www.apple.co.jp/ap/signin/bkwhbkd

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東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ


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本文ここまで



このメールは、iCloudの有効期限が切れてしまい、有料プランから無料プランに自動移行されたことの通知で、このままだと保存されているデータが順次削除される可能性があるので、リンクから支払い情報を更新するように伝えています。
未更新の場合に発生する影響についても書いて受信者の心理を煽っているようにも見えますが、残念ながら1点大きな間違いが存在します。
更新手順のところに赤字で示した『Apple IDにサインイン』ってところ。
この”Apple ID”言葉は現在使われていません。
ご存じの方も多いと思いますが、2024年09月17日に”Apple ID”は廃止されApple Accountという名称になりました。
なので半年以上経過したにも拘らず昔の呼び名を使ってメールを送ることは絶対にありません。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『uaoywt.com』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。

もうお分かりですよね?
そうです、
Apple が利用するメールアドレスのドメインは『apple.com』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from uaoywt.com (232.59.97.34.bc.googleusercontent.com [34.97.59.232])


ここに『googleusercontent.com』とありますが、これはは、Googleがホスティングに使う公式ドメインの一つで、Googleのさまざまなサービスで生成されるコンテンツの配信元やストレージURLとして利用されています。
ということはこのメールの送信者は、そのユーザーだと断定できます。

Receivedフィールドの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません

では、試しにドメイン『uaoywt.com』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『uaoywt.com』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、大阪市付近です。


宛名を確認

このようなサブスク契約に関わる大切なメールの冒頭には通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に Apple からだとすれば、ユーザーの氏名やハンドル名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文にある詐欺サイトへのリンクですが、ドメインは『translate.google.com』ですからGoogle翻訳のドメインです。
これは、Google翻訳を経由させることによってセキュリティによるブロックを回避させることが目的で、逆に言えばGoogle翻訳を経由しているリンクは危険なサイトが多いと言い換えることが言えます。
経由後実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。

さて、本文に『』の公式ドメインを使って直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、当然偽装されていて、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://www-apple.xatdw.com/?sfaokv/】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた Apple のドメインとは異なるものが利用されていますね。

このドメインに関する詳しい情報を今度は『Grupo』さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は米国ようです。

割当てているIPアドレスは『104.21.32.1』
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。

リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。

『サイトメンテナンス中です』と書かれていて明日にならないと復旧できないようです。
と言うのは嘘で、明日になっても表示は同じでしょう。
このメールは端から詐欺目的ではなく、愉快犯によるいたずらじゃないかと思います。


まとめ

ただでさえ不審なメールが多いのに余計なことしないでほしいものです。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;