『詐欺メール』『【三井銀行】入金がありました』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、証券会社に成り済ます悪質なメールが大量発生中、資産運用されている方はご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
最近、証券会社を騙るメールばかりなので、今回はちょっと一息ついて、銀行の名を騙るメールをご紹介しておこうと思います。
今回は、三井銀行に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 【三井銀行】入金がありました
送信者: “三井住友カード" <lmtpbyqh@wnH.pdu.net>
下記日時に、お客さまの口座へ入金がありました。
■入金日時
2025/04/19 09:20:22
詳細はログイン後、「入出金照会」よりご確認ください。
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★ ご登録の名前・住所・電話番号・メールアドレス等に変更はありませんか? ★
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以下URLからログインしてご確認のうえ、変更があればお手続きください。
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このメールは送信専用です。
ご不明点等は、当行WEBサイトよりお問い合わせください。
三井銀行
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本文ここまで
このメールは、心当たりの無い口座入金を騙ってリンクに誘い込み、VJAグループのユーザ専用サイトのVpassへのログイン情報とクレジットカードの情報を盗み出し詐欺をたくらむ悪質なメールです。
送信者名には『三井住友カード』と書かれているのに、本文には『三井銀行』と書いてあります。
三井住友カードは、ご存じの通り三井住友フィナンシャルグループ傘下の大手クレジットカード会社で、三井住友銀行もそのグループ企業です。
対して三井銀行は、現在の三井住友銀行の前身の一つで、1990年に太陽神戸銀行と合併して太陽神戸三井銀行となり、その後1992年に行名をさくら銀行に改称した金融機関で、現在は存在しない金融機関名称です。
このメールの送信者は、当たり前のように三井銀行と記載していますが大きな間違いをしているようです。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『wnH.pdu.net』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
一般的にドメインに大文字小文字の区別はないので、大文字と小文字が混在するドメイン自体に違和感があります。
因みに三井住友カードが利用するメールアドレスのドメインは『vpass.ne.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from wnH.pdu.net (unknown [202.95.213.38])
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
では、試しにドメイン『wnH.pdu.net』に関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
ドメインは存在するようですが『対応するIPアドレスがありません』とあるので、このドメインは現在どのIPアドレスにも割り当てられていないものなので当然メールの受送信なんて不可能なもの。
この結果からこの送信者が使ったとされる『wnH.pdu.net』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、東京のJR神田駅前付近です。
宛名を確認
このような大切なメールの冒頭には通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に三井住友カードからだとすれば、ユーザーの氏名やハンドル名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の『詳細はログイン後、「入出金照会」よりご確認ください。』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**p://ourunfz.com/login】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた三井住友カードのドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は中国のようですが、それ以外所情報はプロテクトされています。
割当てているIPアドレスは『172.98.13.186』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、ロサンゼルス付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、一旦はGoogle Chromeにしっかりとブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
それにしても重要なお知らせに書かれている日付がずいぶんと古いものですね。(;^_^A
当然、ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。
この先のページでこのように、『カードご登録内容の照会』と称し更にクレジットカードの情報を盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。
まとめ
だいたいすでに存在しない金融機関名を名乗っていること自体が絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;