『詐欺メール』『DHL: 最後のリマインダー: アクションが必要です』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、偽キャンペーンメールが大量発生中、特にポイント付与メールにご注意ください★

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

佐川急便やヤマト運輸など、国内の物流企業を騙る怪しいメールが多く見られますが、時折海外の物流企業を騙る者も時々送られてきます。
今回は、そんなドイツの国際輸送物流会社『DHL』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] DHL: 最後のリマインダー: アクションが必要です
送信者: “DHL出荷処理" <express-Ioon@musicic.com.cn>


お客様各位、

パッケージ番号 4764852088 はまだ配達待ちです。

​有効期限の3日前までに下記リンクよりご住所と送料のお支払いをご確認ください。

配送状況の詳細については、次のリンクから直接ご確認ください。

荷物を追跡する

ご理解いただきありがとうございます

これは自動送信メールです。この情報は保証なしで提供されます。誤り、変更、省略、修正、未配達、または過度に長い適応時間から生じる可能性のある直接的または間接的な損害については責任を負いません。


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



配達待ちの荷物があるようで、3日前までにリンクで住所と送料の支払いを確認するように求めています。
『3日前までに』って過去の事ですよね?
『3日後までに』なら分かるのですが…

このメールも他の怪しいメールと同じで『ご理解いただきありがとうございます』とありますが、一方的にメールを送っておいてどうして理解したと分かるのでしょうか。
誰もまだ理解していませんけど。😁

なんかこの末尾のくだりも日本語がとても怪しいですね。
『これは自動送信メールです。この情報は保証なしで提供されます。誤り、変更、省略、修正、未配達、または過度に長い適応時間から生じる可能性のある直接的または間接的な損害については責任を負いません。』


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『musicic.com.cn』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。

末尾が『.cn』なのでこれは中国に与えられた国別ドメインです。
因みに DHL が利用するメールアドレスのドメインは『dhl.com』と必ず”dhlが付けられています。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from musicic.com.cn (unknown [165.154.199.181])


ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません

では、試しにドメイン『musicic.com.cn』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。

更にこのドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者は、恐らく中国の方です。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、シンガポールの山中付近です。
それにこのIPアドレスは既にブラックリストに登録されて、そのカテゴリは『サイバーアタックの攻撃元』とされています。


宛名を確認

このメールの冒頭には『 お客様各位、』と『宛名』が書かれています。
でも仮にもしこれが本当に DHL からだとすれば、送付先の氏名を知っているはずですからこのような宛名はとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『荷物を追跡する』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://neng2.com/www.dhl.com/jp-ja/home.html/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた DHL のドメインとは異なるものが利用されていますね。

先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は、中国達州市でやっぱり中国の方が関与しているようです。

割当てているIPアドレスは『43.130.230.103』
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイトではありがちな、東京都杉並区付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むと開いたのは『404 Error: Page not found』とだけ書かれた真っ白なページ。
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思いますが、ウイルスバスターにブロックされたことが、ここには以前危険なサイトが存在していたことを物語っていますね。


まとめ

ドイツの企業である DHL が、自社のものではない中国のドメインを使ったメールアドレスで、シンガポールの山中からユーザーにメールを送り、ウイルスバスターにブロックされるようなサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;